【アーマードコア6】Sへの過程


このまえ無事にSランクを取得した。

使用機体は汎用型の中量二脚である。

Aloof Moon
Aloofは“よそよそしい”と訳される。中距離戦がメインになってくるので、このような機体名にした。

このたび筆を執ったのはランクマッチの反省が目的であり、機体構築論と言うよりはこれまでを振りかえるための記事である。
来期も近づいてきているし、戦いを言語化することが、次の戦いへの備えになるだろう。

C帯までを振りかえる

ある程度の腕があれば、どんな機体でも良いようなランクではあるが、一応の反省をしておきたい。以下がC帯までの使用機となる。


Toil Trouble
機体名はシェイクスピアのマクベスの引用となる。妙な戦いかたをするこの機体にふさわしい。

タキガワハーモニクスのシールドを採用しているのが分かるだろうか?
このパーツがこの機体のキモである。
タキガワのシールドはイニシャルガードの時間が長く、IGの多用に適正を示す。
つまりこの機体の戦法は1秒のIGを連続で使用し、近距離戦での剛性を飛躍的に高めることで、そのあいだに相手を焼きつぶしてしまうと言うものだ。

この戦法は身内には完全に解析されつくしていて、最近は勝率が振るわなかったのであるが、これがランクマッチとなると話は変わってくる。
ランクマッチの基本は一期一会。同一人物と何度も戦うことはそれほどない。そうなるとこの一発芸のような戦法にも光明が見えてくる。
それもそのはず。まさか火炎放射の向こうでIGが6回も擦られているなど、誰が所見で看破できるだろうか?
そう言うわけでこの機体はC帯に上がるまで、ノコノコと近づいてくるプレイヤーの多くを焼きつくしたのだった。

しかし、この機体もC帯までが精々だった。
所詮は一発芸でしかなく、C帯からはプレイヤーの腕前とマシンパワーの上昇に阻まれた。
このあたりでわるふざけのような機体も已めて、本格的にランクマッチに参戦することにした

C帯〜A1帯までを振りかえる


以下が次の使用機体である


Autumn Leaves
ジャズのスタンダードを機体名に採用した。自分の機体名は小説や音楽の引用であることが多い。

この機体はフレンドとの共作で、最初はパルスブレードを使用していたのだが、スタッガーの直前に相手に接近するのが自分の技量では難しく、折角のスタッガーを無駄にすることが多々あった。
そこでフレンドのアイデアでムーンライトを採用。中距離でスタッガーを取ってもコンスタントに火力を発揮できるようになった。

左手がアタッシュなのは射程距離が長いためである。ラドローやエツジンとちがい、中距離でも重量機に弾かれにくい。

リニア+アタッシュの構成はランセツ+ラドローの親戚になるが、こちらは射程距離に優位がある。このあたりは霧ヶ峰さんの記事のほうが参考になると思われる。


残りのミサイルはそのときの気分で適当に変えていた。

それからこの構成に特有の重要なコンボがあるが、開発者はフレンドなのでそこは秘密にしておく。

脚部はフィルメーザを採用した。ナハトライアーを使わなかったのは、ビジュアルがあまりにトゲトゲのイケイケすぎたからである。私のような田舎者にはフィルメーザくらいの野暮ったさが合っている。

コアはマインドアルファを選択。フィルメーザは装甲を盛らないとナハトライアーの劣化になりがちなので、ギリギリまで装甲化するべきだと判断した。
六文銭は正しい。貧弱な装甲は機体の堕落だ。

ラマーガイアーの腕は反動制御の値が高く、弾道の安定を用意にした。

アタッシュとラマーガイアーの腕はあまりにこの機体に都合がよすぎて、フロムソフトウェアが自分のために用意してくれたのではと思ったほどである。

頭部はビジュアルを優先して、性能よりも芸術点を重視した。

軽快に踊るような機体で、使いなれるとA帯でも戦えるだけのポテンシャルはあった。
しかし、A1のあたりで勝率があやしくなってくる。特にネビュラタンクとレーザーキャノンタンクが強敵で、勝てないわけではないのだがどうしても大火力で押しまけることが多かった。

勝率的には五分五分くらいだったと思う。それでも通常のランクマッチで確実に勝てなければ、昇格戦の成功はとても考えられない。
昇格戦では格上のランクとも戦うことになる。聞きかじりのタンクならまだしも、熟練のタンクに勝つことは難しいだろう。

要するにA1でついに趣味機体の限界にぶつかったわけである。機体そのものにはSに上がるだけのポテンシャルはあると思うが、自分の実力不足が原因でこの機体をSに導けなかった。
まことに残念である。

A1帯〜A2帯での悟り

そこで強力なタンクに対抗するために、次の機体を使用することにした。


当時の再現。使わなくなったのでデータが残っていなかった。ナイルの構成に酷似している。

三ミサイルの機体である。
コーラルジェネレーターでフワフワすることで、タンクを一方的に嬲ることを可能にした。

結論を言うとこの機体を使うことで勝率は跳ねあがり、A1帯での苦戦が嘘のようにA2帯へ進むことができた。ナハトライアーを倒すのが難しくなったが、タンクを一方的に倒せるだけで釣りが出る。

