【全文無料公開】 『健康不安がなくなる本』 〜脳の設定を変える〜 #0
はじめまして。
そして、あけましておめでとうございます。
ドクタームッシュこと、脳外科医の荘司です。
脳神経外科医をしております。
現在「設定医療」という医療を研究、実践しておりまして。設定医療研究会の中の一つのチームとして行なっております。そのほかにも農業チーム、研究チーム、教育チームがそれぞれ活動を行なっております。
医療を行なっている中でいろんなことがありますが、その本質を綴った本が、2018年10月にアマゾンにて電子書籍で刊行いたしました。
そして、この発売してまもない本を、版元であるニューロサイエンス文庫さんの許可を得て、noteで全文公開することにいたしました。
「医者に匙を投げられたけどどうしたらいいの?」
「自分のやりたい治療ってなに?」
そんなモヤモヤを抱えている人にぜひ読んでいただきたいと思っています。そして、新年からの治療のヒントになれば幸いです。
心に留まる文章があったら、どうぞ自由にコピペして引用して、議論のきっかけにしてください。
そして、もしnoteを読んで興味を持っていただけたら、ぜひ電子の本も買っていただけるとうれしいです。売り上げは全て育英会に寄付いたします。
はじめに
本書を手に取っていただき、ありがとうございます。今回、「健康不安」というテーマにフォーカスをあてて書きました。
健康不安をテーマとして本にまとめた理由は一つ。健康不安をコントロールすることが、実は健康をコントロールすることにつながるからです。ひいては自分の命が助かることにつながります。ある年齢になったとき、お天気の次に話題にでてくるのが健康のことです。ゴルフのハーフが終わった時に、いつも飲んでいるビールから焼酎に変えた友人が
「俺、こないだ尿酸値がひっかかってしまってビールやめたんだ」
薬の飲み過ぎを子供に指摘された老夫婦が
「病院にいって先生に薬を減らしたいっていいたいけど、なんとなく減らすのが怖くて・・・」
そのほか、
「こないだできた評判のいいクリニックに移りたいけど、今通っている先生になんていわれるか不安で変えられない・・・」
・・・などいろいろあります。
でも、結局、これらは「何かを変えたことによって、今までうまくいっていたものが、うまくいかなくなったらどうしよう」という考えがあるから、ブレーキがかかってしまうのです。日本人の多くがこのように考えるのではないでしょうか?
●日本は、健康に関して不安情報社会。
日本は、不安情報社会です。
皆さんが感じているように、日本はとても豊かな国です。生きる上で必要なものは、生まれた瞬間から周りにそろっているし、持っています。ご飯は食べられるし、家もあるし、今ならスマホもあるし、最低限の生活はみんなできています。
それと同じように近所には様々なクリニックがひしめき、病院は都内にはいくつもあります。病気に関しても予防するよりも「病気になってからかかればいいや」という感覚がどうしても心の奥にあります。
ところが、全員がそれで満足してしまうと経済が回らなくなります。今、日本の医療費は約40兆円です。このお金はどこが財源かというと、皆さんの税金からでています。
日本の社会がそんな状況なのに、
「あなたにはこんな病気が隠れていますよ」
「このままだと老後にこんな病気になりますよ」
みたいに、わざわざ不安をあおるようなテレビ番組も多いです。
テレビの影響って良くも悪くも非常に大きいのです。一時期、ある製薬会社がうつ病の薬を売ろうとして、
「うつ病は心の風邪です」
というキャッチフレーズが流行りました。風邪の時に風邪薬を処方するようにうつ病の薬を売るためでした。ちなみに風邪のときも風邪クスリを飲んでも治りません。
ともかく、製薬会社としては不安をあおって病院を受診させ、医者がうつ病の薬を処方して、一度内服を開始したら最後。一生飲ませ続ける作戦でした。そういうキャンペーンがたくさん行われた結果、日本国民を病気に対する情報弱者にしてきました。
それと同時に、「お医者さんのいうことは絶対服従」という物言わぬ子羊たちをたくさん作ってきたわけです。結局は、自分の命を左右する場面でも、医者の思うように選択してしまう患者さんが後を絶たないのです。
●不安を利用され薬漬けにされる患者の脳。
この洗脳された脳である限り、患者さんたちは過去の延長線上の選択をすることになります。つまり、同じことを繰り返し、決して本当の治癒に向かわない道です。そしてその結果、悔やみながら人生の最後を迎えることになります。
ここで必要なことは、「脳の設定を変える事」です。
まずは正しい知識を仕入れて、それから正しい行動ができるようになるように脳の設定を変える必要があります。
では、どのようにしてこの脳の設定を変えられるのか?
本書を最後まで読んでもらえば、きっとあなたの脳の設定は変わっているでしょう。