追加国内メジャー投資|HERP
10月6日、株式会社HERP(ハープ、以下HERP社)より配信されましたプレスリリースの通り、この度DNX Venturesは、同社の9.5億円のSeries Bラウンドにリードとして参画し、投資を実行致しましたことをご報告致します。本ラウンドは既存投資家のDCM Ventures他、株式会社マネーフォワード等の新規投資家と共同で出資致しました。これまでHERP社のコア事業である採用管理システム「HERP Hire」の利用企業は累計900社を超えており、コロナ禍の逆風においても堅調な成長を遂げて参りました。DNX Venturesは引き続き、HERP社の「スクラム採用」に基づいたHR関連サービスの提供を通じた採用企業と採用候補者のミスマッチがない世界観の実現をサポートして参ります。
HERPとは?
HERP社は「採用を変え、日本を強く。」をミッションに、社員主導型のスクラム採用を推進する経営者や人事責任者向けの採用管理プラットフォーム「HERP Hire」及びタレントプールプラットフォーム「HERP Nurture」を提供しているスタートアップです。彼らのコア事業であるHERP Hireは、採用管理に関するサービス・機能を包括的に提供しているという意味において、その他競合サービスと比較しても引けをとりませんが、特に以下の特徴を持つ採用活動を行うユーザーから高い評価を受けています。
1. デジタル人材や多職種の採用
デジタル人材(エンジニアやデザイナー等)や多職種を同時に募集する場合、採用担当者は複数の広告媒体を利用する必要が生じるため、掲載するJob Descriptionや、応募者管理などが煩雑になります(各サービスに個別にログインして、コピペする等)。また、応募後は社内メンバーや要職者との面談アレンジも大変です。この点、HERP Hireは主要媒体と自動連携しており、HERP Hireから一元管理できるだけでなく、エージェントとのコミュニケーションや、Slack、Chat Workとの連携を通じた社内メンバーとのコミュニケーション等もすべて一元的に行うことができます。
2. 現場社員を巻き込んだ採用
前段でも少し触れましたが、CEOの庄田さんはスクラム採用の手法、すなわち採用活動を経営陣と人事に閉じたものではなく、現場社員を巻き込んだ形で行うことこそが最大の成果に繋がると信じ、その設計思想に従ってHERP Hireを作っています。従って、HERPのアカウントも幅広い社員に付与し、多くの社員によって使用されることを想定しており、細やかな権限設定、リファーラルの候補者を管理する機能や、社員面談時における社員による候補者情報の参照や面談議事録の作成管理などもしやすい導線になっております。
3. 採用・人事のプロご愛用
我々はこれまで何度もユーザーにインタビューし、直接的な声に触れてきましたが、HERPの熱狂的なユーザーはなんといっても採用・人事のプロの方が多いです。いくつものスタートアップの採用プロセスを一から立ち上げてきた方や、大きな調達をした後の大規模な採用を経験されてきた方など。彼ら、彼女らは、HERPの洗練されたUX/UIはもちろんのこと、シンプルで標準的な採用プロセス管理もできつつ、各企業の独自の採用プロセスに合わせて柔軟なカスタマイズ(Google Spreadsheet等の様々なサービスとAPI連携できる点も含め)もできる点を評価していました。一方で、HERPは日本経済新聞社など、大企業での導入実績も多数あり、柔軟なカスタマイズ可能だからこそ、テック企業から大企業まで幅広い用途に調整できることが強みとも言えます。
今回の出資に際して
DNX VenturesはSeries Aから庄田さんとご一緒してきましたが、今回のSeries Bラウンドを実施するまでの間に、我々が何度も庄田さん及びHERPチームの虜になる出来事があり、今回調達ラウンドに参加できることを非常に嬉しく思っています。
まずは、コロナ禍という非常に難しい場面においても堅調にユーザー数を伸ばせたこと。2020年は特に多くの企業が採用計画を一旦凍結し、それに応じて全体的な採用活動が縮小した時期でもありましたが、そのようなマーケットの急激な変化にもHERPチームは即座に対応し、営業手法やコストのかけ方を見直しつつ、現状ではコロナ禍前と比べても効率よく新規ユーザーを獲得できる営業組織を作り上げられています。
次に庄田さんのビジョンの壮大さ。こちらの一連のNote記事を含め、様々などころで情報を発信されていますが、庄田さんは日本の中途採用市場における現状に並々ならぬ課題意識と当事者意識を持っており、日々、スクラム採用の思想をベースにどのようなサービスをユーザーに提供すれば、会社側と候補者のミスマッチがなく、最大の効果効用を発揮するか考え続けられています。日本市場は、未だ新卒一括採用が中心で候補者と企業の中間に数多くの求人媒体が存在するという点で世界でもユニークな市場で、グローバルなビジネスモデルを日本にそのまま持ってきても何も解決されないという難しさがありますが、だからこそ、DNX Venturesは庄田さんにかけたいと考えています。
最後に会社のカルチャーの強さ。HERP社は顧客第一主義(の成果主義)を組織運営の大前提としつつ、部活の同期のような熱く、深い絆があり、かつ自由闊達な意見交換ができる土壌が整っています。これは庄田さんと共同創業者の徳永さんが京都大学時代の親友であったという創業時の座組も影響していたのかもしれませんが、40人程度の中規模の組織になってもその熱量を保てているのは素晴らしいことだと感じています。また、ユーザーからよく聞くHERPの凄いところとしては、秒速且つしっかりとした顧客対応。バグ対応なども含めたエンジニア組織まで含めた全社で、ユーザーの問い合わせに対してこのような対応をできることは彼らの確固たるカルチャーがあるからと感じています。今後、HERP社の成長が楽しみでなりません。
HERP庄田CEOコメント
シリーズAラウンドから倉林さん・向川さんをはじめとしたDNX Venturesの多くの方々にサポートをいただき、ここまで成長を続けてくることができました。改めましてありがとうございます。経営者として起業家としてまだまだ未熟である私そして未熟なチームを常に暖かくサポートくださり、心から感謝しております。特に、SaaSビジネスの事業運営における豊富な知見・ノウハウのシェアや、さまざまな機会提供を通じて、私たち自身では直接手の届かないナレッジを惜しみなく提供いただいていることが次の成長へとつながっているのを日々感じております。 今回の資金調達においても、想像を超えるスピード感で意思決定くださったおかげで、目の前のラウンドと落ち着いた気持ちで向き合い進めることができました。皆様のご期待に応えるべくHERP一丸となって、引き続き精進して参りたいと思います。これまでは私たちの考えを最大限に尊重いただくスタイルでサポートいただいておりましたが、今後は組織としても社会からより一層信頼いただけるような企業へとステップアップする段階を迎えていると思っております。そういった点でも引き続きご指導いただけますと幸いです。
ーーー株式会社HERP 代表取締役CEO 庄田一郎
(文・向川恭平)