そろそろ、お金の不安から自由になりませんか?
私自身、お金との適度な付き合い方を模索中です。
お金は欲しい。でも、たかがお金に生き方を縛られたくない。
拝金ではなく、清貧でもない。働きすぎず、怠け者でもない生き方。
より豊かで意味のある人生のため、お金のことを一緒に考えてみませんか?
なぜ、お金が欲しいのですか?
まずはそこからでしょう。
この問いへの答えは、大きく2つに分かれます。
1) お金が好きだから
2) 生活、仕事、娯楽などのために必要だから
1) は、お金を増やすことが目的化している人です。理解できない人もいるでしょうが、ある意味わかりやすいですよね。
2) は、必要最小限でいいというミニマリストのような人から、贅沢な暮らしがしたいと考える人までピンキリです。その違いはここでは触れません。
問題は、最近とくに増えている第3のタイプです。
3) 将来に対する不安を取り除くため
今は経済的に問題がないが、将来のことまで考えるとずっと食べていけるか不安である、という人。
現役の会社員が定年退職後のことを不安に感じるのが典型ですが、同様の不安はもっと広範囲に蔓延しています。自由業や自営業など、定年制度がない職業の人も同じような不安を抱えています。
私たちは、なぜこんなに不安を感じるようになってしまったのでしょうか?
不安を煽る勢力
雇用制度の不安定化、技術革新のスピード、政治不信など、将来に対する経済的不安が高まる要因はいくつもありますが、それはさておき。
このような不安を意図的に創り出している勢力があることをご存知ですか?
不安を植え付けられた人々は、なんとか自力で食べていける能力を身につけようとします。生活保護制度にも頼らず、会社にしがみつく必要もなく。
そうなると助かるのは誰ですか?
もうおわかりでしょう。
不安を創出しているのは、一に政府です。福祉を切り捨て、年金の受給年齢を引き上げたいと考えているのですから。
二に企業です。社員が自力で食べていければ、リストラしやすくなります。
そして、その不安を煽っているのがメディアです。
「副業ブーム」などはその露骨な例だと言えます。
稼ぐ力=人間力だろうか?
不安というのは緊張やストレスと同じように、ゼロにする必要はないですが、適度にコントロールすることが大切だと思います。
お金に関して過度の不安をもつことは、意味のある人生を生きることに対してマイナスの影響を与えるのではないでしょうか。
つまり、
お金に関する過度の不安
⇒ 少しでも多く稼がねば、という焦り
⇒ あらゆる活動を収益につなげようとする
⇒ 収益が唯一の目標(KPI)になる
⇒ お金を稼げる活動しかしなくなる
ここまでくると、ちょっと人として心配なレベルだと思います。
青臭いのを承知のうえで、敢えて言わせてください。
私たち人間は、何のために生きているのでしょうか?
いろんな答えがありえますが、少なくとも「お金を稼ぐため」ではありませんよね。
人間の多様な能力は、「稼ぐ力」で測られるものなのでしょうか?
私たち人間の成長とは、「稼ぐ力」を高めることなのでしょうか?
マネタイズという呪い
「ビジネスモデル」という言葉は昔からありました。
それは競争に勝つ仕組みのことです。(戦わずして勝つのも含みます)
「マネタイズ」はそれと似ているのですが、少し違います。
ビジネスモデルは、最初から勝つこと、つまり儲かることを目的として考案されます。
マネタイズは、それまで無償、つまり無収益で提供していたサービスを収益化することを意味します。
この定義によれば、Googleはどちらでしょう?
答えは、ビジネスモデルです。
Googleの検索サービスは無償で提供されていたわけではありません。検索で上位表示される「言葉を売る」ことで広告料を取る収益モデルを、最初から構築していたからです。
かつて、個人のホームページなどは無償で公開されていました。
作者は集客力をもつようになると、アフィリエイトや課金化、サブスク化によって収益化したいという誘惑に駆られます。
これがマネタイズの呪いです。
ビジネスが使っているマネタイズ手法を自分も採り入れたいと考え、前項で述べた「あらゆる活動を収益につなげようとする」行動に取り憑かれます。
ブログを始めた動機は何だった?
黎明期のブロガーたちがどんなことを書いていたか知っていますか?
ブログ名は伏せますが、
めちゃめちゃ笑える駐在員のトークショー
超情報通のヘアスタイリストによる業界のウラ話
超ハイクオリティの政治評論
当時ブログを読んでいた人なら思い当たるでしょ?(歳がバレますが)
彼ら・彼女らは、1円にもならない記事を書くために、とてつもない才能と労力と時間を使っていました。何のためでしょう?
それはたぶん、情報を発信したかった、ただそれだけなのだと思います。
つまり、多くの人に伝えたかった、楽しんでほしかった、あるいは書きたいから書いただけかもしれません。いずれにしても、情報の発信以外の目的も動機もなかったと思うのです。
いったい、何歳まで働かなきゃいけないの?
