JRバスの役割が変わる、宇都宮バス再編
2023年8月26日、栃木県の県都宇都宮市と芳賀町を結ぶ、宇都宮芳賀ライトレール線(以下、LRT)が開業します。LRTについてはここで語るまでもないと思いますが、新たに誕生するのもがあれば、同時に消えるものがあるわけです。
LRT開業の翌日27日、宇都宮市内東部、芳賀町エリアを走るバス路線の再編が行われます。市内に多くの路線を持つ関東自動車でも路線の再編が行われますが、LRTと同じく宇都宮駅エリアと芳賀町エリアを結ぶ路線を持つJRバス関東には大きな変化があります。
宇都宮駅を発着するJRバス関東の路線バスは同社宇都宮支店の水都西線(「水都」とは水戸と宇都宮を結んでいたことが由来となっているらしい)で、公式サイトの路線図を見ると宇都宮・芳賀エリアで複雑な路線網を持っているように見えますが、大雑把にいうと宇都宮駅西側の作新学院前と宇都宮市街地を経由して芳賀町、茂木町を結ぶ路線です。
改正前の宇都宮支店路線バス網
実際のバス運行において系統番号は設定されていませんが、この記事では便宜上、各ルートでⒶからⒿのアルファベットを付与して経由を説明します。
Ⓐ宇大前・清原地区市民センター・光が丘入口・団地南・芳賀バスターミナル経由
下りは朝に平日4本・土休日2本、上りは午後に平日4本・土休日4本
宇都宮駅東口発→芳賀バスターミナル行(平日2本)
※うち1本は、とちぎ産業創造プラザ経由作新学院前発→芳賀バスターミナル行(2本)
芳賀町役場発→作新学院前行(1本)
芳賀町役場発→東武駅前行(1本)
芳賀バスターミナル発→作新学院前行(平日2本・土休日1本)
※うち平日1本は「とちぎ産業創造プラザ」経由芳賀バスターミナル発→東武駅前行(土休日1本)
Ⓑ宇大前経由ベルモール前折り返し
平日に上下8本(日中概ね1時間毎)
作新学院前発→ベルモール前行(2本)
東武駅前発→ベルモール前行(6本)
ベルモール前発→作新学院前行(4本)
ベルモール前発→東武駅前行(4本)
Ⓒ宇大前・光が丘入口・団地南・芳賀バスターミナル経由(清原地区市民センター非経由)
下りは平日15本・土休日12本、上りは平日13本・土休日10本
※うち、下りは平日3本・土休日4本、上りは5本がルートを外れてベルモール前に入る便
作新学院前発→芳賀町役場行(平日10本・土休日7本)
うち1本はベルモール前経由作新学院前発→芳賀バスターミナル行(平日2本・土休日2本)
うち平日1本、土休日の全てがベルモール前経由東武駅前発→芳賀町役場行(3本)
うち1本はベルモール前経由芳賀町役場発→作新学院前行(平日4本・土休日1本)
うち平日1本はベルモール前経由芳賀町役場発→東武駅前行(平日4本・土休日5本)
うち土休日1本を除いてベルモール前経由芳賀バスターミナル発→作新学院前行(平日1本・土休日3本)
うち土休日1本はベルモール前経由芳賀バスターミナル発→東武駅前行(平日3本・土休日1本)
芳賀町役場発→宇都宮駅東口(平日早朝1本)
ⒹⒺ宇大前・道場宿・芳賀バスターミナル・道の駅もてぎ北経由
上下3本
※市塙駅周辺で市貝小学校経由(Ⓓ)、小貝口経由(Ⓔ)が存在
※別に平日上りのみ2本、区間便(Ⓔ)あり
作新学院前発→市貝小学校Ⓓ→茂木駅行(2本)
作新学院前発→小貝口Ⓔ→茂木駅行(1本)
茂木駅発→市貝小学校Ⓓ→作新学院前行(2本)
うち土休日1本はモビリティリゾートもてぎ始発茂木駅発→小貝口Ⓔ→作新学院前行(1本)
茂木駅発→小貝口Ⓔ→芳賀バスターミナル(平日朝夜1本ずつの2本)
Ⓕ和泉ニュータウン・光が丘入口・刈沼・今泉町経由(上り)
芳賀町役場発→宇都宮駅東口行(平日早朝1本)
Ⓖ刈沼・今泉町・宇都宮駅東口経由(上り)
芳賀バスターミナル発→作新学院前行(平日早朝1本)
Ⓗ宇大前・ベルモール前・刈沼・芳賀バスターミナル・サシバの里いちかい・道の駅もてぎ南経由
土休日の1往復のみ
作新学院前発→モビリティリゾートもてぎ行(土休日朝1本)
茂木駅発→作新学院前行(土休日午後1本)
Ⓙ道の駅区間便(上り)
茂木駅発→道の駅もてぎ北行(土休日1本)
度数のボリューム感でいうと、日中は宇都宮~芳賀間毎時1本、茂木まで足を伸ばすのは数時間に1本で、時間帯や行先によっていくつかの経路があるイメージ。そこに平日は大型ショッピングセンター・ベルモールまでの区間便が毎時1本加わりますが、朝の混雑時も含めて決して頻度は高くはありません。ちなみにJR宇都宮駅は西口ターミナル発着ですが、平日早朝の3本のみ東口に入ります。西端も全てが作新学院前を発着するわけではなく、多くは東武駅前(東武宇都宮駅近く)始発終着となります。なお、学生が長期休みとなる休校日には平日とは別ダイヤが設定されるので注意が必要です。
西端の作新学院前にはかつて宇都宮支店が設置されていましたが、2013年に現在の芳賀バスターミナルに隣接する場所に移転。これは将来のLRTによる再編を見越してのことだったようです。
宇都宮市街地と芳賀町、茂木町を結ぶ需要に加えて、朝夕は学生需要のある同路線ですが、LRT開業により宇都宮・芳賀エリアが鉄路で直結されることで需要に変化が生まれることが推測されます。むしろ、LRTに誘導しなければならないということかとしれません。
2023年8月27日の改正では重複区間の本数が大きく削減され、清原エリア、芳賀エリアがハブとなった路線網に再編されるわけです。さて、どのように変わるのでしょうか。