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脳内VOD『最上義光』(その1:序章~誤解された英雄を巡って)

割引あり

 最上義光と聞いて「『独眼竜政宗』で原田芳雄が演じた、妹さんを唆して政宗にトリカブト飲ませた下衆い敵役」「『信長の野望』“義理”パラメータが松永久秀の次に低い男」というイメージを持たれる方、結構多いかもしれない。ところが、彼の地元・山形では、義光は好物を取って「鮭様」とあだ名されるほどの人気殿様である。元々原野だった庄内平野を県下屈指の穀倉地帯に変貌させたのも、地域特産の紅花の栽培を定着させたのも、実は義光の手腕に依るところが大きいのだ。そもそも前述の『独眼竜政宗』は放送から35年、山岡荘八の原作が執筆から50年近く経過しており、学説の古さ、映像的見劣りが否めない。もし今後の東北ものの戦国時代劇の需要があるとすれば、本格的な名誉回復が望まれる、義光こそ最もふさわしい題材ではなかろうか。
 というわけで、本日からしばらくnoteにて、勝手に我らが義光公を主役にした、新作ドラマ制作プラン(あくまでも私個人の妄想。「絶対実現してほしい」とまではさすがに言わない)を一発披露してやろうと思うのだ。ただし、個人的には、同じ内容を日曜日の夜8時からやってほしいとは、断じて思っていない。というのも、筆者はNHKという、頭の固い体質の企業をとっくに見限っているのだ。同局の「大河ドラマ」枠は、今世紀以降、戦国ものと幕末ものに題材が偏る傾向があり、しかも戦国ものについては、基本的に三英傑と武田・上杉家周辺の人物しか取り上げていない。よって、村上武吉や山中鹿之助、里見義堯については、作品として取り上げる以前に、同枠が打ち切りになっている可能性が高い。むしろ落ち目の大河より、ここ数年台頭が目覚ましい、『MAGI』のアマゾンプライムビデオや、『SHOGUN』のディズニー+など、ヴィデオ・オン・デマンド(VOD)番組のほうが、伸びしろのあるメディアだと思っているのだ。VODだと、1年50話という尺を守ってくれる可能性は低いが、ドラマロケ誘致を狙っている自治体は、今後NHKを積極的に見限って、VOD各社に頭を下げた方が得かもしれない。
 というわけで、読んでね。

〔番組概要〕
 『最上義光(もがみよしあき)』は、投稿者どぶそんch原作提供によるVODドラマ作品。初代山形藩主・最上義光を主人公に、戦国時代の東北地方における最上・伊達・上杉・佐竹・蘆名他各氏による覇権抗争の歴史を描く。
 全50話(予定)。制作会社・放送局・配信会社については未定。

<主人公たち(3人の最重要登場人物)>
最上義光(もがみ・よしあき) 演:橋本さとし
 主人公。出羽(山形県)大名。連歌と鮭を愛する。没落した旧羽州探題・最上家を、一代にして山形57万石の近世大名へと成長させる。その代わり、2度に渡る父との衝突、秀次事件、義康事件など、(本人が自分で招いたものも含めて)、生涯に渡り、肉親がらみの不幸が絶えない。

保春院(ほしゅんいん) 演:米倉涼子
 この物語の語り手。「義姫」「お東の方」とも。義光の妹。伊達輝宗正室。短気・ワガママ・不愛想・協調性ゼロの問題奥方。義光と対伊達戦で、過去2回仲裁で勝手に出動しており、伊達家中から顰蹙を買う。蘆名攻めで惣無事令違反をやらかした政宗に、豊臣秀吉へのケジメとして隠居を迫るも頓挫する。その後故郷の山形に戻っていたが、慶長出羽合戦で、伊達家に義光への援軍を取り付けるべく、再び政宗の前に現れる。

伊達政宗(だて・まさむね) 演:松田翔太
 出羽(山形県)・陸奥(福島・宮城県)大名。義光の甥。保春院の長男。人格異常者。デビュー戦でなで斬りをやる、宿敵を実父もろとも銃殺する、惣無事令に違反する、豊臣家に臣従してからも、一揆を扇動し、秀次事件で連座しかける、徳川の天下になってからも、スペインに接近する、一国一城令違反を屁理屈で押し通す等々、地元・中央両政界を煙に巻く行動を取り続ける。ある意味義光の生涯において最もウザい天敵であったことは言うまでもない。

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