見出し画像

【Perplexity/Morphic/Genspark】AI検索サービスを比較!最も優れた検索ができるのはどれ?

👋こんにちは!AI-Bridge Labのこばです!

OpenAIのSearchGPTが発表され、生成AIを活用したWEB検索サービスが今後盛り上がりを見せそうですね!

今回の記事では既にリリースされている既存のAI検索サービス3つについての紹介と出力結果の比較を元に、どんな違いがあるのかを解説していきたいと思います!

AI検索サービスを使えば、ビジネスや趣味を問わず知りたい情報を瞬時に収集してまとめることができるので時間の節約になるほか、集めた情報についてLLM(大規模言語モデル)とディスカッションしたり、更に深く考察レポートを生成したりといった応用も可能です。

この記事が皆さんのAI活用の参考になれば幸いです!


1. AI検索サービスって?

AI検索サービスは、人工知能(AI)技術を活用して、ユーザーが入力した文章に対して迅速かつ的確な情報を提供する検索エンジンです。
GoogleやYahooなどの従来の検索エンジンとは異なり、AI検索サービスは自然言語処理(NLP)や機械学習(ML)を駆使して、ユーザーの意図を理解し、より精度の高い結果を生成します。

つまり、調べたい情報を伝えるだけでAIが代わりにググってくれて更に情報をまとめてくれるようなサービスのことを指します。

ChatGPTをはじめとするLLM(大規模言語モデル)は、基本的に事前学習した情報を元にユーザーに返答を生成しますが、そうすると知識として知らない内容を聞かれたときにハルシネーション(嘘/幻覚)が発生することがあります。

事前学習した知識の代わりにWEB検索を用いることで、ネット上にある情報を情報源として使えるため、ハルシネーションが発生するリスクも低減し、より正確な情報をユーザーに提供することが可能になります。
(ChatGPTやCopilotはBing検索に対応しているので、小規模なAI検索機能を持っていると言えます)

以下で紹介するツールはそのようにWEB上の情報検索に特化した検索サービスです。

2. Perplexity AIとは?

概要

公式サイトのリンク
運営:Perplexity AI社

Perplexity AIは、自然言語処理(NLP)技術を活用した対話型のAI検索エンジンです。Proサーチ機能では、GPT-4oやClaude 3.5 Sonnetを始め、高性能モデルを使ってインターネット上から情報を収集し、ユーザーの質問に対して信頼性の高い情報を提供します。

基本検索機能はサインイン無しでも利用できます。
サインインすれば無料でも高度な検索機能「Proサーチ」を4時間毎に5回まで利用できます。(このあたりの制限は随時変更されると思われます)
有料のProプランに加入すればほぼ無制限でProサーチを利用できます。

特徴と利点

  • 多言語対応: 日本語を含む複数の言語に対応。

  • Pages機能:収集した情報を記事形式でまとめることができ、シェアしたりWeb上に公開することができる

  • 最新情報の提供: リアルタイムでインターネット上の情報を検索し、最新のデータを反映。

  • 画像生成にも対応:検索結果を元にした画像生成(Stable diffusion XLなど)が可能

  • Proサーチによる優れた検索:Claude 3.5 sonnetやGPT-4o、Llama3.1 405Bのような最新かつ最高性能のLLMを使った検索が可能

Perplexityで利用可能なAIモデル

デメリット

  • 回答の正確性と信頼性: 使用される情報源の質に依存するため、正確性にばらつきがある場合がある。

  • 主観的または曖昧な質問の処理: 客観的なデータに基づくため、主観的な質問や曖昧な質問には対応が難しい。

  • 言語のニュアンスの限界: 人間の言語やコミュニケーションの微妙なニュアンスを捉えることが難しい場合がある

Perplexityについての過去記事

3. Genspark AIとは?

概要

公式サイトのリンク
運営:MainFunc社

Gensparkは、複数のAIプログラムを使って、ユーザーの質問に合わせた特別なウェブページ(Sparkpagesと呼ばれます)をすぐに作り出すシステムです。普通の検索エンジンは、すでにあるウェブページへのリンクを見せるだけですが、Gensparkは、ユーザーが必要とする情報を含んだ新しいページを作ります。

それぞれのAIプログラム(AIエージェント)は、特定の情報や質問に答えられるように作られていて、ユーザーに正確で、その人に合った結果を提供します。Gensparkは、たくさんの情報の中から大切なものを選び出し、まとめて、ユーザーにとって最も役立つ情報を提供します。

ログインすればすべての機能を無料で利用することができます。

特徴と利点

  • AI Parallel Search機能:様々な視点から収集した情報を一つのまとまった形にまとめ、整理します。(AI並列検索)

