小児科専門医が解説!今冬の子供の感染症流行情報と家庭での予防対策
はじめに
近年、季節を問わずさまざまな感染症が流行しています。特に子供たちは免疫が未熟なため、感染しやすく、家庭内での対策が重要です。この記事では、2025年現在、全国で流行している主な感染症と、その家庭での予防策について詳しく解説します。
1. 2025年現在、全国で流行中の感染症
(1) インフルエンザ
厚生労働省によると、インフルエンザは2024年の秋から流行シーズンに突入し、2025年1月現在も全国的に感染が拡大しています。特に小学校や幼稚園・保育園での集団感染が報告されており、注意が必要です。
症状:
• 突然の高熱(38℃以上)
• 倦怠感、頭痛、関節痛
• 咳、のどの痛み、鼻水
• 消化器症状(嘔吐・下痢)
感染経路:
• 飛沫感染(咳やくしゃみの飛沫を吸い込む)
• 接触感染(ウイルスがついた手で口や鼻を触る)
(2) 伝染性紅斑(リンゴ病)
特に埼玉県を中心に流行が報告されています。発熱が少なく、頬が赤くなるのが特徴です。妊婦が感染すると胎児に影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
症状:
• 頬が赤くなる(リンゴのような赤み)
• 軽い発熱、だるさ
• 手足にレース状の発疹(痒みがある場合も)
感染経路:
• 飛沫感染
• 接触感染
(3) マイコプラズマ肺炎
国立感染症研究所の報告によると、2025年第1週(12月30日~1月5日)時点で、過去5年間の同時期と比較して報告数が増加しています。
症状:
• 長引く咳(特に夜間)
• 発熱(38℃前後の微熱が多い)
• 頭痛、倦怠感
• 呼吸困難(重症化時)
感染経路:
• 飛沫感染
• 接触感染
(4) 溶連菌感染症
横浜市金沢区などの小児科クリニックで流行が確認されています。適切な抗菌薬治療が必要です。
症状:
• 突然の高熱
• 喉の強い痛み(咽頭炎)
• 発疹(イチゴ舌)
• 腹痛、嘔吐
感染経路:
• 飛沫感染
• 接触感染
2. 家庭でできる感染症対策
感染症を防ぐためには、家庭での衛生管理と生活習慣の改善が重要です。以下のポイントを徹底しましょう。
(1) 手洗い・消毒の徹底
✔︎ 正しい手洗い
• 外出後・食事前・トイレ後・咳やくしゃみをした後に石鹸と流水で20秒以上洗う。
• 指の間、爪の中、手首までしっかり洗う。
✔︎ アルコール消毒
• 手洗いができない場面ではアルコール濃度70%以上の消毒液を使用。
(2) 生活習慣を整える
✔︎ 免疫力を高める生活習慣
• 十分な睡眠(子供は9〜10時間、大人は7時間以上)
• 栄養バランスの取れた食事(特にタンパク質・ビタミンC・D)
• 適度な運動(体力を維持し免疫機能を活性化)
✔︎ 室内の湿度管理
• 室内の湿度を**50〜60%**に保ち、ウイルスの拡散を防ぐ。
• 加湿器の活用、濡れタオルを干すのも有効。
(3) 換気の徹底
• 1時間に1回、5〜10分程度窓を開けて換気する。
• 換気が難しい場合は空気清浄機を活用。
(4) 咳エチケット
✔︎ マスクの適切な着用
• 不織布マスクが効果的。
• 2歳以下の乳幼児はマスクを着用しない(窒息の危険性がある)。
✔︎ くしゃみ・咳のマナー
• 手で覆わず、ティッシュや袖で口を覆う(手で覆うとウイルスが付着するため)。
(5) 家庭内の清掃・消毒
✔︎ よく触る場所を消毒
• ドアノブ、スイッチ、リモコン、スマホ、テーブルをアルコール消毒。
✔︎ おもちゃや子供の用品を清潔に
• 乳幼児のおもちゃは定期的に洗浄・消毒。
(6) 体調管理と早めの受診
✔︎ 家族の体調を毎日チェック
• 発熱、咳、喉の痛みがある場合は早めに受診。
• 症状がある場合は外出を控える。
(7) ワクチン接種
• インフルエンザワクチンは毎年接種する。
• **小児の定期予防接種(ヒブ・肺炎球菌・ロタウイルスなど)**を適切な時期に受ける。
3. まとめ
現在、全国的にインフルエンザ・リンゴ病・マイコプラズマ肺炎・溶連菌感染症が流行しています。子供は感染しやすいため、家庭での予防策を徹底することが重要です。特に手洗い・消毒・換気・睡眠・食生活の改善が感染症予防の鍵となります。
感染症の流行状況は日々変化するため、厚生労働省や国立感染症研究所の最新情報をチェックし、適切な対策を心がけましょう。お子さんの健康を守るために、ぜひ家庭での感染予防を実践してください。