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エンジニアこそ哲学を学ぶべき7つの理由

"人間の本質的な問いに答えることなしに、テクノロジーが人間の生を豊かにすることはありません"


なぜ今『哲学』が必要なのか?

テクノロジーが急速に進化し、AIやソフトウェアが社会のあらゆる側面に浸透している現代において、ソフトウェアエンジニアには技術的スキルだけでなく、深い価値観や倫理観が求められています。
たとえば、AIによる偏見やプライバシー侵害といった問題は、倫理的判断の欠如が原因となっています。
こうした課題に対処するには、エンジニアが哲学を学び、価値観を深めることが重要です。解決したい問題に対し、明瞭なメンタルモデルを構築し、「どのように」に取りかかる前に「なぜ」を理解することが、AI(人工知能)時代にますます必要不可欠なスキルとなってきます。


ソフトウェアエンジニアが哲学を学ぶべき7つの理由

1. 倫理的判断力の向上

AIやアルゴリズムが私たちの日常生活に直接影響を与える時代、エンジニアが倫理的に正しい選択を行う能力は非常に重要です。例えば、Googleの「AI原則」の制定背景には、倫理的判断力の欠如による問題がありました。哲学は「正しい行動とは何か?」を問う倫理学の枠組みを提供し、実践に役立つ指針を与えてくれます。

2. 批判的思考力の養成

哲学は本質的に問いを立て、前提を疑い、論理的に思考する訓練です。たとえば、なぜ特定のアルゴリズムが期待通りの結果を出さないのかを分析する際に、批判的思考力が役立ちます。哲学的アプローチにより、誤った前提やバイアスに気づく力を養うことができます。

3. 技術の社会的影響の理解

新しい技術がもたらす社会的影響を理解することは、エンジニアの責任です。ソーシャルメディアが社会的分断を助長した例は、技術の影響を十分に考慮しなかった結果といえます。哲学はテクノロジーと社会の関係について深く考える手段を提供し、技術がもたらすリスクと可能性をより正確に評価する助けとなります。

4. 創造性と革新性の促進

哲学は固定観念を打破し、新しい視点を提供する力があります。Appleの製品設計哲学はその好例で、哲学的な思考が革新性を生み出す基盤となっています。エンジニアリングにおいても、哲学的思考は新しいアイデアやソリューションを生み出す創造性を刺激します。

5. コミュニケーション能力の向上

哲学的議論は、論理的で説得力のある言葉の使い方を必要とします。このスキルは、技術的な内容を非技術者に分かりやすく説明する場面や、チーム内での意思疎通にも役立ちます。特にグローバルチームでは、多様な価値観を共有する力が求められます。

6. 倫理的責任の認識

自分が設計したシステムがどのような影響を与えるのか、それに伴う責任を認識することは重要です。Facebookのケンブリッジ・アナリティカ事件は、倫理的責任の欠如が招いた失敗例です。哲学を学ぶことで、エンジニアは責任ある行動の重要性を理解し、それを実践する基盤を築けます。

7. 異なる視点の理解と統合

現代のグローバル社会では、多様な文化や価値観を理解し統合することが求められます。哲学は異なる視点を学び、それらを調和させるための知識と柔軟性を提供します。多文化チームでの成功事例は、こうした理解がプロジェクトの進行を円滑にすることを示しています。


哲学を学ぶためのおすすめの書籍5選!

まず「哲学とは何か?」を学ぶための入門的の書籍は多く出版されていますが、その中で私が読んでみて面白かったおすすめ5選のリンクを貼っておきます。哲学とかよくわからない本を購入するのはな…と思う方へ、図書館に置いてあったり、Audibleで聴けたり、いろんな方法があるので、ぜひ読んでみてください!


おわりに

ソフトウェアエンジニアが哲学を学ぶことは、単に個人の成長に寄与するだけでなく、社会全体の発展にもつながります。テクノロジーが社会を形成する中で、倫理的で深い思考力を持つエンジニアは、未来を築く上で不可欠な存在です。「未来を築くのは技術だけではない。正しい価値観と倫理観を備えた人間そのものである」という考えのもと、哲学を学び、新たな視点を手に入れてください。

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廣石雄大/京都在住の経営者
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