  • 内蔵のAIアシスタント:各Sparkpageには、ユーザーの理解を深めるのを手伝うAIアシスタントが組み込まれています。

  • 情報の公平性:Gensparkは、お金や特定の企業の利益に左右されない、偏りのない情報を提供することを約束しています。

  • 臨機応変な対応:AIアシスタントは、ユーザーの質問に柔軟に対応し、その人のニーズに合わせた見識や情報を提供します。

デメリット

  • 回答の正確性と信頼性: 使用される情報源の質に依存するため、正確性にばらつきがある場合がある。

  • AIエージェントの精度: 特定のクエリ(情報)に対するAIエージェントの精度や信頼性が完全ではない可能性があります。

  • 情報の更新: リアルタイムで情報を生成するため、情報の生成が遅くなる可能性があります。

4. Morphicとは?

概要

公式サイトのリンク
運営:miurla氏

MorphicはオープンソースのAI検索サービスで、最新のAI技術を活用した画期的な検索ツールです。このサービスは、OpenAIやその他の言語モデルとTavily Search APIを組み合わせることで、自然言語の質問に対して適切な回答を生成する次世代の検索エンジンとして注目されています。

最新のアップデート(Morphic v0.2.22)で出力言語の設定ができるようになり、より利便性が向上しました。

公式サイトはソースコードのフォーク版であり、オンラインでサービスを提供するために必要な認証などの追加機能を備えています。
ログインすればすべての機能を無料で利用することができます。

Github
https://github.com/miurla/morphic?tab=readme-ov-file#-features

特徴と利点

  1. 高速性:Morphicは、Groqの専門的に設計されたハードウェアとMetaが開発した大規模言語モデルLlama 3を融合させ、従来の検索エンジンでは考えられないスピードで情報を提供します1

  2. AI生成と検索の融合:従来の検索結果の表示だけでなく、AIによる回答生成を組み合わせることで、ユーザーの質問に直接答える形で情報を提供します。

  3. オープンソース:Morphicはオープンソースプロジェクトとして開発されており、誰でも利用やカスタマイズが可能です。

  4. 自然言語処理:ユーザーは自然な言葉で質問することができ、AIがそれを理解して適切な回答を生成します。

Morphicで利用可能なAIモデル

デメリット

  • 回答の正確性と信頼性: 使用される情報源の質に依存するため、正確性にばらつきがある場合がある。

  • 依存性:高度なAI技術に依存しているため、各社のシスムの障害や更新時に影響を受ける可能性があります。

  • 過剰な簡略化:複雑な問題に対して、AIが過度に単純化された回答を提供する可能性があります。

5. 検索精度の比較

今回ご紹介する3サービスについて、スペックベースの能力比較と、実際の検索結果の比較を通じて精度を比較したいと思います。

5-1.スペック比較

Perplexity
Google系モデルを除く、Llama3.1 405B、Claude3.5 Sonnet、GPT-4oという現行最高性能のモデル3種を使うことができる。検索アシスタントとしては申し分ない性能。(時勢に合わせて直ぐにアップデートされる)

・Genspark
オリジナルのAI検索特化のAIエージェントによる検索
AI Parallel Search機能による並行検索やエージェントによってより深く詳細な分析を行うことができます。

・Morphic
GroqとLlama3.1 70Bを利用したハイスピードかつ高精度な回答出力が特徴。
最高品質のモデルはClaude3.5 Sonnet。

上記のスペック比較によれば、情報の検索能力(収集できるソース量と質)に関しては複数の最高性能モデルを利用できるPerplexityに軍配が上がりそうです。
ただし、収集した情報を元に高品質な情報として再構築して生成できるかは、Gensparkにも優位性がありそうです。

5-2.検索結果比較

次に実際に以下の3つの検索クエリを使って、出力結果を比較したいと思います。回答結果の評価は、Claude 3.5 sonnetとArtifact機能で作成しました。

①製品比較と推奨

予算10万円以内で、バッテリー持続時間が8時間以上、重量が1.5kg未満のノートPCを3機種推奨してください。それぞれの特徴と、どのような用途に適しているかも説明してください。

Perplexity(LLAMA 3.1 405B)の回答
Gensparkの回答
Morphic(Claude 3.5 Sonnet)の回答

回答A=Perplexity
回答B=Genspark
回答C=Morphic

②歴史的事実と因果関係の分析

江戸時代末期の開国が日本の近代化にどのような影響を与えたか、経済、政治、文化の3つの観点から説明してください。また、その影響が現代の日本社会にどのように反映されているかも考察してください。

Perplexity(LLAMA 3.1 405B)の回答
Gensparkの回答
Morphic(Claude 3.5 Sonnet)の回答

回答A=Perplexity
回答B=Genspark
回答C=Morphic

③科学的概念の説明と応用

量子コンピューティングの基本原理を簡単に説明し、現在の主な応用分野を3つ挙げてください。さらに、今後10年間で量子コンピューティングが社会にもたらす可能性のある変化を予測してください。

Perplexity(LLAMA 3.1 405B)の回答
Gensparkの回答
Morphic(Claude 3.5 Sonnet)の回答

回答A=Perplexity
回答B=Genspark
回答C=Morphic

5-3.検索精度の比較のまとめ

出力結果の比較については、Claude3.5 Sonnetでの評価であるので、情報の粒度や読みやすさについて、やや人間の印象と異なる場合があるのであくまでも参考程度として頂ければと思います。

