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特急消滅の衝撃。富山地方鉄道2000年改正ダイヤの優等列車を振り返る
2022年4月15日ダイヤ改正。富山地方鉄道から定期特急列車が消滅します。昨年4月のダイヤ改正で、特急「アルペン」1本(シーズンオフは特急「うなづき」に変更)を除いて特急列車が削減されてしまったのですが、ついに全廃の時が来てしまいました。コロナの状況が長引いてしまったとはいえ、この状況は寂しい限りです。
それだけではありません。平日夕方の下りに設定されていたローカル輸送を目的とした急行も消滅したのです。電鉄富山駅を出発する優等列車は立山線下りの初発となる快速急行のみとなります。
同社の発表によると、観光需要が戻ってきた際には臨時列車として特急を運行するようですが、定期列車として設定されていない状況では、事前のスケジュールを組む際に「鉄道」の選択肢が失われてしまうのではないかと心配になります。
もちろんコロナの状況だけではなく、年々地元の利用者は減り、アルペンルートのインバウンド需要が好調だったとはいえ、特に宇奈月温泉方面の鉄道利用については盛況といえる状況ではなかったでしょう。
特急・急行のダイヤを振り返る
私の手元にある富山地鉄時刻表で一番古い2000年12月1日改正ダイヤ以降、特急や急行などの優等列車がどのように設定されていたのか振り返ります。
ここでは朝夕の通勤通学輸送目的の急行列車を含め、原則として4月中旬から11月30日の設定ダイヤでご紹介します。(12月1日~4月中旬をオフとします。)
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この頃、本線下りには特急「うなづき」と特急「アルペン」の併結運転(4両編成)が日常的に行われていました。併結は寺田で行われます。
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上りについては併結運転は行われず、アルペンは単独運転のみとなっていました。朝夕の急行・快速急行を除くと、電鉄富山~宇奈月温泉間で特急・急行合わせて7往復設定され、そこに立山発着の特急アルペンが加わるという、活発さが感じられるダイヤです。
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立山線はおとなしいダイヤです。近年設定されている早朝の急行(快速急行)はまだ設定がありませんし、上下線すべてでシーズンオフは運休となります。
以上が2000年12月改正ダイヤの特急・急行列車ですが、この時代はまだ特急はツーマン運転、よって4両編成も多数運行されています。お隣北陸本線"特急街道"に負けじと、こちらも華やかな特急列車が行きかう地鉄街道だったということでしょう。
次回は特急がワンマン化された2004年3月25日改正を振り返ります。
※アイキャッチ画像
2013年7月20日撮影 地鉄本線舌山駅にて