左房圧(LAP)が上昇しているか,心エコーで評価
心不全では,左房圧が上昇することで肺うっ血を来たします.
左房圧を計測するのは容易ではありません.
基本的にはカテーテル検査が必要になります.
右心系からのアプローチでは,肺動脈楔入圧(PCWP)が左房圧に近似されるものとして,しばしば計測されています.
そんな左房圧が上昇しているか否か,すなわち,心不全による肺うっ血を来たしていそうかどうかを,心エコーの所見から判断するチャートがこちら.
E/E'は左房圧と相関することが有名ですが,低心機能時は相関が弱くなります.
よって,心機能が低下している症例では,E/AやE波のみの評価を合わせて総合的に判断します.
つまるところ,心機能低下例の左房圧を非侵襲的に評価することは難しい,ということなんです.
また,この評価は,心房細動やペーシングの際は当てはめられません.
結局,肺うっ血の評価に難渋した時は,スワンガンツカテーテルなんです(←).