理想の投球フォームを習得するための考え方
どの投手も理想の投球フォーム像というものを持っていると思います。こういう風に投げたい、ここをこういう風に改善したいなどあると思いますが、自分の思い描いている投球フォームをつくり上げることはなかなか難しいことです。
なんで、このフォームにならないんだ?
このように悩んでいる人が多いと思います。
なぜ、目指している形にならないのか。
「とにかく、あの動きを意識しまくれば、いつかは定着しているだろう」
この考え方で良い場合と悪い場合があります。
これで習得できるパターンもあれば、習得できないパターンもあるということです。
では、どのように考えていけば良いのでしょうか?
理想の投球フォームになれない理由は大きく2つのパターンに分かれます。
①能力がないから出来ない
②能力はあるけど動かし方を知らない
ここでいう能力というものは、筋力や柔軟性や連動性など、主に体力面のことをいいます。
それでは、それぞれ説明していきます。
①能力がないから出来ない
このパターンであれば、出来るために必要な能力(柔軟性や筋力)を身につけることを最優先に行わなければなりません。このパターンは、フィジカル面が追いついてないため、いくら意識したところで求めている動作を習得することは出来ません。筋トレをして筋力を向上させたり、ストレッチ等で可動域を広げたりしてください。このパターンは、理想とする動きに対して、ただ単にフィジカル面が条件を満たしていないだけです。
あとは、そもそもタイプ的に、その動きは出来ないパターンもあります。自分のタイプはある程度わかっておいた方がいいと思います。
②能力はあるけど動かし方を知らない
やりたい動きは出来るはずなんだけど、何らかの理由でその動きが出来ていないパターンです。
その何らかの理由のパターンは3つあります。
それは...
①そもそも意識していない
②メカニクスの問題
③脳や神経の問題
です。
①そもそも意識していない
このパターンの人はまず意識して下さい。これ以上もこれ以下もありません。意識する、これだけです。意識しても出来ないのであれば、②や③のパターンになります。
②メカニクスの問題
このパターンというのは、問題としているフェーズの前のフェーズに問題があります。例えば、トップの肘の位置が低すぎるというのであれば、テイクバックを見てみましょう。肩関節の外転が出ていないなどの問題があるはずです。外転がちゃんと出てなければ肘はそもそも低い位置にあるので、トップの肘の位置も低くなる可能性がありますよね。
③脳や神経の問題
このパターンでは、問題のフェーズの後のフェーズに問題があります。例えば、並進運動のスピード(強さ)が出ないという課題の人は、そのフェーズのあとの踏み込み脚のブロッキングに問題があるかもしれません。ブロッキングが安定して出来ないから、安心して並進運動を速く(強く)は出来ない!と脳が判断するので、結果的に並進運動を遅く(弱く)してしまいます。雪の上では全力投球出来ないですよね?それは、思いっきり投げると足場が滑って危ないと脳が判断しているからです。
並進運動のスピードが出れば反射的にブロッキングが出来るという考えは、「②メカニクスの問題」の場合だけです。「③脳や神経の問題」である人には全く通用しない考え方になります。
「人によってフォームが違うから〜」「人によってアプローチ方法は違う」などと、人によって異なると考えることは良いことですが、それと同時にそう考えて当然です。とりあえず、人それぞれと言って、良い事言った気分になってるような場面を見ることがありますが、どういう理由で他人と違うのかを説明できないとダメですよね。さら言うと、原理原則が守られていない個性はただの弱点です。なんでもかんでも個性でまとめると痛い目にあうこともあります。
それでは、理想の投球フォームを習得するための考え方をまとめてます。
図にしました。
手書きですみません...。(読めなかったら教えて下さい)
何かフォームに問題がある場合は、この図を参考すると何か見えてくるかもしれません。
これは完全に個人的な意見になりますが…
フォームについて考えることは悪いことではないし、フォームを意識することも悪いことではないと思いますが、日本に関していえばフォームを気にし過ぎてる人が多いようにも思えます。単純にフィジカル面を高めていけば、ある程度のことは解決できます。特に、球速はフィジカル面がかなり影響します。フォームだけで球速を高めるのはかなり難しいし時間がかかります。