2024年のマンガ読み①
昨年に続いて記録を残しておこう。今年読破したマンガ、あるいは最新話に追いついたマンガが対象だ。
BLUE GIANT SUPREME
これは記事にした。最高にアツく、自分にとって特別な作品となった。
AmazonプライムでBLUE GIANTの劇場版も観れたのだが、そちらもめちゃんこ良かった。何十回も作業用BGMとして聴きながら仕事をした。
燃えよペン
氏の代表作である「吼えろペン」シリーズの原点。第1話での至高の集中線を求めるくだりで爆笑した。全12話ながら尻切れトンボ感もあったが、とにかく作風が好きだ。
GOLDEN BOY
江川達也節が全開。自転車で放浪の旅をしている主人公。彼の口癖は「勉強になります!」とか「勉強になったなー!」である。なんなら、自転車を漕ぐ時も「勉強!勉強!勉強!」と叫んでいる。
だが、彼が属にいうガリ勉なのかというと、それは違う。旅をしたり、旅先で魅力的な女性に鼻の下を伸ばし、すり寄っていったりするなかで生じる、本来的な学びを彼は欲しているのだ。
調べてみると江川は愛知教育大の数学科を卒業し、数学講師も1年経験していた。江川なりの教育哲学があり、「本当の勉強ってのはこういうものだからな!」というメッセージをかなり強く打ち出しているのだろう。
確かに、人間が本来的に生を謳歌し、結果として得られた「生きた経験」の中で生じる学びこそが重要、というのはデューイっぽい?(うろ覚え)
さて、冒頭に江川達也節が全開と書いた。江川節といえば、彼の教育観をゴリゴリっと出してくる部分と、終盤がグチャグチャになるところだと思う。
後半、「黄金水を飲ませてくるお嬢様」のあたりからはなかなか酷い展開でし、後半は何話もかけてセックスが描かれたりする。そしてグッダグダなまま、打ち切りっぽく終了してしまった。
亜人
以前、アプリでコツコツ読んでいた時は飽きてしまったのだが、一気に読んでみるとメチャクチャ面白かった。
亜人とは、人間社会に低確率で混ざっている不死の人間を指す。不死であるということ、分身のようなクリーチャーを出せる事以外は普通の人間である。
主人公の永井はつつましく生きていきたい高校生。だが、自分が亜人だと判明してからは、普通に生きていけなくなり…という話
見どころは何より、主人公の永井とラスボスの佐藤、二人の亜人の対比だろう。
永井は人情を感じさせない合理主義者であり、前半はサイコパス的な側面が強調される。だが、寂しさなどの情動を持ち合わせていたことが、徐々に明らかになっていく。(むしろ永井の母親の方が、亜人でもないのにヤバイ)
佐藤はゲーム感覚で人を殺すし、騒動を起こす。最高のスリルと達成感を望んでいるのだ。戦闘で最高の成果を達成するためには手段を選ばない。
特にイカれているのは、自分の頭部を消し飛ばすことまで戦略に含んでいることだ。亜人は不死身なので、頭部が消し飛んでも再生されるのだが、それは「新たな頭部」である。つまり、実際には「同じ記憶と人格を持った、別の佐藤」に変わってしまう。それを彼は平然と戦略に練りこんで来る。イカれている。
ラストバトルの末、永井は佐藤にタンカを切る。「こっちは本気で生きてるんだ、ヘラヘラ遊んでんじゃねえ。」だっけか。不死者というのは、自分の生を薄っぺらくとらえたり、他者の命を軽くみたりしがちだ。実際、佐藤は無差別に人を殺しまくるし、自分の命だってなんとも思って無さそうだ。
一方で永井は、亜人でありつつも、一回切りの人生を生きようとする人間としての感性で、本気で生きようとしていたのだった。
ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ
これは記事にした。共感性羞恥が作動してすごくつらかったが、かなり高い解像度で陰謀論を描いた怪作だと思う。「チ。」のアニメが評価されているらしいし、同じ作者の作品という意味で注目されてほしい。
BLUE GIANT EXPLORER
Blue Giant Supremeの続編。
単身アメリカに渡った大が、各地を巡りながらさらに自分を磨きあげていく。Supremeでもう随分と名をあげてしまったわけで、そこからの成長物語がどうなるのか、それと、number5のメンバーたちが最高すぎたけど次のメンバーどうするんだという問題があった。
実際、supremeほど面白くはなかった。大はもちろんキャラとして一貫しているんだけど。アメリカの描写はそれなりに頑張っていて、シリアスな大と楽しむことを重視するアメリカ人の対比とか、ギャンブルやドラッグと関わるキャラクターも出てくるんだけど、深さや新しさがちょっと薄かった気がする。特にギャンブルのシーンはやりつくされていた感があったなぁ。
雪折との再開、セッションについてはまあスッキリできる話というか、やり残しを片付けたという印象。