2000年代 各年一番好きな洋楽アルバム紹介
2000年代の洋楽にどんな特徴があったかと訊かれて、こうだと言い切ることが出来る人はなかなかいないでしょう。
それほど多様化に多様化を重ねた2000年代。
僕はこの時まだまだクソガキですが、お小遣いを握りしめTSUTAYAに行って聴きたいCDをレンタルするという、「自分の意思で聴く音楽を選ぶ」という行為をし始めたのはこの時期。思い出深いです。
今回はそんな2000年代の各年で一番好きな洋楽アルバムを紹介します。
2000年 「All That You Can't Leave Behind」-U2
他候補
「Hybrid Theory」-Linkinpark
「KidA」-Radiohead
僕にとってこのアルバムは「一枚のめっちゃ好きなU2のアルバム」に留まっているのですが、やはりリアルタイム世代にとってこれほど思い出深いアルバムは無いでしょう。
「Pop」という問題作(ちゃんと聴いたことないです、ごめんなさい)を経て、この王道ド真ん中のアルバムをリリース。この体験が当時のファンにとってどれほど素晴らしい体験だったか想像に難くありません。
「Beautiful Day」は本当にいい曲。このメロディセンスは他の追随を許さない圧倒的才能。
「Kite」もいいですね。イントロのストリングスでもう「ああ…」と感嘆のため息が出ます。
2001年 「Is This It」-The Strokes
他候補
「Gorillaz」-Gorillaz
「Discovery」-Daft Punk
「こういうバンドを待ってた!」と当時のロックファンなら叫んだであろうストロークスのファースト。「Hard To Explain」が一番好きです。印象的なギターリフとシンプルなベースとリズムギターが最高。途中で挟まれるあの一瞬の静寂はもはや芸術。去年のフジロックで日違いのヘッドライナーであるフーファイターズでどっちの日に行くか悩んで結局フーファイターズの日にしたんですけど、ストロークスの映像を見て羨ましさで血涙を流した思い出。(デイブグロールは神でした)ストロークス、駄作が一枚もなくて直近で出た「The New Abnormal」が最高傑作と謳われてるのはなかなか凄い。僕も大好きです。
2002年 「Up The Bracket」-The Libertines
他候補
「By The Way」-Red Hot Chili Peppers
「Audioslave」-Audioslave
「一番好きなデビューアルバムは?」と問われればこれと答えるかもしれません。勢いに溢れまくったパンクの音楽性を持ちながら崩れない文学的な歌詞。そして中心人物であるピートは文学好きのとんでもないろくでなし。このギャップがいい。ピートは今生きてる人間で最もジョンレノンに近い人物でしょう。
一番好きなのは二曲目の「Death on the Stairs」。オアシスのアクイースを彷彿とさせるカールからピートへのボーカルのリレーとキャッチーなギター。まさにリバティーンズの自己紹介ソングです。
勢い溢れる表題曲もGOOD。
2003年「Meteora」-Linkin Park
他候補
「Elephant」-The White Stripes
「Absolution」-Muse
小五の夏、TSUTAYAの洋楽コーナーのLの列にリンキン目当てに直撃し、このメテオラのCDを見つけた時の感動は忘れもしない。やはり実際にCDを手に取って聴くのはいいですね。
肝心の中身ですが、まあとにかくかっこいい。純度100%の疑う余地のない最高のかっこよさ。
今のとこかっこよすぎだろ!と唸っていたらすぐさま次のかっこいいパートがやってきてノックアウトされそうになる息の詰まるかっこよさの応酬。もはやかっこよさの暴力。
やはり僕は「Numb」が一番好きだし、この最強の曲が最後の曲なのが憎い。曲単体でももちろん好きですが、アルバムを通して最後に聴くとやはり格別です。
2004年「Franz Ferdinand」-Franz Ferdinand
他候補
「The Libertines」-The Libertines
「American Idiot」-Green Day
インディーロックとダンスミュージックの合わせ技という、他にあるようでない絶妙なツボを突いてくる素晴らしいバンド。
初めてYoutubeのオススメで流れてきた「Take Me Out」を聴いたときなんだこれ!?とびっくりしたのを覚えてます。前半と後半でテンポも曲調も違う。本当にびっくりしました。そのあと3日くらいそれだけ聴いていたのですが「流石に他の曲も聴きたいな」となってアルバムをレンタル。見事に虜に。
他に好きなのは「Michel」でしょうか。ふわふわしたリズム感がたまらない。
2005年「Demon Days」-Gorillaz
他候補
「From Under The Cork Tree」-Fall Out Boy
「All We Know Is Falling」-Paramore
まず最初に「デーモン・アルバーンとかいう男多才すぎだろ」と言いたい。一番近いジャンルはヒップホップなんでしょうけど、ここまで「唯一無二」の音楽性と立ち位置を獲得したのは先見の明がありすぎて怖い。未来人かな?
