Day1501教育心理学研究を読んで
教育心理学研究の過去5年分の論文すべてに目を通してみた(主に分析方法のところ)。印象として、ザ・心理学と呼ばれるような用語を多用した研究や、いじめ問題、少年院、なんとかプログラムの効果検証、実践研究、とある質問項目尺度の作成、〇〇と〇〇の関連、〇〇の研究などが大部分を占めていた。たまに数学教育や理科教育、そしてものすごいたまに英語教育に関する論文があったが、国語や社会は(多分)目にしなかったと思う。おそらく数学教育や理科教育はそこまで心理に関する研究がされていなくて、教育心理学研究の場所を借りているような印象を受けたが(結構馴染んでいた)、英語教育の場合心理学寄りの研究は英語教育系の学会の中で主流となっているので(それだけ課題として問題視されている)、あまり目にすることがなかったし、あったとしても少し浮いていた印象がある(それ、言語教育系の学会で発表すべきじゃないのと思うような論文)。分析方法で特に多かったのは因子分析と分散分析とかであり、次に多いのはモデリング(SEMなど)で、以外にt検定とか回帰分析とかが少なかった。また、非正規分布(データ数の少ない)の研究もマイノリティーであった。質的研究に関しては、絶滅しそうなくらい数が少なかった。データ収集の部分で得に気になったのは、基本的にデータ数が大きいことはもちろん、モニター調査会社を通した割と規模感の大きい(数百とか数千)研究が多い印象を受けた。どこかの論文でも触れられていたが、そもそもモニターに登録している人は特殊であり(アルバイトで稼ぎたい人など)(そもそも登録する人が限られている)、「本当に」無作為に選ばれたデータと同じ解釈はできないという懸念があった。数百数千とデータを集められるというのは聞こえがいいが、研究によっては要注意である。尺度開発などの研究であれば、とにかく人数を集めて、質問項目間に一貫性があるかないかを見ることは可能というか、かなり適しているかもしれないが、自分が今後行っていくほとんどの研究は特定の文脈においてデータを取らないといけないので、「モニターに登録している人」という時点で正直使い物にならないことのほうが高い。社会学よりの調査であれば、PD以降に使うかもしれない。ただ、いろんなモニター調査の会社があることがわかったり、規模感が大きめの研究が主流であることがわかったので、きっと自分も心理学の博士課程で割と大きめのデータを集めることを許可してもらえるかも!と思ったりもした(笑)。英語教育でよくあるのは自分の教えている英語クラスの学生または知り合いの英語クラスの学生からデータを取るのが典型例だが、心理学ではそれはどちらかといえば少数派として捉えれられるかもしれない。