アフリカ、ガーナにおける中等教育について
こんにちは!はじめまして。
NPO Dooooooooでインターンをしている真衣と申します。宜しくお願いします。
簡単に自己紹介をさせていただくと、私は現在イギリスのロンドン大学でGeograohyと言われる、社会学と地理学を足したような学部に通っています。大学で貧困問題について学ぶ中、何か行動に移したい、もっと身を以て学びたいと思うようになり、こうしてDoooooooo、CLOUDYのインターンに参加させて頂いています。
今回は、インターン生が毎週行っているミーティングで現地で働いている鳥居さんから伺った「中等教育」について、インターン生の目線から情報を発信させていただきます!
1.はじめに
皆さん、以前の初等教育の投稿はご覧になりましたでしょうか。
こちらの記事では私たちが支援しているガーナ のアブイ・チタ村の初等教育の現状と課題についてお話ししました。今日はこの初等教育の記事に関連した、アブイ・チタ村での、そしてガーナでの中等教育についてお話ししていきたいと思います。
初等教育についての記事はこちらをご覧ください。
2.アフリカの中等教育について
長い歴史と様々な文明や文化を持つアフリカ諸国は、現在も世界で最も貧しい発展途上エリア(Least Developed Countries)であり、教育水準も低い国々でもあります。
近年、SDGsの目標達成へ向けて国際社会の協力も受け、アフリカ諸国の基礎教育の状況は大きく改善してきました。
実際に1990年以降、初等教育の就学率も80%にまで上昇していて、識字率も上がりました。ガーナでは初等教育にあたる小学校の6年間は、義務教育期間に含まれます。義務教育は無償で行われている為、比較的現地の人々も通いやすく、就学率も高いです。様々な事情で学校へ通うことが難しい子供達もいて、まだまだ課題は山積みですが、改善に向かっている途中と言えるでしょう。Dooooooooの活動の一環として2018年にガーナに開校した”Doooooooo School”は幼稚園・小学校を運営しており、現在380名以上の子どもたちが元気に日々沢山のことを学んでいます。
しかし、中等教育はどうでしょうか。
初等教育に比べて様々な面でのサポートが受けられておらず、学校面でも基礎教育カリキュラムなどの指導法も不安定な為、就学率も低く、設備も不足してしまっているのが現状です。実際に初等教育の就学率が80%なのに対し中等教育は64%と言われています。私たちが暮らす日本の中等教育の就学率は99%と言われているので、ガーナでの数字がいまだに低いことが感じられますね。
また鳥居さんがおっしゃっていたのが、『教育格差』について。
統計で数字が表示されていても、やはり都市部と地方との教育格差は依然として大きいそうです。
都市部ではほぼ100%近くの学生が学校に通うことができていると思うけど、地方に行くと一気に減ってしまう。
今回、クラウドファンディングを行い、Dooooooooo School では新たにガーナ南東部、ボルタ州サウス・ダイ郡にあるアブイチタ村(幼稚園、小学校が設営されている場所)に中学校が開校しました。現在Doooooooo Schoolの中学校には100名近くの子どもたちが通っています。
都市部から離れ、もともと教育を受けることが難しかったこの村の子供達。中学校が開校したことでより多くのことを学ぶ教育の機会を一つ広げることが出来たのではないかと思います。
2.現在と中等教育における課題について
ガーナを含めたアフリカ諸国で中等教育の普及が難航するのには大きく3つの問題があるようです。
まず1つ目は『親の理解』です。
従来多くのアフリカのエリアでは、中学校に通う年代の子供達は親に働かせられる事が多いそうです。
また若くして結婚して子供を産んだので教育を受けられない、など、地方の大人たちは教育の大切さをわかっていない人が多い印象だそうです。
その為就学率を上げるためには、中学生を子供に持つ親に、学校教育の大切さをどのように伝えるか、また理解してもらうことが出来るか、ということが課題になっています。鳥居さん曰く、アブイ・チタ村でもまだ100人ほどの中学生がいるそうで、就学率は50パーセント未満だそうです。
2つ目は『先生』の数、そして質が低い事。
