属人性について
「属人性」という言葉がありますよね。この言葉結構誤解されていると思っています。
マネージャーがメンバーに対し、「この仕事、君が結構進めているとおもうんだけど属人性が心配だよね」といった場合、
・進め方や手順が標準化されていないように見えるから、再現性を高める活動もしておいてね。そのために作業調整しようか
という普通のこともありますが
・俺の知らないところで勝手に仕事を進めるな
というメッセージである場合が少なくない確率であります。このマネージャーは、属人化=情報分析・判断がメンバーにあること、標準化=意思決定の標準化:つまりすべての情報をマネージャー集め、マネージャーが意思決定すべき、という考えがあるようです。
当たり前ですが、マネージャーには権限と責任があるので、メンバーが適時に情報を上げ、判断のための適切な材料を揃えるのは当然のことです。しかしながら昨今の不確実性の高い、再現性の少ない仕事ばかりであることや、マルチタスクにまみれて働かなければならない状況では、マネージャーは判断基準をメンバーに提示し、判断基準の中ではメンバーに好きに泳いでもらう、というアプローチが必要になってくると思っています。
また、この活動によりマネージャーはある程度の判断をメンバーに渡して身軽になっておくことで、日々の意思決定だけでない戦略レベルについて思考を巡らすことができ、大きな意思決定の失敗の確率を減らすことができます。
なので、意思決定の標準化には発展レベルがあって、全部が全部マネージャーに依存するレベル1ではなく積極的にメンバーが独力で仕事を進めていくための拡張性を持ったレベル2を目指していきたいですね。