中学受験をする子の親の心構え

この記事は「子供が中学受験をすると決め、塾や家庭教師等で受験勉強をしている家庭の親」のためのものです。
私自身の中学受験の時の体験と中学受験の塾で講師として働いていた時の経験を基に注意すべき点をご紹介させていただきたいと思います。

1.子供に対して「勉強しなさい」は禁句!

親の役目は子供が勉強に集中する環境を整えてあげることだけです。
具体的には
・塾に入れて送り迎えやお弁当を用意する。
・直前期には受験の手続きや体調管理を行う。
・(見せかけだけでも)仲の良い家族関係を保つ
これだけで十分です!
その他のことは基本やらない方が良いです。
例えば
・塾が終わった後に親が勝手に授業内容を説明させたり復習テストをやらせたりする。
・いろんなサイトや口コミで良さそうな参考書を買ってやらせる。
・勉強しろと言う。←最悪です。人間基本やれと命令されるとやりたくなくなるものです。
逆にやれと言われなくても周りがやってることは自然とやりたくなるのでみんなが勉強している環境の整っている集団授業の塾に入れることをオススメします。

2.親がやらせる勉強では伸びない

塾のテストや模試を受けているなら自分には何が足りないか受験生本人が一番良く分かっています。
それに対してどうするかは自分の意思で考えてやらないと伸びません。やらされていては伸びないのです。
私自身は社会が苦手だったことを自覚していたので自分の意思で塾の通年テキストを寝る前に1章ずつ読んで暗記していました。
もし親にやれと言われていたら多分身についていないですし塾の生徒を見ていてもやらされている子は伸びませんでした。
「でも親がやらせないと何もやらないし…」と思われる方もいると思います。
勉強をやらせるのは塾の仕事だと割り切ってください。拘束時間の長い塾に入れてそこだけで勉強を完結させてしまうのも手だと思います。
私が中学受験した塾は平日は16:30〜22:00、土日は9:00〜19:00と結構拘束時間が長く、自習の時間もその中に入っていました。その結果家では自分の足りない分野の知識を入れる程度の勉強で済みました。親としても勉強に関しては塾に丸投げした方がストレスフリーになると思います。

3.子供が自分で聞いてくるまでは勉強のことは口出ししない

このご時世いろんなサイト、いろんな書籍でいろんな勉強法が紹介されています。
それらを手当たり次第に子供に伝えても逆に「どれが正解なんだろう」と混乱してしまいます。
ベストは受験生が自分で自分に合った勉強法を会得することです。これができると大学受験もかなり有利になります。
本人が自分に合った勉強法を模索している時は自然と周りに尋ねてきます。
その時になってはじめて伝えてあげましょう。
自分で模索している中である程度自分の特性を把握し、それに合った勉強法の取捨選択はできている段階なのでこのタイミングで伝えれば混乱することなく適切なものを取り入れることができると思います。

4.子供が「受験やめたい」と言ったら潔く中学受験から手を引きましょう。

中学受験において子供が主体的に受験勉強をはじめることはあまり多くありません。ほとんどが親が塾に入れてスタートします。
もちろんオープンスクールや文化祭を見て「この学校に行きたい」と思って受験勉強する方もいますが大半は自分の偏差値と親の希望で目指す学校が決まります。
子供も主体的に受験勉強を始めたわけではないものの中学受験にかかる費用や親の労力には薄々気づいているため志望校でもめることはあれど基本的には受験自体をやめるという選択肢を持ってません。
その前提を覆す何かがあってはじめて「受験やめたい」と言うのです。
「仲の良い友達みんなが地元の中学にいく」
「塾で志望校が一緒の奴らと気が合わない、イジメられている。」
など理由は様々ですが共通するのは中学受験のモチベーションがもう無くなっているのです。
そんな状態での勉強なんてただの拷問です。
大金を払って拷問を受けさせるくらいなら他のことに使ってあげてください。美味しいもの食べたり、どこか楽しいところに連れてってあげてください。
これまでに受験やめたいのに嫌々やらされている子達を散々見てきました。誰も第一志望だった学校には行けませんでした。全落ちした子もいます。同じ地元の公立中学に進学するなら2月まで楽しく過ごした方が幸せだと思います。大金注ぎ込んで無駄な劣等感を手に入れて進学するのはしんどいと思います。恐らく受験恐怖症みたいになって高校受験、大学受験にも悪い影響を与えます。

5.最後に

近年、中学受験はますます熾烈な競争になっています。子供の成績が伸び悩んで焦る方もいらっしゃると思います。だからこそ介入せずにじっと見守ることが大事だと思います。
何かしないといけないのではないかと強迫観念にとらわれずに子供を信じてじっと我慢することは本当に難しいと思います。
私の家庭は父、母が私の成績の改善をする方針の違いで夫婦喧嘩が絶えずついに私が小学5年生の時に父が出て行ってしまいました。(その後第一志望であった父の母校に合格したら戻ってきました。)
どうか子供の前では「受験勉強」について親からは触れないであげてください。見せかけだけでも仲の良い夫婦を演じてください。
子供にストレスを与えないでください。
それが中学受験の親にできる最高の支援だと思います。

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