昔書いたこと
『 毒ガス怪獣 』
FBで、金城哲夫氏が「帰ってきたウルトラマン」に一本脚本を書いているという記事を読んだ。
記事は上原正三氏のインタビューだった。
何となく見たくなる。
それでレンタル屋に行き借りてみた。
第11話『毒ガス怪獣出現』。
山間に怪獣らしき物体が現れ、そのあたりにいた人々を殺戮する。死因は怪獣が吐いた毒ガスが致死量に達し即死。
毒ガス・・と聞いてMATの岸田隊員は思い当たる節があり実家へ戻る。
岸田家は代々軍人の家系らしい。(つまりMATは軍隊なんだ・・と遅まきながら僕も気づいた・・汗)
岸田隊員の父親は旧日本軍の軍人で、兵器開発・・毒ガス兵器の製造をしていた。
しかし、終戦で敵国に使用することはなく安堵したものの、その廃棄場所・隠し場所に困り、取りあえず、とある山間部に隠した。
ちなみに、その父親は科学兵器製造をした良心の呵嘖から自殺している設定であった。
隠し場所の地図と怪獣の出現場所が一致したことで、岸田隊員は自分の責任(岸田家の責任)でなんとか怪獣を倒そうとして、逆にやられてしまい
最終的にはウルトラマンが出てきて解決してくれる。
「帰りマン」は、1972年頃の日本を舞台にしているので公害とかいじめとか村八分とか、暗部をよく描いていた。
たいてい、夕景か夜景がどこかにあって子ども番組らしいところが少なかった。
メインライターの上原正三氏の好みもあったのだろう。
この一話だけ書いた金城哲夫氏は「ウルトラセブン」のメインライター。
大好きな脚本家である。
この話では、<旧日本軍が毒ガス兵器(化学兵器)を製造していた>ということが、さらりと挿入されていて、批判はしていない。
逆にその分、重みがある。
見ながら、いろいろ思い出したりしていた。
なんていうか、当時のウルトラシリーズには、反戦思想が根っこにありながら、戦闘を描き、防衛を描くというダブルスタンダードがあるのだけど
それが子供心に時々ざらつきがあり、わからないなりに惹かれてしまう要因だったような気がする。
ところで、うちの犬が<ジャック>というのは「帰ってきたウルトラマン」とはなんの関係もない。