特に、PerplexityはLlama3.1 405Bモデルを利用しているので、これをClaudeやGPT-4oに変更すると結果が変わる可能性が高いです。

大まかな傾向としては、情報の精度や網羅性についてはPerplexityやMorphicに優位性があり、情報の詳細さについてはGensparkが強みを持っていそうです。そのあたりは、スペック比較での評価と似た結果になったかと思います。

6. 機能と使いやすさの比較

6-1.使いやすさ

いずれのサービスも共通して、TOP画面上で調べたい内容を入力すれば利用できるため、使いやすいインターフェイスと言えます。

シンプルさなら以下の順序になります。
Morphic > Genspark > Perplexity

ただし、普段遣いという軸で言うならスマホアプリ化されているPerplexityに軍配が上がります。

6-2.機能性

検索以外の機能の多彩さでは、Perplexityが最も充実していると言えます。
PerplexityはPages機能で集めた情報を記事化できたり、ライブラリのコレクション機能で検索履歴を整理したりすることができます。

その他、検索結果のグラフ生成などの視覚化ができたりプロフィールを設定してパーソナライズできたりと、Perplexityには多くの機能があります。設定項目の多さについても圧倒的です。

PerplexityのPages機能のように集めた情報を記事化するという機能においては、GensparkのSparkpage機能が最も充実しているといえます。

適切な挿絵の自動挿入なども含め、きれいに情報をまとめるという点で非常に優れています。

▼gensparkで作成したSparkpage

機能性については以下の序列になりますが、Gensparkも一部機能に強みがあります。
Perplexity>Genspark>Morphic

6-3.生成速度

回答を生成する速度は、内容によって異なるので一概にどのぐらいの時間がかかるかは言えないのですが、同じ調査内容で比較したときの生成スピードは大まかに以下の序列になります。

Morphic(Quality)>Perplexity(Llama3.1)>Genspark

GensparkはAI Parallel Search機能による並行検索が入るので、他のモデルと比べて若干時間がかかる印象です。以下は目安です。
・Morphicが30秒程度~
・Perplexityが35秒程度~
・Gensparkが50秒程度~

7. 価格とコストパフォーマンスの比較

いずれのサービスも無料で利用できるため、単純な比較は困難です。
ただし、AI検索という機能に限って言えば、月額20ドル相当のPerplexityのProサーチに匹敵する検索クオリティを持っていながら制限無しで利用できるという意味で、Morphicが最もコストパフォーマンスが優れていると言えます。
Morphic(無料) > Genspark(無料) > Perplexity(一部有料)

8. 結論とおすすめ

AI検索サービスの比較を通じて、Perplexity、Genspark、Morphicはそれぞれに特徴があり、ユーザーのニーズに応じて選択することが重要だと分かりました。

  1. 総合的な機能と性能: Perplexityが最も優れています。多様なAIモデルの選択肢、豊富な機能、そしてモバイルアプリの提供など、幅広いニーズに対応できます。特に、最新の情報を必要とする場合や、多角的な分析が必要な場合におすすめです。

  2. 詳細な情報分析: Gensparkが特に優れています。AI Parallel Search機能による並行検索と、詳細な情報の再構築能力は、深い洞察や複雑なトピックの理解に適しています。学術的な調査や、多面的な分析が必要な場合に適しています。

  3. 高速かつ高精度な回答: Morphicが強みを持っています。Groqとの連携による高速な処理能力と、無料で高品質なモデル(Claude 3.5 Sonnet)を利用できる点が特徴です。迅速な情報収集や、コストを抑えつつ高品質な回答を得たい場合におすすめです。

  4. コスパ: 無料で利用できる範囲を考慮すると、MorphicとGensparkが優れています。特にMorphicは、高性能なモデルを無制限に利用できる点で、コストパフォーマンスが最も高いと言えます。

  5. 使いやすさ: シンプルさを重視する場合はMorphic、多機能性を重視する場合はPerplexity、情報の視覚化や整理を重視する場合はGensparkがおすすめです。

結論として、以下のようなユーザーにそれぞれのサービスをおすすめします

  • Perplexity:
    最新の情報を必要とし、多様な機能を活用したい上級ユーザー

  • Genspark:
    詳細な分析や、情報の視覚化を重視する研究者や学生

  • Morphic:
    高速で正確な回答を無料で利用したい一般ユーザー

ただし、AI技術は急速に進化しているため、各サービスの機能や性能は今後変更される可能性があります。自分のニーズに合わせて試してみることをおすすめします。また、これらのAI検索サービスは従来の検索エンジンを完全に置き換えるものではなく、補完的なツールとして活用することで、より効果的な情報収集と分析が可能になると思います。

9.AIBridge Labについて

AIを使った課題解決や業務効率化に興味のある方は、ぜひAI-Bridge Lab.までご相談ください。経験豊富なコンサルタントが、御社の状況に合わせたAI活用をご提案させていただきます。お問い合わせ、お待ちしております!

ご依頼等は以下のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。

ai_business@doerstokyo.jp

気に入っていただけたら、Xのフォローもぜひお願いいたします!


皆さまの温かいサポートのおかげで、活動を続けることができています。もしよろしければ、引き続き支援をお願いできますと幸いです。より質の高い記事投稿に励みます!