長くなり過ぎた一つ前の記事『推定・年200億円超 / 累計1兆円超が半世紀に渡り国外へ流出、1970年代中頃には既に月20億円 / 年240億円 - 献金の推移(旧統一教会)』から分離しました。
旧統一教会に手玉にとられた数多くの政治家の中でも、東京佐川急便事件で晩節を穢した故金丸信氏の愚行は憲政史の汚点として末永く語り継がれそうです。
1984年にアメリカで有罪判決を受け収監された結果、日本へ入国することがより一層不可能になっていた文鮮明教祖は、故金丸信氏が主導した超法規的措置(?)によって1992年3月26日に無理矢理来日しました。
国内での日程を終え、教祖ご一行がご満悦で帰国の途に就かれた数ヶ月後、日本からテレビ・新聞・週刊誌の記者が大挙して取材に押しかけた国際合同結婚式がオリンピック・スタジアム(ソウル)で開催された前日(1992年8月24日)(実際には、韓国内の4~5ヶ所で7月上旬)に文鮮明教祖は自らがメシア(ギリシア語 χριστός (chrīstós) を経てキリスト)・救世主・再臨主であると宣言しました。
尚、この年、旧統一教会に関する話題がテレビのワイドショーや週刊誌の誌面を席巻しましたが、メシア・救世主・再臨主宣言について言及されることは殆どありませんでした。
また、父・母・義父・義母より遥かに大切な真のお父様、真のお母様、真のご父母様(True Father, True Mother, True Parents)という表現は60〜70年前から使用されているようです。
韓国ソウル市の会場で韓国語で講演
文鮮明教祖(現在の北朝鮮生まれ)
韓鶴子総裁(現在の北朝鮮生まれ)
https://www.facebook.com/watch/?v=1259812844945375
昨年半ばまで旧統一教会をよいしょしていた右派の政治家や論客の方は必見
上述した通り、旧統一教会では(一般にはメシアと呼称されますが)メシヤ(当初は文鮮明教祖のみ、教祖の聖和(逝去)後は韓鶴子総裁も独生女・再臨主(トクセンニョ・チェリムジュ)として追加)が朝鮮半島に再臨したとされています。
(※ 正教会では神の独り子であるキリストを独生の子・独生子とも表現します。)
(※ 詳細については『原理講論』を参照する必要がありますが、この記事の末尾に『朝日ブックレット(49)追及ルボ 原理運動』(1985年)に掲載された短い梗概を引用しました。)
詳しくは後述しますが、救世主が既に再臨されていれば、(ユダヤ系アメリカ人は人口の 1/50 前後を占めるにすぎない)アメリカの政治家にとって巨大な票田であるキリスト教福音派の信徒がイスラエルを支持する動機の一つが失われ、停戦や和平が近づくかもしれません。
(※ 教祖の聖和(逝去)後、息子さん達を追放した夫人もメシヤを冠したことでジェンダー平等を志向しているように見える一方、引き続き天照大神をはじめとする日本の神々(間接的に皇室)は否定されています。(半世紀以上に渡って旧統一教会およびその関連企業や友好団体を支持してきた右派の政治家や論客は不勉強にも程があります。)また、多神教である仏教やヒンドゥー教(ヒンズー教・ヒンヅー教)とも親和性はありません。霊感商法で(1995年に韓国で初めて世界遺産(文化遺産)としてユネスコに登録された慶州市にある)仏国寺の多宝塔(国宝)を模したミニチュア・レプリカ(石彫模型)、数珠・念珠、善霊堂(石彫模型)、弥勒菩薩像(石彫・木彫)他を暴利で売り捌いたことからも、仏教(および大和朝廷が仏教を輸入して以来、神々と仏が遍在する日本)を蔑む片鱗が窺えます。)
https://六マリアの悲劇.com/川瀬カヨと「天運教」
二千年以上も前から世界中で数千人〜(歴史の片隅に消えた事例も含めれば数万人〜)がメシアを自称したそうです(イエス(キリスト)もユダヤ教徒にとっては自称メシアの一人にすぎません)が
ユダヤ教の正典(神ヤハウェが選民イスラエルを如何に導いたか示す律法・預言・諸書)でもある旧約聖書(キリスト教)に依れば、救世主は、おそらく、パレスチナ・イスラエルおよびその周辺に現れます。また、新約聖書(キリスト教)に依れば、イエス(キリスト)は、おそらく、パレスチナ・イスラエルおよびその周辺に再び現れます。
