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人生の話

20代の頃、人生=仕事だと思っていた自分がガラリと価値観を変え、好きなことして生きようと思ったきっかけについて。

今まで自分の人生の8割は仕事で決まるだろうなと正直思っていた。
24時間のうち、8時間は仕事、残り8時間は睡眠、1時間は通勤、2時間は食事、そして残り5時間は仕事のための読書や仕事のための情報収集。
そして、それは嫌ではなかった。自分のやっていることが少しずつ数字に繋がり、クライアントの喜びにつながり、少しだけ社会に影響したりすることが楽しかった。
だんだん、当時の仕事が手持ち無沙汰になり、転職して業務領域を広げたり、仕事内容の難易度を上げた。それに伴い、給料もうんと上がった。

当時は「金」のためになのか、欲しいものを買える「余裕」のためになのか、とにかく出世欲に駆られ、毎年「出世守り」なるものを購入していたっけ。

どこに行っても、職場の人間に苦しめられて、やっと心許せる仲間ができたと思えば、「良い人ほど早くいなくなる(退職する)」を目の当たりにしていたし、その度に絶望の毎日がやってきた。

自分を救ったのはいつも、上司でも同期でも部下でもなく、「クライアント」だった。クライアントだけが自分を認めてくれていた。

コロナが訪れ、自分の仕事の価値観は、目の前のクライアントを幸せにするというものから、日本の経済から中小企業を救うみたいな馬鹿げた使命感を持つようになり、変わった。そう思いたくて、思ったのか、思わないといけないと思って思ったのか、もう覚えていない。自分に何ができるだろうと考え、何にもできないくせに何かできるんじゃないかみたいな変な使命感を持って、転職してコンサルタントになった。

中途入社のコンサルは辛い。何が辛いのかというと、コンサルとして一緒に動くチームのメンバーそれぞれの役割が不明なままプロジェクトが進むことや、自分の意見が言語化不足で通しきれず、「やっぱりこうなったじゃん」と思うしかないという負の循環が辛かった。一ミリも尊敬できないリーダーのもとで働くことの苦痛や、マネジメント研修も受けていない奴らとの1on1も苦痛の時間だった。多分、他のコンサルの皆さんも辛いけども言葉にせず、自己研磨しているからこういったコンサルの弱音があまりネットにないのだろうと思った。
自分は優秀ではないし、頭もそれほど良くないし、論理的ではないし、それゆえプライドもない。何一つ、偉そうに言えるほど優れたものはない。

だけど、

クライアントのために働きたいという責任感だけはあった。多分、人よりあると思ってる。
だから、
もらう仕事に対して、一度も断ったことはない。それだけが自分が唯一少し強調して言えることだ。

ただ、毎日尊敬もできない人間と頑張って仕事をしていくことにすっかり疲れてしまった。「人間」と働くことが嫌になる程、我慢をしてしまった。こうなるまで自分自身が自分に鞭を打ち、「働いてくれ、働いてくれ」と煽っていたようにも思う。

毎日、朝起きて仕事で詰められて落ち込み続けた時に、
何のために生きているのか、
何のためにコンサルをやっているのか、
何のために仕事しているのか、
何が目標で、
何になりたくて、
なぜこんな苦しんでるのか、
全くわからなくなった。

期初に目標を決め、アクションを決め、「今年はこれを頑張ります」と言えない。
いや、言えないというより、目標がないし、目標を決められる気力もないし、アクションはできそうにないし、頑張る気力もない。何にもなくなった時に初めて、「あぁ、きついな」となった。

人生=仕事という考えが悪いわけじゃなく、仕事における自分の立ち振る舞いや要領の悪さや努力の仕方が悪いのだと思うけれど、思っていたけれど、


ある時、全振りで思った。


いや、待って。
嫌なもんは嫌だわ。
もうこいつらの下僕、
嫌だわ。
どんなに成長につながろうが
たくさん給料積まれようが
嫌だわ。
なぜこんなに言われなきゃならん?じゃあお前らそんなに偉いのか?正しいのか?みたいに、たくさんの毒素が一気にドバァっと心の中で出てきた。



その瞬間、「私は誰の人生を生きているのだろうか」とハッとした。
いや、自分の人生じゃん。そうじゃん。誰の人生のためにこんな苦労したんだい?と。



申し訳ないが、
今世は好きなことをして生きていきますと誓い、
本当に好きなことだけをこれからはしていこうと思う。
最低限生きるお金は稼ぎ、好きなことに染まり、好きなことを見つけて自由に笑って、楽しく生きていきたいと思った。

「生きぬけコンサル毒ぐまちゃん」を描き始めたのは、
苦難の毎日を4コマに残し、見返して馬鹿みたいに笑って、作品として昇華させたくて描いた。
自分が言えなかったたくさんのことを人間である自分が言うことはできないが、毒ぐまちゃんなら毒を吐いても許されるという設定だ。自分はこの構成に随分と救われている。毒ぐまちゃんの誕生秘話はまた今度どこかで書こう。

最後まで読んでくれたあなた、
本当にありがとうございます。
もし辛いことがあれば、ここに毒吐いちゃってくださいね。

毒ぐまちゃんより











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