あなたの「肌感覚」はあてにならない
どうも、ゑんどう(@ryosuke_endo)です。
雑談でも会議の中でも、「肌感覚では理解できる」とか「オレの肌間隔ではいいと思うんだよね」なんて発言を聞く人も多いのではないでしょうか。
それ、本当にいい加減な虚言で戯言ですから、もう二度と使わないでください。お願いします。
「肌感覚」って言葉を使っていいのは天才だけですよ。たとえば、イチローがね、「ぼくの肌感覚としては…」なんて話出したら聞きたくなりますし、大谷翔平が「自分の肌感覚では…」とか語り出したら気になりますよ。
なんの才能があるのかは知らないけど、過去の実績とか成果みたいなものに引きづられているだけの名もない人の肌感覚なんて、ぼくの感覚と大して差がないものでしょう。
だから、肌感覚でものを語るの、やめてもらっていいですか。
肌感覚の役割
ご存知の通り、肌感覚って文字通りの意味ではありません。物事を直観的に感じ取る能力や感覚、いわゆるセンスってやつのことです。
具体的な数値や論理的な分析に頼ることなく、個人の経験や直感に基づいて物事を判断・理解する際に用いられ、目に見えない感じ取り方や、とある状況や人物に向けた直観的な理解を示すのに使われます。
日常生活内で迅速な判断が求められる場面や、情報が不足している状況で役に立つように思われます。
たとえば、緊急事態や危機的状況が発生したとして、何か具体的な証拠や根拠があるわけではないものの、直感的に危険を感じ取って迅速な行動を取ることなど、ドラマではよく見かけますよね。
他にも、「このデザイン、なんとなく空気感ピッタリじゃない?ねえ?」なんて会話や、「なんとなく…この案件、うまくいくと思うんだよねぇ。オレの肌感だけど。」みたいな会話で使われるように、「感じ」とか「雰囲気」を共有したり、権威や役割が上の人が部下や同僚を安心させるために用いることが想定できます。
これらは直感的であると同時に、経験に基づいたものです。根拠や物証などの証拠があるわけでもなければ、あまりにも飛躍的な希望的な感想、つまり非論理的なものであることが多く、何よりも個人差が大きいため参考になるのかならないのかを判断できません。
言ってしまえば、その場限りの気やすめです。
使うべきではない理由
肌感覚なるものは、極めて主観的な意見です。人の口から飛び出してくる背景として個人の経験や知識、感情などに左右されるため、同じ状況や環境であったとしても人によって感じ方が異なることから一般化や客観的な判断の根拠として用いることはできません。
人の経験や信念に基づいて情報を解釈するだなんてことは、あまりにも信ぴょう性にかけますし、それを鵜呑みにして行動を起こすようなことはあるべきではないでしょう。
もし、仮に危機的な状況、たとえば、地震が発生し数分後には津波が押し寄せてくるであろう状況にあり、自身は津波の被害にあってしまいそうな場所にいたとしたら、少しでも高い位置へ逃げるでしょう。
その際にだって、自分の位置と海の位置を踏まえた上でどこに逃げたらいいのかを判断することになるはずで、「私の肌感覚では海の方へ逃げたとしても津波に襲われることはないわ!」なんて述べている人がいたら「勝手にしてくれ!」と放り出されておしまいではないでしょうか。
あと、感情に大きく左右される点も無視できません。
感覚って言葉からもわかる通り、肌から感じ取れるほどしかない微細な情報をもとに判断することなんでしょ。って言葉、不安とかストレス値が高い状態だと鋭敏になりすぎてるから参考になることはないでしょうね。感情自体が肌感覚ってのに色をつけてしまうわけですから、客観性が損なわれてしまいます。
肌感覚って時点で、肌からの情報しか得ようとしていないわけですから、客観性が乏しい以前に取得している情報の絶対量が少ないでしょう。多くの問題や状況ってのは表面的な感覚だけでは捉えられない複雑さや奥行きがあるもので、全体像を見失ってはいけないはずでしょうよ。
だから、安易に肌感覚ってのを使わないようにしてください。いいですか。
使っても許される存在
大抵の人は使うべきではありませんし、それを使っている人がいたら「はいはい…」と呆れながら聞き流したほうがいいのですが、たまーに「この人は使ってもいいかもしれない」といった存在がいたりします。
たとえば、消防士や救急医療に関わる人たちは緊急事態に対応することが仕事の一環です。状況を即座に判断し、迅速に行動しなければならない以上、肌感覚によって決断をくだすこともあるでしょう。それにしたって、ただただ感覚で判断するのではなく、可能な限り冷静に状況を見極めた上で決断を下しているわけですから、その辺にいるなんでもない人たちが述べる「肌感覚」と一緒にされては困ります。
経験が豊富な専門家の人が述べる「肌感覚」も時として有効なこともあるでしょう。そもそも経験が豊富な専門家ってことは、専門的な知識や経験、スキルがあるわけで、類似する特定の状況を幾度となく味わってきています。つまり、そう言った状況での判断を何度も繰り返してきたわけです。
何度も何度も繰り返してきた経験から得られる「肌感覚」に従った判断であれば、成功する比率はど素人が判断するよりも高い可能性がありますから、特定の状況における専門家の肌感覚は参考になるのかもしれません。
あとは、リーダーですか。
もういろんな情報を集めてみたところで限界があり、それでも判断しなければならない。しかも迅速に…なんて状況において、リーダー定位な役割を担う人が持つリーダーシップとしての肌感覚は付き従う人たちの勇気を奮い立たせることになります。
リーダーですから、メンバーを率いていく存在である以上、困った状況での判断を委ねられるわけで、そこにおいて肌感覚は使わざるを得ません。
だからと言って、普段、リーダーシップもクソも発揮していないような人から発せられる「肌感覚」は無視したほうがいいことに間違いはないでしょう。
おわりに
今後、肌感覚を多用する人がいたら即座に信用しないようにしてみてください。結果として、その人の肌感覚がバグっていることが明らかになる可能性が高いはずです。
そもそも肌感覚って言い方が気持ち悪いわけですが、その気持ち悪さにも気づかずに連呼するような人とは関係を絶ってしまったとしても損はないのではないでしょうか。
ではでは。
ゑんどう(@ryosuke_endo)
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