しかし、A2帯でさらに深刻な問題を感じることになる。
それはこの機体で勝つことがあまりにつまらないと言うことである。
三ミサイルで一方的に相手を倒すことは確かに嗜虐的なよろこびがありはしたが、このような快感をたのしむのも限度がある。次第に体は以前の軽二のようなヒリつきを求め、この戦術では満足できなくなってしまったのである。

それも当然だった。この機体にはなんの駆けひきもありはしない。コーラルジェネレーターで永久に空を飛びまわり、ミサイルを次々と発射するだけ。これでおもしろいわけがない。

もちろん他人に使われるぶんにはかまわない。しかし、相手を否定するような戦いを自分でするのはいやなのだ。

求めているのは良質な試合である。真正面で相手と向きあうことで実力と構成力をぶつけられ、そのうえで相手の感性の上を行く。
この機体にはこの機体のよさがあったが、残念なことにこの機体を使っているとき、私は相手を充分にリスペクトしているとは思えなかった。

そこで一時的にランクマッチを已めることにした。さいわい今作ではフレンドに恵まれているし、戦いの場はそちらをメインにすればよいだけだ。
おそらく上記の機体は私を簡単にS帯へ導けたと思う。
しかし、このような戦法でS帯へ行っても私はフレンドに胸を張ることができないだろう。おもしろくないと感じたとき、無理にS帯へ上がらなかったことは弱さではないと思っている。

それから私はビールを片手に酔っぱらいながら、フレンドとの試合をかさねてゆくことにした。

A2帯〜S帯で汎用中量二脚


それから数週間後になる。
またランクマッチに参戦することにした。予想外のアップデートで環境が変わったからである。
強力な武器もほどほどの性能に落ちついた。
今度こそは相手と向きあうような戦いをするため、愛機をさらに実践的に改良し、冒頭の機体を作成するに至る。


Aloof Moon
汎用的な中量二脚
Laugh Moon
こちらは元の機体。安部公房の“笑う月”である。

ライフル+マシンガンの中二である。高火力のミサイルを両肩に積みこめること、堅実に装甲を盛れることが軽二とのちがいになる。

右手は安定のランセツ。

マシンガンはラドローを選んだ。エツジンが強化されたとは言え、すぐに使いこなせるようになるとは思えない。リロードや射程距離のクセも強いため、元の構成と同じほうがよいだろう。

ミサイルは高火力の双対ミサイルと10連ミサイルを採用。この双対ミサイルの総火力はじつは10連ミサイルよりも高く、合わせることで波状攻撃をしかけることができる。
リロードが長いがそこは10連ミサイルで補完する。10連ミサイルの特徴は継続的な連続発射であるが、これを活かすことで双対ミサイルのリロードを稼ぎ、交互射撃でつねにミサイルを発射しているような状態を維持できる。

フレームに変更点はない。スタンガンの使用者が減ったので頭部をマインドベータにしてもよかったが、芸術点を稼ぐためにビジュアルを重視した。マインドベータのビジュアルも好きだが、この機体には合わないだろう。

基本的に重量機には引きの対応をするが、軽〜中量機が相手の場合は武装やAP、スタッガーの状態やマップでの位置に応じて、柔軟に攻めと引きをスイッチするのが望ましい。

汎用機のよいところは柔軟性にある。
特化機は確実な勝利を得られることもあるが、機体相性の関係でどうしても確実な敗北を味わうことがある。
しかし、汎用機にはそれがない。
どんな機体にも対応することができ、確実な勝利を得ることもないが、変わりに確実な敗北を味わうこともない。そのうえでダイレクトに腕前や判断力が反映される。

ソコソコの火力。ソコソコの装甲。ソコソコの速度。ときに攻め、ときに引く。
この機体であればこそ、良質な試合をたのしめるはずだ。

A3までは前述の軽二も併用していたが、最終的にはこの機体のみに絞った。
のちの昇格戦のためにA4では試合の勝敗よりも相性の解析を重視。一戦ごとにありがちな機体へのセオリーを確立してゆく。

相手の目の前で射撃戦を演じ、猛攻を正面で受けとめ、軽快にそれを躱し、ときにはギリギリで勝ち、ときにはギリギリで負ける。
昇格戦の直前には勝率が9割を越えるほどに戦法が確立した。

そして来たるは昇格戦。
休日の朝昼に爆睡でコンディションを整え、体調のアドバンテージを取り、夜はビールを片手にほろよいで意気揚々と昇格戦にあゆみを進めた。
負ける気がしなかった。



怒涛の八連勝に成功し、汎用中量二脚でSを達成





今期のランクマッチはこれくらいにしておこうと思う。S帯の戦いもたのしいのだろうが自分は何がなんでも勝ちたいと言うような性格ではない。

今はフレンドに誇れるような昇格をできたことに満足しておくことにする。来期も勝利よりも試合の質を重視して、自分がたのしむための機体に乗ろうと思う。





このエンブレムにピンと来たら621番

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