「Feel Good Inc.」とかいうヤバいものが入ってるとしか思えない大名曲が入ってる時点で傑作なのは確定なのですが、「Kids With Gun」「DARE」「Dirty Harry」と様々な角度から自身の音楽性の外堀を埋めていくような名曲を揃えた、彼らが今後音楽チャートにおいて重要な役割を担うことが約束された歴史的名盤と言えます。
他の曲だと「Nobember Has Come」が好き。コーラスが美しい。
2006年「Whatever People Say I Am, That's What I'm Not」
-Arctic Monkeys
他候補
「Stadium Arcadium」-Red Hot Chili Peppers
「The Black Parade」-My Chemical Romance
早いものでもうアクモンが登場。間違いなく21世紀で一番重要なロックバンドです。
アレックスの捲し立てるようなボーカル、トリッキーなドラム、目まぐるしく変わる曲の構成。「売れるに決まってるやんこんなん」と言いたくなります。そう、ドラムのマットはもっと評価されるべき。ドラムが彼じゃなかったらここまで来れてなかったかも?
ぶっちぎりで好きなのは「When The Sun Going Down」。ライブ映像を見てもこの曲の序盤の入りの盛り上がりは半端ない。それにしてもこのレベルの緩急の付け方を齢20でマスターするとは・・・。アレックス、恐るべし。
他にもペースダウンすることなく突っ走るように名曲を詰め込んだ、誰に勧めても後悔しない歴史的傑作。洋楽の入門にもちょうどいいのでは??
2007年「In Rainbows」-Radiohead
他候補
「Favorite Worst Nightmare」-Arctic Monkeys
「Oracular Spectacular」-MGMT
前衛的な要素とバンド的な要素がちょうどよく共存している、個人的にレディオヘッドで一番好きなアルバム。
「Bodysnatchers」のジョニーのカチャッ、カチャッみたいな音が好きすぎる。この曲を演奏している映像で彼がギターを搔くようにこのパートを弾いているのを見てどれだけ厨二病が満たされたか分かりません。いいですよね、ジョニー・グリーンウッドという男。
そして「Jigsaw Falling Into Place」。恐らくこのアルバムで一番取っつきやすい曲です。ガラッと曲調が変わるところが好き。
あと語りたいのは「Reckoner」でしょうか。優しい曲調と対比的に世話しなく鳴るパーカッション。好きな曲です。
2008年「Vampire Weekend」-Vampire Weekend
他候補
「Viva La Viva」-Coldplay
「Dig Out Your Soul」-Oasis
新譜、マジでよかった。その勢いで彼らのディスコグラフィ一回全部聴いてみました。やはりこのファーストが一番よかったです。
本当に聴いてて楽しく飽きない。リズムの面だけで言えばストロークスの系譜で語ることも可能ですが、南国風のギターとストリングスがインテリ感漂うポップな要素を添えます。
ドラムが特徴の代表曲「A Punk」ももちろん好きですが、一番好きなのはその次の「Cape Cod Kwassa Kwassa」。ファーストアルバムでこんなリズムアプローチが出来るロックバンドが他にあるでしょうか。しかしそれでも全然すんなり受け入れられるのは彼らのリスナーを置いてけぼりにしない巧みなメロディセンスがあってこそでしょう。
2009年「Invaders Must Die」-The Prodigy
他候補
「Tonight」-Franz Ferdinand
「The Resistance」-Muse
実はこのアルバムのことを知ったのは去年の今頃。プロディジーは俗に言う「カニ」しか聴いてなかったのですが、不意に他にはどんなアルバム出してるんだ?とサブスクで本作を聴いてみたところめっちゃかっこいいじゃん!と激ハマり。今では彼らの一番好きなアルバムになり、エレクトロ全体で見てもかなり上位に入る好きなアルバムです。
ケミカルブラザーズとは違う、完全にロックに特化したエレクトロサウンドに耳をゴリゴリ抉られる快感。しかしキャッチーさも残していてただうるさいだけじゃないと気付かされます。
やはり「Omen」は見逃せない。耳に残るシンセのフレーズと少しバンド的な要素のある曲展開が最高です。
あとは「Take Me to the Hospital」も好きです。要素てんこ盛りの目まぐるしい展開が魅力の名曲。
まとめ
イギリスが6、アメリカが3、その他(U2のアイルランド)が1。
やはり僕は英ロックが好きです。この企画通して確信が持ててよかった。
僕が初めて「誰かの影響とかなく、自分の意志で好きになったバンド」であるリンキン、中学生のときAMを聴いて衝撃を受け、一ヶ月くらいファーストとAMしか聴かない謎の時期があったアクモン、ヒップホップの魅力を教えてくれたゴリラズと僕の人生の大きな構成要素であるバンドがたくさん出てきて楽しかったです。
読んでいただきありがとうございました。それでは、よい洋楽ライフを!