パレスチナとイスラエルとの間で戦闘が始まって以来、ユダヤ教、キリスト教、およびイスラームの歴史についてテレビやラジオや新聞や雑誌で目に・耳にする機会が増えましたが、キリスト教徒以外にも広く知られているように、イエス(キリスト)は二千年余り前(生年月日は不詳)にベツレヘムで生まれ、ナザレで育ちました。3年ほど宣教した後に、30代でエルサレム(ゴルゴタの丘)で刑死しました。両親(ヨセフとマリア)ともダビデ王の末裔であったと伝えられており、史的にはユダヤ人でした。
【 降 誕 】
【 受 難 】
さて、ユダヤ系アメリカ人が人口の 1/50 前後を占めるにすぎないアメリカがイスラエルを一貫して支持してきた背景に、イスラエルの回復がイエス(キリスト)再臨の要件であると考える(人口の 1/5~1/4 を占める)キリスト教福音派(福音(吉報を意味する古代ギリシア語 εὐαγγέλιον エウアンゲリオン(中世ギリシア語ではエヴァンゲリオン)、ラテン語では Evangelium、英語では Gospel、イエスの贖罪を信じる者を救う神の力)を信仰の要とするプロテスタント教派)の存在があげられます。
旧統一教会は聖書(旧約聖書・新約聖書)を部分的に重用(いいとこどり)しているようですが、ユダヤ教徒とキリスト教福音派の信徒にとって、救世主が降臨・再臨される場所はパレスチナ・イスラエルおよびその周辺であって、朝鮮半島ではなさそうです。(既に朝鮮半島に再臨されたと世界中の教会が認めれば、アメリカの政治家にとって巨大な票田であるキリスト教福音派の信徒がイスラエルを支持する動機の一つが失われ、停戦や和平が近づくかもしれませんが...)
資料
朝日ブックレット(49) 追及ルボ 原理運動
(朝日ジャーナル編、1985年(昭和60年)3月15日)
原理講論から
キリストは韓国に再臨される
◆すべての植物は各々雄しべと雌しべとによって存続するし、また、すべての動物は各々雄と雌とによって繁殖生存するのである。人間についての例を見ても、神は男性のアダムを創造されてのち、「人がひとりでいるのは良くない」(創二・18)と言われ、その対象として女性のエバを創造なさったあと、はじめて「はなはだ良(善)かった」(創一・31)と言われたのである。
◆罪を犯す前、アダムとエバは、裸でいても恥ずかしく思わなかった。しかし、彼等が堕落した後には、裸でいることを恥ずかしく思い、無花果の葉をもって下部をおおったのである(創三・1)。もし善悪の果という或る果実があって、彼等がそれを取って食べて罪を犯したのだとすれば、恐らく、彼等は手か口を隠したはずである。
◆善悪の果を取って食べたということは、一体何を意味するのであろうか。我々が何かを食べるということは、それをもって自分の血肉とするという意味である。(中略)彼女はサタンを中心とする悪なる愛をもって悪なる果を食べ、悪なる血と肉を受けて悪なる血統を繁殖し、罪悪の社会をつくったのである。
◆人類歴史の終末には、サタン側も天の側もみな世界を主管するところまでいかなければならないので、民主と共産の二つの世界が両立するようになる。そして、この二つの世界の最終的な分立と統合のために世界大戦が起こるようになるのである。このように、第一次、第二次の大戦は、世界を民主と共産の二つの世界に分立するための戦いであり、この次にはこの分立された二つの世界を統一するための戦いがなければならないが、これが即ち第三次世界大戦なのである。
◆イエスは、アブラハムの血統的な子孫達に再臨されるのではなく、彼等の遺業を相続して実を結ぶ国に再臨されることを我々は知り、また、実を結ぶ国は、東方の国の中の一つであることも知った。古くから、東方の国とは韓国・日本・中国の東洋三国をいう。ところがそのうちの日本は代々、天照大神を崇拝してきた国として、さらに、全体主義国家として、再臨期に当たっており、また、以下に論述するようにその当時、韓国のキリスト教を過酷に迫害した国であった。(中略)そして中国は共産化した国であるため、この二つの国はいずれもサタン側の国家なのである。従って端的にいって、イエスが再臨される東方のその国は、即ち韓国以外にない。
◆イエスが再臨される韓国は神が最も愛される一線であると同時に、サタンが最も憎む一線ともなるので、民主と共産の二つの勢力がここで互いに衝突する一線が即ち三八度線である。即ち、韓国の三八度線はこのような復帰摂理によって形成されたものである。
◆再臨の主を父母としていただく、一つの大家族による理想世界がつくられるとするならば、当然言語は統一されなければならないのである。(中略)イエスが韓国に再臨されることか事実であるならば、その方は間違いなく韓国語を使われるであろうから、韓国語は即ち、祖国語(信仰の母国語)となるであろう。