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講師の話がおもしろくなるかどうかは、「聞き方」が重要だったりする。

講師業なるものが気付いたら仕事になりはじめ、早5年。

いまは年間で80回くらいは、講演やら研修やらワークショップを担当させていただいています。

年間80回もやっていれば、「今日はうまくいったなぁ」と思う日もあれば、「今日は微妙だったなぁ」と反省する日もあるわけです。

それでふと、うまくいく日、うまくいかない日の法則ってなんだろう?と考えてみました。そうすると、どうやら聞き手の「聞き方」が重要だということがわかってきました。

聞き手が積極的に相づちをうったり、良い反応をしてくれていると、話し手はどんどんモチベーションがあがって、話のテンポが良くなり、結果的に良い講演会・研修会になります。

逆に、何を言っても無反応で、誰もうなづかないような場では、講師が不安になって、うまく話せなくなるし、きっと「今日はつまらなかったね」と感想を言い合う講演会・研修会になってしまうでしょう。

例えば、とある研修会で講師をしたときの話です。

参加者は100人くらい。参加している方は自発的というより、組織から半強制的に参加を促されて来た人が大部分でした。

自分の持ち時間は90分。当初は90分丸々講演をする予定でしたが、最初の空気を見て「これはまずい!」と思い、プログラムを大幅に変更。

まずは隣の人と自己紹介をしたり、テーマに関わる問いについて話し合う時間を持つことにしました。

しかし、どうもぎこちない空気は壊れず、講演中もほぼ無反応、問いかけても誰も手をあげない、質疑応答でも質問は出ない、自分の中では「やらかしたなぁ」と記憶に残る場になっています。

なぜこんなことが起きるのか?

それは参加者の「聞く準備」ができていないからです。

そうそう、よく考えてみれば、「今日は微妙だったなぁ」「うまくいかなかったなぁ」と思う日は、ほとんどの場合、参加者が強制的に参加している研修会であることが多いのです。

つまり、講師の話を聞くために、そこに座っているように見えて、頭のなかは「研修めんどくせーな」「早く終わらないかなー」と消極的な態度で、積極的に聞こう!という態度ではないのです。

もちろんプロの講師の腕は、こうした場だからこそ試されます。

しかし、「聞く準備」ができてない人の態度を変えて、こっちの話を聞いてもらえるように準備運動をする時間は、積極的に「聞きたい!」と思って参加してくださった方にとっては、勿体無い時間になってしまいます。

講師によっては、消極的な人は無視をして、誰か一人でもやる気のある人に響いてくれれば良いと言われる方もいますが、僕は置いてきぼりの人がいるのはどうも納得がいきません。

場づくりは、案内状からはじまると言われるように、参加者のマインドセットを事前につくっておくことも、講師(どちらかといえばファシリテーター)の仕事のひとつかもしれません。

ですから、案内状や誘い方で、一定はその人にとって参加する意義を見出すこともできますが、実際に蓋を開けてみないとわからないのが講演会や研修会です。

結論なにを言いたいかといえば、どんな理由であれ、あなたの貴重な時間を使ってその場に参加してしまっているのだから、「聞く準備」は会場に来る前に済ませておこうということです。

その場に参加する意義を自分自身で見出すのもひとつのスキルだと思うのです。

「聞く準備」ができていれば、嫌々話を聞くことはなく、むしろ何かひとつでも学びとろうと積極的に聞く姿勢になるはずだし、あなたのアクティブに聞く態度が、講師の話をさらにおもしろくしていきます。

聞く人の積極性と、話し手の積極性は、連動しています。良い聞き手がいれば、勝手に良い話し手になっていくのです。

ですから、自分が参加者として講演を聞くときはできる限り、良い聞き手であろうと意識をするし、自分自身で参加する意義を見出せないものには参加しないと決めています。

それは話し手にとって失礼なことだと、自分が一番よくわかっていますから。笑

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ローカルでコミュニティづくり実践をしている人のための、「ローカルコミュニティの実験室」はじめました。


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