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エアプサン391便の火災の原因-座席上の収容棚でモバイルバッテリーが発火?

https://www.rosenbauer.com/en/int/rosenbauer-world/vehicles/arff-vehicles
https://en.namu.wiki/w/%EB%A1%9C%EC%A0%A0%EB%B0%94%EC%9A%B0%EC%96%B4%20%ED%8C%90%ED%84%B0
https://m.youtube.com/watch?v=yGCgE0eW5cA&t=65s

(鉛蓄電池は別として)リチウムイオン電池に限らず、充電・放電が可能な様々な蓄電池(二次電池)は取り扱いを誤る(衝撃を与えたり傷つけたりする)と燃えたり爆発したりする蓋然性が乾電池(一次電池)等に比べ極めて高いことはニッカド電池が主流であった頃から広く知られています。

ユビキタス(実現したため既に死語?)なIT環境が実現した昨今、世界中でリチウムイオン電池等を内蔵した電子機器が身の回りに溢れている上に、電動化された様々な二輪車、携帯カイロ、携帯扇風機、他もリチウムイオン電池を内蔵しているため、蓄電池の発熱や発火に起因する火災に巻き込まれる可能性は高くなる一方です。

リチウムイオン電池は電解液として可燃性の有機溶剤を使用しているため、衝撃等により内部の正極板と負極板が短絡し、急激に加熱後、揮発した有機溶剤に着火して出火することがあります。

また、様々な蓄電池は気軽に廃棄することもできません。

昨日ワシントン(ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港)で起きた惨事の蔭に既に隠れてしまいましたが、韓国(釜山の金海空港)で1月28日夜に起きたエアプサン391便(香港行、エアバス A321、機体記号・識別記号(国籍記号+登録記号)HL7763)の火災の映像は衝撃的でした。離陸前であったため乗客(169人)乗員(7名)(機長、副操縦士、客室乗務員4名、整備士1名)は全員脱出することができましたが、離陸後に発火していたら昨年末に務安国際空港で発生したチェジュ航空の胴体着陸に次ぐ惨事になるところでした。

https://www.planespotters.net/airframe/airbus-a321-200-hl7763-air-busan/rq192j

乗客に余裕がなかったのか、火災が発生した場所を撮影した動画は見当たらず、乗客がマスメディアに提供した写真が1枚公開されているだけですが

航空機のラゲージ・スペースは飛行中に蓋が閉じられるので、発煙や発火に気が付くまでに時間がかかります。

各航空会社では、このような火災を発見次第、キャビンアテンダントが消火作業に当たるよう取り決めているようですが、今回の火災では、機体が地上にあったため、一部の乗客が自ら扉を開け緊急脱出スライドを広げたこともあって、初期消火作業は行われなかったようです。

エアプサンによると、28日夜、機内の棚から火災が発生すると、乗務員が緊急に機内用消火器を持って棚の方に向かったが、実際には使わなかった。 エアプサンの関係者は「乗務員が消火器を持って移動した時はすでに煙が立ち込めて火災鎮圧よりは非常脱出が優先だと判断し、消火器を使わなかった」として「棚のドアも開けずに直ちに機長に報告し油圧および燃料開通遮断後に非常脱出を試みた」と話した。

この機会に、自宅の物置やオフィスの引き出しに数多く転がっている(一部は膨らんだり変形している)リチウムイオン電池(が内蔵された機器類)を整理したいと思います。


Interactive Lithium Battery Incident Chart: Lithium battery-related events involving smoke, fire, or extreme heat that the FAA is aware of since 2006.




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