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「うちの子、アレルギー検査しないとダメ?」 小児科医が本当に必要な検査について解説!

はじめに

最近、「入園時にアレルギー検査を受けてください」と保育園や幼稚園から求められるケースが増えています。

でも、今までアレルギー症状が出たことがない子どもにも、本当に検査が必要なのでしょうか?
実は、小児科医の立場から見ると、全員がアレルギー検査を受ける必要はありません。

さらに、アレルギー検査は 「保険適用外」になることが多いため、小児医療費助成がある自治体でも別途費用がかかる ことをご存じでしょうか?

今回は、アレルギー検査の本当の意味と、どんな場合に検査が必要なのか、そして検査にかかる費用についても詳しく解説します!

1. アレルギー検査ってそもそも何?

アレルギー検査とは、体が特定の食べ物や花粉、動物、ダニなどに対して過敏に反応するかどうかを調べる検査です。主な検査方法としては以下のものがあります。

✅ 血液検査(IgE抗体検査)
➡ 血液を採取し、特定のアレルゲン(アレルギーの原因となるもの)に対する抗体があるかを調べる。

✅ 皮膚プリックテスト
➡ 皮膚にアレルゲンを少量つけて、赤く腫れるかどうかを確認する。

✅ 食物経口負荷試験(医療機関で実施)
➡ 少量ずつ食べて、実際に症状が出るかどうかを調べる。

これらの検査は、すでにアレルギー症状がある子に対して、原因を特定するために行うものです。

2. 「症状がない子」にはアレルギー検査は必要ない!

よく「何のアレルギーがあるかわからないから、とりあえず検査を受けたほうがいい」と思われがちですが、実はこれは間違いです。

✔ 検査で陽性でも、実際にはアレルギー症状が出ないことがある!
✔ 症状がなければ、そのアレルゲンを避ける必要はない!
✔ むやみに食物を制限すると、栄養バランスが悪くなる可能性がある!

特に、血液検査(IgE抗体検査)は、アレルギー体質かどうかを調べる目安にはなりますが、症状が出るかどうかは別問題です。「数値が高いから」といって、実際に食べたときにアレルギーが出るとは限りません。

3. じゃあ、どんなときに検査が必要なの?

✅ すでにアレルギー症状が出たことがある場合!
➡ 例えば…
• 卵や牛乳を食べたあとにじんましんが出た
• ピーナッツを食べたら呼吸が苦しくなった
• 特定の花粉が飛ぶ時期にくしゃみ・鼻水がひどくなる

✅ 家族に強いアレルギー体質の人がいる場合(医師と相談)
➡ 兄弟や両親が重度の食物アレルギーや喘息を持っている場合、医師と相談して検査を考えることもあります。

✅ アトピー性皮膚炎がひどく、原因を知る必要がある場合
➡ 皮膚が慢性的に荒れている場合、原因のアレルゲンを特定するために検査を行うことがあります。

4. アレルギー検査は自費!費用はいくらかかる?

ここで気をつけたいのが、「アレルギー検査の費用」です。

★ 小児医療費助成がある自治体でも、アレルギー検査は無料にならない!

✅ アレルギー検査は保険適用外(自費)のことが多い
➡ そのため、小児医療費が無料の自治体でも、検査費用は自己負担になります。

✅ クリニックや検査内容によって費用が変わる
➡ 血液検査で調べる項目が増えるほど、費用も高くなります。

★ 具体的な費用の目安

🔹 血液検査(IgE抗体検査)
➡ 5,000円〜15,000円(項目数による)

🔹 皮膚プリックテスト
➡ 3,000円〜10,000円

🔹 食物経口負荷試験(病院による)
➡ 10,000円〜30,000円

検査を受ける前に、「本当に必要なのか?」 を小児科医と相談することをおすすめします。

5. 入園時に求められたらどうする?

「アレルギー検査をしてください」と保育園や幼稚園から言われた場合、本当に必要かどうかを確認しましょう!

★ 園に確認すべきポイント
☑ 「症状がない場合も必ず受ける必要がありますか?」
☑ 「保護者の申告(アレルギーなし)ではダメですか?」
☑ 「医師の意見をもとに判断してもいいですか?」

最近は、医療機関から「症状がない場合は検査不要」と言われた場合は、園側もそれを受け入れることが多くなっています。

6. まとめ

✔ アレルギー検査は、すでに症状が出たことがある子に対して行うもの!
✔ 症状がないのに検査をしても、正しい判断ができないことがある!
✔ 食物アレルギーは「検査の結果」ではなく、「実際に症状が出るかどうか」で判断する!
✔ 入園時に求められた場合は、園と相談して本当に必要か確認しよう!
✔ アレルギー検査は自費になるため、小児医療費助成がある自治体でも、5,000〜15,000円程度の費用がかかることがある!

お子さんの健康を守るためには、正しい知識でアレルギーと向き合うことが大切です。何か気になることがあれば、かかりつけの小児科医に相談してくださいね!

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