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明治・大正レトロを体感する、土木遺産・碓氷峠の見学[紡ぐ乙女と大正の月 聖地巡礼]
みなさんこんにちは!土木学会学生小委員会です!
今回は、『紡ぐ乙女と大正の月』の作者である漫画家のちうね先生と担当編集門脇さんのインタビューに先駆けて、昨年12月に行った「碓氷峠」の見学の模様をお伝えします。
線路跡を活用した遊歩道「アプトの道」をはじめとする土木遺産を満喫できるとっても面白い場所でした!
碓氷峠とは?
碓氷峠は群馬県と長野県を隔てる峠です。
交通の要所であり、江戸時代には江戸と地方を結ぶ五街道の一つである「中山道」が碓氷峠を通っていました。
1893年には横川と軽井沢を結ぶ鉄道が開通します。最大で66.7パーミル(3.8度)の急こう配を登り降りするため、「アプト式」と呼ばれるレールの間の「ラック」に機関車の歯車をかみ合わせて斜面を登り降りする形式を採用していました。
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レール(画像 中央上、中央下)の間に歯形のレール(画像中央)を設置し、歯車をかみ合わせて斜面を登り降りする
歯形のレールをラックレールと呼ぶ
北陸新幹線の開通に伴い廃線となっていますが、その線路跡が遊歩道「アプトの道」として整備されています。
横川駅ー熊ノ平駅間の約6kmを歩きながら、当時の土木技術が結集した橋梁やトンネルを見学することができます。
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今回は上野を起点に在来線で横川駅まで移動し、熊ノ平駅から横川駅まで歩いたのち、「碓氷峠鉄道文化むら」を訪問してきました。
上野に集合!
『紡ぐ乙女と大正の月』13 話では、主人公の紡たちが上野から碓氷峠を超えて避暑地・軽井沢に向かいます。
私たちも上野に集合して、碓氷峠の関東側の起点である横川駅まで在来線で移動しました。
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アプトの道を歩く① 熊ノ平駅
横川駅に到着し、アプトの道の起点である熊ノ平駅までタクシーで移動しました。
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筋肉痛確定の瞬間
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北陸新幹線の開通に伴い廃線となり、線路跡が残っている
思っていた以上に山の中にあった
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アプト式の旧線が廃線になり、1963年に電化された新線が開通した(現在は廃線)
新線(上り・下り)、旧線、行き違い用のトンネルが残っている
最大66.7パーミル(1km進むと66.7m下がる)の急こう配を感じつつ、めがね橋方向に下っていきました。
↑ ペットボトルを転がして最大66.7パーミルを体感している様子
アプトの道を歩く② めがね橋
アプトの道には26のトンネルと18の橋梁があり、めがね橋(碓氷第三橋梁)は18の橋梁の内の1つです。めがね橋はアプトの道の一部であり、歩いて渡ることができます。
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想像以上に大きい
1896年に補強工事が行われ、アーチ部分などが太くなっている
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聖地巡礼できて嬉しそう
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めがね橋上から見える
橋の造りや形状の違いから、技術・時代の変化を体感できる
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短くカットされたアプト式のラックレールが刺さっていて、装飾が凝っている
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66.7パーミルの一定の勾配の道が続く
明治時代の土木技術者たちのレベルの高さに尊敬の念を抱いた
ちょっと寄り道 力餅を食べる
途中休憩して、名物の力餅を食べました。
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あんことお餅で安定の美味しさ
道中には消波ブロックもありました。
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種類不明の平型のブロック
アプトの道を歩く③ 変電所~横川駅
旧丸山変電所は、碓氷峠を走る機関車に電気を供給するために造られました。
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1963年に役割を終えた
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ちょっと寄り道 江戸防衛の要・碓氷関所跡
横川駅への道中、碓氷関所跡に立ち寄りました。
碓氷関所は、江戸時代には東海道の箱根関所と並ぶ重要な関所でした。
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江戸時代には五街道の一つである「中山道」が碓氷峠を通っていた
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1958年から販売されている
あんずが乗っているのは珍しいと感じた(うずらの上のオレンジのもの)
碓氷峠鉄道文化むら
最終目的地の碓氷峠鉄道文化むらに到着しました。
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かっこいい
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意外と難しい
まとめ
明治時代からの鉄道土木の歴史を肌で感じられて面白かったです!つむつきファンの方はぜひ聖地巡礼に!皆さんもぜひ訪れて体感してみてください!
<取材チーム>
学生小委員会
東洋大学 宮﨑康平
東洋大学 川端浩平
東京大学 橋本拓幸
東京大学 二口夏帆
2023年12月10日