さて、日本の会社員の定年は60歳が一般的ですが、トヨタ自動車など実質65歳定年制の企業も増えています。かたや、役職定年(ポストオフ)といって55歳で管理職の役職を解く(ほぼ事実上の定年です)企業も多いようです。
定年制度って、年齢差別だとかいろいろ批判もありますが、良い面もあると思うんですよ。
それは、一応の区切りがつくところ。
これがないと、何歳までもずるずる働いちゃう人もいるだろうし、自ら退職を決めたら家族に反対されるかもしれない。それに、現役中にゴールが見えないってのもしんどいと思うんですよね。
私、できれば働きたくない派なんです。
ポストオフ制度があったら、55歳でさっさと辞めて、それ以降の人生は働かずに生きていきたい。そういう考えって甘いでしょうか?
55歳や60歳で再就職とか、本気で言ってますか?と思ってしまいます。
だって、その歳まで働いている人の強みってその会社でこそ発揮できるものだと思うから。
ひとつの会社で長く働いてきた人というのは、唯一無二の価値があるものなので高給取りでもいいんですよ。その意味で、年功序列ってのはそんなに間違っていないと思う。でも、他の会社に再就職するとなったら話は別です。いくらポータブルスキルの高い人でも価値は半減します。今更その人の人生にとって意味のない「市場価値」なんかで値踏みされちゃたまりません。
だから、ある年齢以上の会社員は定年まで勤めて、定年でスパッと辞めて引退するのが王道だと思います。
退職後は年金で十分
いくら日本の年金制度が破綻しているとか、そもそもそんな制度は不要とか言ってみても、退職してから死ぬまでお世話になるのが年金です。
国に騙されている面がないとは言いませんが、400兆円とも言われる世界最大の年金資産が消えてなくなる可能性は極めて低いのでご心配なく。
年金制度をバカにしてはいけません。
世界史上最初に年金という仕組みをつくったのは、プロイセン(ドイツ)のビスマルクです。今昔を問わず、洋の東西を問わないのが年金制度です。
定年退職し、その後基本的に仕事に就かずに生きていく人は、年金で食べていけばいいと思います。そのために高い保険料を払っているのですから。
受給開始年齢までの期間はどうするのか?
貯蓄でなんとかすればいいのです。そんなに貯蓄してないよ、とおっしゃる方は、そもそも家計の収支バランスが間違っている可能性が高いと思われます。
支出が多くなる原因:
分不相応な住居に住んでいる(可処分所得の3割以上)
子供の学費をかけすぎ(海外留学とか)
過度の贅沢品・高級品志向
早期退職して自由気ままに生きるヨーロッパ人
定年は国によって異なりますが、ヨーロッパ諸国では65歳が一般的です。
しかし、私が見てきた限りでは、55歳~60歳の間にアーリーリタイアメント(パッケージ)を選ぶ人がほとんどです。
再就職する人はまずいません。
収入については、65歳から受け取れる年金に加えて、投資収入が大きい。
たいていの人が株式投資をしています。
さらに、不動産に投資している人もけっこういます。家賃収入やバカンス向けの貸別荘などの収入で、現役時代と変わらない収入を得ている人も珍しくありません。
彼らは何をして余生を過ごすのでしょうか。
代表的なものとして、
プロボノなどのボランティア活動
大学・大学院で好きなことを学ぶ
旅行ざんまい
趣味(庭いじり、DIY、キャンプ、自転車など)
何もしない派もいます。
朝はカフェでコーヒーを飲みながら新聞を読み、昼はワインを飲みながら庭でぼーっとし、晩はパブでビールを片手にフットボール観戦という具合。
じつは、お金が歴史を動かすのは世の常
世の中のたいていの出来事はお金が原因、と私は考えています。
まず、戦争がそうです。
宗教戦争やイデオロギー戦争というのはじつはタテマエで、真の目的は資源や市場の奪い合いといった経済に関わるものです。
テロリズムも、凶悪犯罪も、権力の腐敗も、ハリウッド映画の題材も、半沢直樹のストーリーもすべてお金が目的だったり原因だったりします。
そして、アメリカと中国の新たな冷戦も、経済の覇権を巡る争いです。
自由?民主主義?人権?そんなものはすべてタテマエです。
これからの世も、お金は人類の関心の中心であり続けると私は予測します。
あなたの物語は何ですか?
国家や企業や犯罪者や権力者は、今後もお金のために生きていくでしょう。
だからこそ、せめて個々の人間はお金のために生きるべきではないのです。
生きるに値する人生とは、意味のある人生のことだと思います。
「意味がある」とは、物語として人に伝える価値があるということです。
人に伝える価値のある物語とは、人に感動を与えるあなただけの物語です。
そんな物語を紡いでいく旅の中で、たかがお金ごときに振り回されている場合じゃないのです。