舞台「ラビット・ホール」を観てきたんだな
舞台「ラビット・ホール」
を観てまいりました。
それもいつもと違って前から2列目…。
ワタクシ、本来は10列目以降で良いんですが…。
全体俯瞰で観たいし…。
まあ、仕方ありません。
ステージ間近でで堪能いたしました。
ニコール・キッドマン主演の映画版もあるようですが、そちらは観ておりません。
ワタクシとしては、ニコール・キッドマンよりも、今回の主演である宮沢エマさんの方が推しです。
イイ役者さんだな〜と思っていて、特にミュージカル役者として…とか思いながらプロフィールを見てショックを受けております!
ワタクシ、彼女の舞台初でした!え?妄想?絶対観てると思ってたのに…。テレビ?鎌倉殿?
初めてだろうと関係ありません。
宮沢エマさんは非常に素晴らしい舞台役者でした!
確信に変わっております。
ストーリーは
4歳の息子を事故で亡くして既に8ヶ月、なのにどうにもできない心の葛藤を抱える若い母親役を非常にとてもリアルに演じていました。
こういう事を書くと、今のハリウッド=世界の流れに逆行しているようで、
まあ、日本だからイイかって感じで書くと、
今回のキャスティングが誰が意図したのか?何とも絶妙だった。
主人公のベッカが宮沢エマさんという事を書いたが、
彼女の妹役が土井ケイトさん
そして、母親役にシルヴィア・グラブさん
写真を見て頂くと一目瞭然。
3人ともミックス。それも白人色強し。
でも言語はもちろん日本語。もう、ハリウッド映画を日本語吹き替えで観てる感じ…と言ったらお分かりいただけるだろうか?
その感じが、
このアメリカの(多分)東部の郊外で、
裕福な家庭の家が建ち並ぶ住宅地を舞台にした物語に
非常にしっくりとしたのだ。
この舞台は会話劇だ。
それもとことん話しまくる。
ベッカと夫、ベッカと妹、ベッカと母、そしてベッカと妹と母。
インタビュー記事にあるけれど、
英語使いの役者が揃った事もあり、台詞をよりリアルにするために、稽古前に役者たちも一緒になって台詞一つ一つを英語から見直したのだそう。
4歳の息子を事故で亡くすと言う悲劇はそうそう起こらない。現実味を増すために必要な作業だったのだろう。
息子を亡くす
娘を亡くす
兄弟姉妹を亡くす
恋人を亡くす
祖父母を、父母を亡くすと言う事は誰にでも起こり得る事だけれど、
息子、娘、兄妹、そして同世代の恋人を亡くす
と言う経験は限られるだろう。
特に幼い息子や娘を亡くすと言う事は。
フィクションの世界の出来事は虚構だけれど、英語と日本語の台詞の確認作業はその虚構をよりリアルにする作業のひとつだったのだろう。
この会話劇は悲劇が下地=ベースにあるけれど、コメディ要素も多い。
それらを引き出しているのが土井ケイトさん演じる妹であったり、シルヴィア・グラブさん演じる母との会話だ。
家族との日常とはそう言うものだ。泣いてばかりがいられない。笑いもする。
誰かが亡くなっても時間は過ぎていく。
日常の会話が芝居がかってはならない。
この舞台はシェークスピアではないのだから…。
先ほどハリウッド映画の吹き替え版の感じと書いたが、
吹き替え版に感じさせてはいけない
と言う事なのだろう。
つまり、
ハリウッド映画を観ているけれど、日本語で英語を感じると言う事かもしれない。
成功していたと思う。
ワタクシは、ただただアメリカ東部のある裕福な家庭の出来事を覗き見ていたのだから。空気さえアメリカ東部を感じた。
舞台「ラビット・ホール」は地方を含めて5月まで続いていく。
機会があったら是非とも観てほしい。
個人的には何も関係ないのだけれど、とてもイイものを観て、注目したい役者さんが増えた気がしている。
色々な意味で、とても面白かった。