新規シード投資|CheckInn:宿泊施設向けオールインワンツール
この度DNX Ventures(以下、DNX)は、宿泊施設向けオールインワンツール「Check Inn」を運営する、Check Inn株式会社(以下、Check Inn)の総額1億円のプレシリーズAラウンドに新規投資させていただきました。
宿泊業界が抱える課題とは
コロナ禍を経て、インバウンドの回復もあり、約30兆円ある国内観光市場はますますの盛り上がりを見せていますが、宿泊業界は人口減少や少子高齢化による労働力不足が大きな課題となっています。インバウンドを含め旺盛な宿泊需要があるにも関わらず、人材不足を理由に供給を制限せざるを得ない施設も少なくありません。また、労働力不足に加えて、従業員一人当たりの労働生産性の低さも課題となっており、少ない労働力でも生産性を上げるためには業務のDX化が急務となります。
しかし、宿泊業界のDX化を阻害している背景に、複雑なシステム構成があります。宿泊業界では、集客を行う予約システムやOTA(Online Travel Agent)、在庫や料金の管理、部屋割りや領収書の発行、清掃管理など、多岐に渡る業務において、業務ごとに個別のツールが存在します。そうした個別ツールを使い分けなければならないため、業務の属人化が起きやすい、複数サービスの契約でコストがかかる、作業効率の悪さから労働環境も過酷になり人材が定着しづらいなど、システムの複雑性に伴う悪影響が起きています。
宿泊施設向けオールインワンツール「Check Inn」とは
このような課題を解消すべくCheck Innが開発したのが、宿泊業界に特化したオールインワンツール「Check Inn」です。「Check Inn」はサイトコントローラー・自社予約エンジン・PMS一体型の宿泊施設向けオールインワンシステムとなっており、シンプルな操作性で全てのツールを使いこなすことができるため、これまでツール使用に費やしていた時間を大幅に削減することができます。ツールを一本化することで業務効率化・コスト削減に貢献し、宿泊施設の可能性を向上します。
自社予約システム
コード1行で設置可能。3STEPで予約が完結し、離脱率低下を実現サイトコントローラー機能
在庫や料金を調整し、予約も一括管理。電話予約も一括で管理可能PMS機能
客室アサインから顧客情報の収集など、現場作業からマーケティングまで一貫して行うことが可能
OTAからの予約情報管理、在庫や料金の変更、電話予約の管理、部屋の割り振りなど予約業務に関わることから、日々の情報共有、売上の集計・分析など経営に関わる部分までCheck Inn一つで完結します。様々なツールや紙・エクセルなどでのバラバラ管理を無くし、コスト削減や作業効率の向上に貢献するプロダクトとなっております。
投資に至った背景
DNXがCheck Innの投資に至った背景は主に以下の通りです。
業界の深いペイン:
宿泊業界では各業務に特化した個別ツールが混在し高コスト構造になっております。また、それら個別ツールは必ずしも使い勝手の良いものではなく、労働力不足が課題となっている宿泊業界において、オールインワンのSaaSが提供できる価値は非常に大きいと考えております。
マーケット環境:
国内観光市場は約30兆円の巨大市場であるところ、コロナ禍を経てインバウンド需要が足元急速に回復しており、今後もインバウンドを中心に観光需要は堅調に伸び続けると考えております。コロナを機に宿泊業界から離れてしまった人材をすぐに呼び戻すのは容易ではなく大きな需給ギャップが生じている中、観光市場という今後も堅調な伸びが期待されるポテンシャルが大きなマーケットで、労働生産性を上げるプロダクトのニーズが高まっております。
経営メンバー:
CEOの田中さんは持ち前のエンジニアとしてのスキルや深い洞察力・分析力はもちろんのこと、現場のペインを解像度高く理解するために宿泊施設に住み込みで宿のオペレーションを手伝うなど、行動力も兼ね備えた起業家です。また、高コスト構造や労働力不足に苦しむ中、コロナ禍で大きなダメージを負った日本の宿を救いたいという熱い想いとパーパスを持って立ち上がった素晴らしい人物であることも投資の意思決定を大きく後押ししました。
Check Inn田中CEOからのコメント
最後に
国内宿泊業界はコロナ禍を経てインバウンドを中心に今後も堅調な伸びが期待される一方、高コスト構造や労働力不足、生産性の低さなど、未だ解決されていない多くの業界課題が存在します。Check Innが提供するプロダクトはまさにそのような業界ペインにaddressしており、国内宿泊施設に大きなコストメリットや労働生産性の向上をもたらす画期的なオールインワン・ソリューションです。日本にとって非常に重要な観光・宿泊産業の業界変革に取り組むCheck Innの更なる挑戦を応援しております。
(文・新田修平)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?