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ここまでわかった犬たちの内なる世界 第1期

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127匹のイヌたちと寝食を共にするように暮らし、6万㎡の牧草地をフィールドに“半放し飼い“の群れをつぶさに観察した筆者が、イヌをめぐる認知科学の現況にも着目しつつ、独自の視点で犬…
2021年6月〜9月に投稿、 最新の更新2025年1月13日
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2021年7月の記事一覧

ここまでわかった犬たちの内なる世界〜#08「嗅ぐ生活」〜なぜ、脇の下のにおいをこすりつけた請求書に効果があるのか?

いきなりですが、皆さんにクイズを出します。 えっ、またですか?  と、前回から引き続き読まれている方は身構えたかもしれませんが、 出題は1問だけです。 でも、ありきたりのものではありませんよ。 次のショート・ストーリーをよく読んで、【 A 】にふさわしい言葉を 8字以内で考えてください(ハードボイルド仕立ての物語にしてみました)。 ✳︎ ジャーマン・シェパードのマックスは、アメリカ合衆国のある都市警察のK-9課で仕事をしています。昨夜、マックスのハンドラーであるス

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ここまでわかった犬たちの内なる世界〜#07 「嗅ぐ」ことで人の見えないものを見る

あなたは自分の鼻が今よりも100,000倍利くようになったら、いったいどんな生活になるのか想像したことがありますか? 体験することはもとより、人間には想像することがきわめて難しいイヌたちの“嗅ぐ生活 “を垣間見ていきたいと思います。 手初めに、クイズを出しますね。 犬の嗅覚クイズ イエスかノーかの2択です。あなたの答えをどこかに控えておいてください。   答え合わせは、「狩猟能力テスト密着ルポ 」の後にやります。 「先に知りたいぞ」という方は、目次の「 クイズの答え合

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ここまでわかった犬たちの内なる世界〜#06イヌが教えてくれる憎めないウソのつき方

夏休みも間近になりましたね。 夏休みといえば、子供たちの昆虫採集。 筆者も小学生の頃は、 昆虫ハンターとなって野山を歩きまわり、高学年になると標本箱の製作にいそしんだものです。 かなり大がかりな本格的なものを作った記憶があります。 学校の図書館に格納されていた保育社の『原色日本昆虫図鑑』は、 シートン動物記や怪盗ルパンと共に当時の愛読書で、ページをめくっては心を躍らせていました。  そうこうしているうちに、ついには、ハンティング熱とコレクター癖が同時進行的に沸点に達し、中学

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ここまでわかった犬たちの内なる世界〜#05イヌの心の理論〜あなたからも “パーティーの招待状 “を送ってみませんか?

雪だ!雪だ!雪だ! さあ行くぞ! イヌたちはいっせいに外へ飛び出していく。 雪原を駆け出すと、たちまちイヌたちは大はしゃぎだ。 踊るように、追いかけっこをする若いイヌたちもいる。 マロンが“トロフィーの息子”に肩をぶつけた。 トロフィーの息子は少し面食らった そぶりを見せる。 お互いが相手の顔を見すえたまま、前足で雪面を軽くひっかいた。 これが、かれらの 「さあ、いっしょに遊びましょう」のシグナルだ。 少しだけトロフィーの息子の顔がこわばっている。 「これはマロ

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