今ちょうど、夢から覚めようと
原因は自分にある。LIVE TOUR 2024 “架空のアウトライン”、お疲れ様でした。
全公演ソールドアウト、全公演1人とて欠けることなく7人で、本当に大好きなライブでした。
今回のライブ内容は、げんじぶから“架空のあなた”に向けられた、かなり非現実的で夢見心地な内容だったと思います。
昨年の「因果律の逆転」が、観測者がいるからげんじぶがあるという内容の、現実!実世界!リアル!なテーマだったから、そのギャップで余計にファンタジーを感じるライブでした。
さて、このnoteは春ツアーが「灼けゆく青」で終わった理由を個人的な解釈を忘れぬうちに残しておきます。
私は無い行間も読むタイプなので、ふーんと思って読んでください。
夢を見ていた、春ツアー
「架空のアウトライン」は、コンセブトEP「仮定法のあなたへ」を引っ提げてのツアーでした。
コンセプトEP というだけあり、「もしもあなたが〇〇なら」というコンセプトで統一された6曲が制作・収録されています。
共通のコンセプトはあるものの、楽曲が描く世界はかなりバラエティーに富んでいます。
例えば「全知全能の科学者とロボットの話」だったり、「多くの人を魅了する女性に溺れる話」だったり。
全く別世界の“架空のあなた”が描かれているのです。
さらに、一曲一曲に詳細なストーリー設定があることや、曲ごとにアイコン的キャラクターが存在し、まるで短編小説集のようなEPです。
〜
「架空のアウトライン」のセットリストは、EP 収録曲とその世界観に合う既存の楽曲を組み合わせで構成されていました。
例えば、いなくなってしまったあなたを思う「ダイヤモンドリリー」(EP 収録曲)の後には、「キミヲナクシテ」(既存曲)が続いたりしました。
EP 収録曲で表現される世界を、既存曲を使ってその世界を増幅させるイメージです。
ストーリーを重視し世界観に浸れるセトリでありながら、先述の通りEPの6曲ともまるでバラバラの世界観だったので、何の脈絡もなく次々と場面が展開されていく様が、まるで夢を見てるみたいなライブでした。
(めくるめく続いてくいろんな物語に、瞬時にしっかり染まれるげんにぶは役者でありアーティストだ…!と感動しました、本当に。)
様々な世界で“あなた”を探し求める夢
ツアータイトル「架空のアウトライン」について、以下のように語られています。
ライブツアー「架空のアウトライン」は、「仮定法のあなたへ」の楽曲たちで描かれるような“架空のあなた”を探していることになります。
そんな様々な架空の人や架空の世界を表現するライブは、「灼けゆく青」で幕を下ろしました。
2021年にリリースされた「灼けゆく青」はコロナ禍における失われた青春を歌った楽曲です。“現代”の“リアル”な苦悩が表現されています。
“架空のあなた”を探す、というファンタジーの世界で固められたセトリなのに、最後は違和感があるほどに現実味の強い曲で終わります。
なぜ、最後まで夢で終わらなかったのでしょうか?
夢から覚めても、夢みたいな現実を見る
それは、夢から現実に戻る伏線、だと思っています。
「架空のアウトライン」では「灼けゆく青」の前に、鐘の音とねじを巻くSE音がします。何かの電源が途切れたような機械音が聞こえた気がします。(これは本当に気がするだけかも。)
「灼けゆく青」は、架空の“あなた”を探す夢から覚め、現実に引き戻すための選曲なのだと思います。
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それでもライブタイトルは夢を見続ける
げんじぶ5周年のテーマタイトル「夢現の続き(むげんのつづき)」。これは、7月7日の5周年ライブのタイトルでもあることが発表されました。
・夢現(ゆめうつつ)…夢か現実か分からないこと。
さらに、11月17日に控えるアリーナワンマンライブのタイトルは「白昼夢への招待」。
・白昼夢…目を覚ましながら夢のように見る映像のこと。
つまり、
春ツアー・架空のアウトライン(夢を見る)
↓
7月7日・夢現(夢のような現実)の続き
↓
11月17日・白昼夢(目を覚ましたまま見る夢)への招待
という流れに沿うために、「灼けゆく青」 はまず目が覚める伏線だったのかも、と思っています。
架空のあなたを夢見ていたのに、そんな夢が現実になろうとしている。白昼夢を見るみたいに。
彼らがあの日に見た夢(架空のアウトライン)を、現実(白昼夢への招待)にしていく。
〜
マルチバース・アドベンチャーは最終的に現実に戻る物語
繰り返しになりますが、「架空のアウトライン」には、「もしもあなたが…」と想像上の様々な世界の“あなた”を思い描き、まだ見ぬ“あなた”を探し求めるという思いも込められています。
──“あなた”を探し求めるために、たくさんの世界(マルチバース)を渡り歩いていく(アドベンチャー)。
FCコンテンツ・研究報告書で、「仮定法のあなたへ」のライナーノーツが公開されました。
そこに記された、マルチバース・アドベンチャーの最後のトイピアノの意味と「他の場面での鍵」という意味深な一文。(FCコンテンツ(有料)のため、ここでは詳細を省略します。)
架空のアウトラインの終わり方はマルチバース・アドベンチャーのメタファーなのかも。
つまり、まだ見ぬ架空のあなたを探し求めることのおしまい=ライブツアー「架空のアウトライン」のおしまいなのかな。
「見えるまで幻」も、想像して終わり!じゃなくて、今はまだ幻だけどいつか必ず見えるもの、という確信を持つ感じもしてきました。
灼けゆく青を歌い終わると大量のスモークが焚かれ、7つのスポットライトだけ残るステージは、先ほどまでの夢のような空間が幻だったみたいに思えます。
それが幻だったのか、それとも夢現なのか白昼夢なのか、今後のライブで様々な正解がわかるのかな、と思っています。
架空のアウトライン、とにかく最高のパフォーマンスの羅列のライブで大好きなライブでした。ライブを重ねるごとに、楽曲のことがもっともっと好きになるツアーでした。
雅哉くんから目が離せなくて、こちらの視線逸らさせないパフォーマンスする雅哉くんのこと大好き、と何回も思いました。
TLに流れてくる感想の投稿を見ても、オタクみんな架空のアウトラインにすごく愛着があるの伝わってくるし「わかる、本当に楽しかったよねー…(涙)」の気持ちで読んでます。
そんな特別な春をありがとうございました。
さあ、5周年のはじまりがこんなにも最高!これからのライブも今から楽しみです!
次回7月7日に渋谷でげんじぶと再会できるようお祈りし、このnoteはおしまいです。ありがとうございました。