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【AI活用】『痛みのノイズ』とは:AIは匠の技術を科学できるのか

本日は腰痛から考えるAIの学習の話
(何それ)


僕は30代後半で腰を壊してから、
整骨院に通い続けています(老人)

もちろん整形外科も行ったし
ペインクリニックも行ったし、
それはをいくつも渡り歩いた。
そして
『一生、この痛みと付き合う他ない』
と言われてしまい、どうしたものかなと思っていた時に

『これは治る、治せる』
と言ってくれたのが、整骨院の院長先生でした。

古くからあるような老舗の個人院ではなく、
大きな会社で最新の技術を常に取り入れている福岡でも有名な整骨院グループの1院になります。

福岡では有名な整骨院グループ。
そこには『神の手』のような人は概念存在せず。
常に技術研鑽と新しい医療と『現実』との闘いをされています。

ぶっちゃけ整骨院は先生との相性です。

この整骨院では筋肉操作に特化したような技術で、『ボキっ』みたいなのは一切ありません。
その先生はグループ内でもトップクラスの施術師です。
同世代で理路整然としていてカッコいい。

当時、まともに歩くこともできずに妻に支えてもらっていた僕は、そこで約半年のリハビリをこなしてようやく歩けるようになったのでした。

これはもう神の手では?

ここまでが前振り


ごくたまーに、他の若い先生に診てもらうことがあります。
滅多に無いのだけど、そういうときは『違和感』がありますね。
下手とかいうことはないんです。
ちゃんと国家資格を持った素晴らしい柔道整復師さんです。
相性の違いなんでしょうけど、

痛みにノイズがあるんです

痛みのノイズではなく、『痛みにノイズ』です。
捻挫や凝り固まった筋肉を揉みほぐしたり、
動かすわけだからそもそも『痛い』わけだけど、
その痛みに集中するといくつかの種類に分けられる(ように感じる)

筋肉側の本来の凝りによる痛みと、
先生の指先の指圧による痛み。
上手だったり相性が合う先生は後者の痛みのノイズが極端に少ない
マッサージで言うところの『痛気持ちいい』みたいなものの純度が高いという感じ。

伝わります?

もっと簡単に言うと、
痛くても嫌な感じがしない
という事です。

この、身のうちの痛みは自分の不摂生からくるもの
先生からの外的要因ではないと自分でわかると言う事。(恥じろ)

痛くないからソフトタッチかと言うとそうではないです。しっかり効く。
しっかりと力が加わるから「痛い」


この違いについて、院長先生に質問してみた。
どんな違いがあるのか、それを言語化できるか。

『あー、気づきましたか。
いろんな技術ややり方みたいなものは教えることができるけど、
これだけは訓練だと思っています。
たくさんの患者といろんな症状に向き合って自分の身体を操作するレベルを上げるしかないんです』


なるほど。。

この人が言語化することができない情報
そしてそもそも他人に伝わりにくい情報
自分と他人とでは同じ結果にならない情報
そして因果

これをAIが学習するにはどうすればいいんでしょ(職業病)

例えば指圧の数値をセンサーで測って〇〇N(にゅーとん)と計測できたとする。
アナログがデジタルになる瞬間に情報はかなり欠落する。
前述の院長の経験則はほとんどデータとして残らない。

もっと多角的に観測観察考察するためのデータが必要になる。

どの業界でも「匠」と言われる人がいて、
みんながその匠のように作業ができれば高品質低コストでアウトプットが出せると考える。

だから僕らAIエンジニアは「匠を科学する」を課題としている

カメラやセンサーをたくさんつけて、
その方を外部から観察する
同じ動きを再現する条件を探していきます。

そしてインタビューしていろんなヒントをみんなで言語化しようとする。

どうやってそこに行き着いたのか聞いて回る。

しかし、匠の暗黙知は彼らの経験(過去)の中にあって、
それを形式知(値)に変えるのは至難の業。

はてさて。

なんのために匠を科学しようとしたんだっけ??

そうだった、匠本人を再現したいのではなく匠の技を再現したいのだった。

先日、個人再現AIについてnoteを書いたばかりだった。

そう、沼にハマると目的を忘れる。
匠を再現することに必死になってなんのためだったかわからなくなる。

そうそう、今回の話で言えば患者の痛みをとったり
怪我を治すことが目的で、
最適な動作や所作をデータに落とし込むことで
AIがそれを理解し、言語化し、

若手の先生たちの研鑽の一助とする、もしくは一部でも機械で代替できる
技術を生み出すのが目的です。

人の経験を再現し、AIから似たパフォーマンスを引き出すというのはとても難しいように思えます。

このAIを活用して誰かが幸せになるために、


僕らはどんなデータを取ればいいんだろう。


これがスタートでしたね。
さまざまなセンシング、数値化、学習、モデル化。
全てが誰かのためになるようにサービス化をめざしていかねば。


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ドイのnote
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