現在ガーナでは中学生にちゃんと教える事が出来る先生の数が足りていません。Doooooooo Schoolでもフランス語とモラルの先生が不足しているそう。
また先生に教える気がなかったり、学校に来ない先生もいるそう。先進国で教育を受ける私たちにはなかなか考えづらいですよね…。先生の給料が悪く、公立は毎月ちゃんと給料が支払われなかったりすることもあるそうで、待遇が悪い為、先生が不足し、先生も頑張らない、などの悪循環にあるそう。先生のレベルを上げる事も本当に難しい反面、とても大切な課題でありそうだと感じています。
そして3つ目は、『基礎教育カリキュラム』です。
中学生でも数学で普通に分数の足し算とかやってるレベルで教育レベルが著しく低いことが問題にあげられています。
中学生で掛け算ができない子がいたり、みんな何を学校で学んできたんだろうってくらい、勉強が出来ない子も多く見られるそうです。鳥居さんが子供たちになぜかと理由を聞いてみると、「先生がちゃんと教えてくれないから」と言っていたそうですが、真相は定かでは無いそう。国が定めた必須科目は9教科あるものの、先生不足などの問題で学校によって教えている教科が違うそうです。「うちの学校はフレンチを教えられる先生がいないから、必須科目でありながら、教えられていない」なんて状態が普通に存在してしまっているそうです。
子供達の『学び』への意欲は素晴らしい反面、その意欲を形にするための土台が整っていない現状を踏まえ、上記の子供に対して教育の大切さを理解する為の親への教育、教師の教育や育成、安定した教育システム土台作りが必須だと言えます。
3.今後の中等教育における目標について
今後アフリカ大陸全体の人口は2050年に25億人へと倍増する見通しだそうです。
爆発的な人口増加における貧困や社会問題解決のため、国連児童基金(ユニセフ)のフォア事務局長は、『中等教育システムの現代化が必要だ』と発言しています。
また、最近よく耳にするようになったSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)。国連が採択したSDGsの17の大きな目標の中に『質の高い教育をみんなに』とあります。さらに、その中の具体的なターゲットの中に
『2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする』ことが掲げられています。
中等教育の発展は、ガーナ、アフリカなど限定的な地域だけで考える問題ではなく、みんなで取り組むべき国際的な問題であり、目標だと言えるのではないでしょうか。
4.さいごに
今回は鳥居さんのお話を元に、ガーナの中等教育について書かせていただきました。
少し長くなってしまいましたが、いかがだったでしょうか?
中学校が世間に普及し、学校に通うことは当たり前に感じている私たち日本人にとって、想像しがたい世界なのではないでしょうか。もちろん、学校へ行くことだけが良いことではないし、教育が全てだとは思いません。でも私は『教育』とは、全ての子供たちが自分の想像、興味や視野を広げることの出来る基礎を学ぶ『権利』の一つだと思っています。
教育を受けた結果として、自身の技量や選択肢も広がります。
SDGsの目標期間である2030年まで、もう10年を切りました。次の10年間でどれ程課題を克服し、ガーナを含めたアフリカ諸国で安定した中等教育を幅広く普及することが出来るかは、アフリカ国家にとってとても重要であると言えます。さらには社会的に、国際的に、道徳的にも鍵となるのではないか、と私は思っています。
夢や目標を持つ一人でも多くの子供達へ、彼らが望む教育を届けることが出来るように、そしていつかその教育が全ての子供達に届くように、今日もCLOUDY、Doooooooo、そして私たちインターン生も自分の出来る事から行動し、続けて行きたいとい思います。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
今後ともCLOUDY、Doooooooo、そしてインターン生目線のCLOUDYの活動に注目していただけますと幸いです。
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