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こんな場所が近所にもあったらいいのに...

完全民営で運営している私設図書館「みんなの図書館さんかく」をはじめて、約半年が経過しました。現在は安定の黒字経営で、初期投資分の費用をちょっとずつ回収しはじめています。

半年で本の寄贈は2,300冊、図書貸出カードの登録者数が173名、来館者数は累計2,000名を超えました。

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完全民営の図書館の仕組みに関心を持ってくださる方が多く、県内外の遠方から来館してくださる方も多くいます。

そして、遠方から来られた方はみんな口を揃えて、こう言います。

「こんな場所が近所にもあったらいいのに...」

そうなんです、

(自分で言うのもなんですが)「さんかく」はめちゃ居心地が良い場所だし、自治会区域にひとつくらいあったら、きっと住民の生活は豊かになるでしょう。

でもね、

ちょっといじわるな僕は「こんな場所が近所にもあったらいいのに...」と聞くと、こう思ってしまうのです。

「だったらつくればいいんじゃないですか?」

と。

みんなの図書館の仕組みをつくるときに大切にしたのは、真似しやすいモデルにすることです。自分としては「私設公共空間」の社会実験の位置付けとして取り組んでいて、普遍性を高めることでこうした公共空間づくりを広げていきたいという思いがあります。

みんなの図書館の核となっている、「一箱本棚オーナー」の仕組みはちょっと頑張れば誰にでもできるモデルになっています。一箱月2,000円で本棚を借りてくれる人を探す、それのみです。

だから「あったらいいのになぁ」ではなく「やる」が大事で、やる人がいればどのまちにでもできるのが「みんなの図書館」です。(だって、「みんなの」図書館なのだから)

実際に、今年はじまったばかりの「一箱本棚モデル」のみんなの図書館ですが、石川県加賀市、兵庫県豊岡市、長野県茅野市にも波及しています。

ここにはまだ書けませんが、他に開設準備をしている「みんなの図書館」もあって、さらに姉妹館が広がっていきそうです。

(またまた自分で言うのはなんですが)このモデルってかなり優秀で、有休不動産をまちのコミュニティの拠点にできるし、なにより赤字を出さずに運営ができます。

例えば、銀行、郵便局、駅、カフェ、公民館、公園、ガソリンスタンド、自社オフィス、ランドリーなどの壁を本棚にして、みんなの図書館にしてしまえば、家賃の固定費を稼ぎ出せるし、人も集まるようになって一石二鳥です。

もちろんめちゃくちゃ儲からないし、人件費まで含めて考えれば赤字かもしれません。でも、これからの時代、お金よりも多様な人間関係を持っていること、つまり社会関係資本が大事になってくると考えています。

また、聞いた話によると、人間が孤独状態にあることは、1日タバコ15本を吸うことに相当するくらい体に悪いそうです。「健康拠点」としての図書館の位置付けも重要かもしれません。

もう机の上でまちづくりのアイデア出しをするひとはいりません。これからの地方に本当に必要なのは、行動するひと、実践するひとです。

「こんな場所が近所にもあったらいいのに...」と思ったひと、だったらつくりましょう。

つくりたいまちは自分たちの手でつくる時代です。

図書館をつくりたいひと、図書館以外の形でも私設公共空間をつくりたいひと、お声がけお待ちしています(笑)衰退するまちを指をくわえて見ているのではなく、アクションを起こしましょう!

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