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中古マンションの物件写真の撮影の話

フリーランスになりたての頃にほとんどお仕事がない期間がありました。
営業に行くためのポートフォリオを作るために街に出て気になった建物を撮影して現像する日々を過ごしていました。

外観は撮影をすることができたのですが内観を撮影する事ができないのでどうしようかと考えていた時に中古マンションの物件撮影の求人を見つけました。
採用の条件がフルサイズ機と10~20ミリ程度の広角レンズを持っていることのみだったので応募をして採用されました。

最初に簡単なレクチャーと撮影の基準書が渡され、この通りにやってくれたらよいと言われました。
大雑把に内容をまとめると露出は明るめ(照明や窓の外は白飛びして良いが暗い写真は駄目)、水平垂直を出す、リビングなどは四隅から撮る、レタッチは不要、公共交通機関で一日に3~4件回り画像の納品は遅くとも翌日中ということでした。

共用部分も撮影をするのでマンションの住人や管理人の方に怪しまれないようにきちんとした立ち振る舞いを求められたり、移動時間も含めてその日の日中にきちんとノルマの件数をこなせるように執行しなければならないので時間との勝負でとても大変でしたが、今から思うと基礎を作るとても勉強になるお仕事だったと思います。

基本的に一人でまわるので慣れてきたころに撮影の基準の画角に加えて離れてみたり寄ってみたり、高さを変えてみたり、またシフトレンズやストロボを購入した時にはそれらの実験や練習の場にもなりました。
レタッチは不要という事だったのですが、時間があったので奇麗にレタッチをして納品をしていました。

代理店の方にも納品をした企業の方にもかなり喜んでいただけたのですが、だんだんその他のお仕事が増えて円満に終了となりました。

撮影の特訓という意味以外にも、どの様なオーナーの方がどの様な理由で売り出すのか、また販売を請け負うのはどの様な企業なのかというこのビジネスのサイクルも垣間見ることができたのもとても良い経験でした。

余談なのですが、私は三脚を使用して撮影をしていたのですが、後から代理店の方に伺ったところ手持ちで撮影をし一日に5~6件回られる猛者もいたそうです。
今でこそカメラの手振れ補正やISO感度を上げて撮影したノイズが強いRAWデータをAIでクリアにする編集ソフトの出現など技術革新で私でもできなくはなさそうですが…。

このような動画を見つけました。
シャッタースピード1/4秒で小手の部分にカメラを乗せて撮影されてますね。これは凄い。


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