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文部科学省から「令和6年版科学技術・イノベーション白書」が出たので読んでみた

 どうも、ゑんどう(@ryosuke_endo)です。

 文部科学省から『令和6年版科学技術・イノベーション白書』が出ていました。

 初めて見聞きする人もいると思いますので、文部科学省 科学技術・学術政策研究所によると以下のように説明されています。

 科学技術・イノベーション白書には、日本の科学技術政策に関する施策やトピックスなど、様々な情報が継続的に蓄積されています。重要施策や図表の表題等を含む、科学技術・イノベーション白書に記されたテキスト情報を検索し、各年代の科学技術に関する政策・施策の動向を調べることが可能な検索ツールを公開しています。注目する語句の毎年の出現回数を出力する機能や、キーワードだけでなく、類義語も併せて検索する「あいまい検索」などの機能も備えています。

文部科学省 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)

 興味本位でしかありませんでしたが、存外、おもしろかったんですよね。共有することを目的にまとめていきますー。

令和6年版科学技術・イノベーション白書の全体概要

 ちょっと長くなると思うのですが、各章ごとの概要をまとめていきますね。

第1章 新時代を迎えたAI

 まずは「AIとは」といった基本的な概念と歴史的経緯が説明されています。

 AIは人間の知的能力を模倣する技術として、1950年代から研究が始まり、現在は第3次AIブームとも呼ばれ、機械学習、特に深層学習技術の進展したことから性能が飛躍的に向上したとあります。

 最近では、ChatGPTを台頭とする大規模言語モデル(LLM)を用いた生成AIが注目を集めており、様々な分野での活用が期待されている一方で、AIの透明性や信頼性、倫理的・法的・社会的課題(ELSI)への対応も重要な課題となっている点が記載されています。

第2章 我が国におけるAI関連研究開発の取組

 この章では、日本におけるAI研究開発の歴史と現在の取り組みについて紹介されていて、ここが何気におもしろかったんですよね。日本でも1960年代からAI研究が始まっていただなんて知りもしませんでしたよ。

 現在、日本も各国の動きに取り残されないよう、政府主導で様々な研究開発プロジェクトが進められていて、産業技術総合研究所、理化学研究所、情報通信研究機構などの研究機関が中心となって、AI技術の研究開発を推進してるそうです。

 日本語に特化した大規模言語モデルの開発や、AIの安全性確保に関する研究なども進められているのと同時に、そもそもAIを扱える人材の育成にも力を入れていて、大学や高専でのAI教育プログラムの充実を図っているところだそうです。

第3章 AI関連研究開発の世界の動向

 AIを研究開発しているのは日本だけではありませんから、世界各国・地域におけるAI研究開発の状況と国際的な取り組みについても説明してくれています。

 米国、中国、欧州連合(EU)を中心に、世界中でAI研究開発が活発化していて、各国・地域はAIに関する国家戦略を策定し、研究開発の推進と並行して、AIの倫理的・法的側面にも注目しています。この辺、特にEUは厳しめですよね。

 OECDやG7などの場でAIガバナンスに関する議論が行われているのですが、割と規制が緩めというか厳しめのEUと比較すると「これから制度設計を始める」段階である日本もG7での決定を受け、「広島AIプロセス」を発足させて国際的なAI政策の形成に貢献しているとあります。

 広島AIプロセスなんて初めて聞きますよね。

 調べてみたのですが、AIに関する国際的なガバナンスの枠組みを形成することを目的にされて発足されたもので、「広島プロセス国際指針」や「広島プロセス国際行動規範」といったものが策定、公表されています。

 つまり、AIをどう扱うのかって指針を広島で行われたG7以降で日本がリードしていくってことを意思表明しつつ、その指針を出していくってことなんですね。

第4章 AIの多様な研究分野での活用が切り拓く新たな科学

 この章では、AIが科学研究にもたらす革新(AI for Science)について、要はAI技術が科学研究にどのように活用されているかについて説明しています。

 AIは、データ分析、シミュレーション、実験の自動化など、様々な形で科学研究に活用されています。生命科学、材料科学、気象学など、多岐にわたる分野でAIの活用が進んでいます。

 簡単なところで言うと、新しい薬の発見や気候変動の予測など、科学的な問題の解決にAIを使うことで、人間では解析しきれない大量のデータを迅速に処理することができる点に期待しているってことです

 AIを活用することは、研究の効率化や新しい発見の加速が期待されますが、一方で、研究データの管理や再現性の確保、知的財産権の問題など、新たな課題も生まれているとして、進歩と価値観のバランスってのはどうしたってむずかしいもんです。

第5章 新時代を迎えたAIの社会へのインパクト

 最後に、AIが社会にもたらす影響と、その活用に向けた取り組みについて紹介していて、行政、医療、製造業など、様々な分野でAIの活用が進んでいる点について触れています。

 AIの活用は業務効率の向上や新たな価値創造が期待される一方で、雇用への影響やプライバシーの問題など、AIがもたらす課題にも注目が集まっています。

 また、AIリテラシー教育の重要性が高まっている点に触れ、学校教育でもAIに関する取り組みが始まっている、なんてことも記載されています。

 全体を通して、AIが急速に発展し社会に大きな変革をもたらす可能性がある一方で、適切な利用と管理が重要であることが強調されており、技術の進展と社会的な課題のバランスを取りながら、人間とAIが共生できる社会を作っていくことの必要性が示唆し、終わっています。

ど素人が令和6年版科学技術・イノベーション白書の全体概要から汲み取ったこと

 で、AIの専門家でもなく、ただただ「便利な世の中になったもんだぜ」ぐらいの認識で、日々、恩恵に預かっている人間でしかない立場として、この資料を読んで汲み取ったことを書いていきます。

 これはもう、ぼくみたいな人間でも体感できているぐらいなので誰でもわかることなのですが、AIが急速に発展しているってこと。

 もう、日常生活や様々な産業分野に浸透していますし、ぼくが課金勢としてお世話になっている生成AI系のサービスが登場したことで、AIの影響力がさらに拡大していることは如実に実感する次第です。

 多くの利点をもたらしてくれるAIですが、一方で、雇用やプライバシーの問題、倫理的な課題など、様々な社会的課題も生み出しており、そのバランスを取ることが今後の課題だってことも改めて理解することができました。

 まぁ、何より、AIが社会への浸透待ったなしの状況で、AIの特性や限界を理解し、適切に活用する能力、いわゆるAIリテラシーってのが多くの人にも求められるようになっている点ですよね。

 知らず知らずに触れていることもあるでしょうから、その恩恵に授かる以上、一定以上の理解と取り扱い方について把握しておく必要があるでしょってことです。

 だって、インターネットを使うことが前提となっている今、騙されないように、とか損をしないようにって意識するじゃないですか。それと一緒です。

 便利ですからね、AI。

 ぼくみたいな脳足りんに新たな可能性を開くツールとしてバシバシ利用させてもらっていますが、これからはぼく以上に利用すると生活が楽になる人たちに提供されていくことでしょうね。

 すでにAIとの共生が始まっているんだなって思う次第ですよ。

おわりに

 うん、おもしろかったんですよね。ぜひ、大した興味のない人にも読んでもらいたいと思えるものでした。

 それぞれファイルとリンクを貼ってありますので、興味を持った方はお読みくださいな。

 ではでは。

 ゑんどう(@ryosuke_endo)


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ゑんどう ≒ 遠藤 涼介
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