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大人たちよ。友人を維持できているか

諸外国を転々として生きていると、いろんな国に友人がいる、と思われがちですが、実態は全く逆です。
私には外国人の友人が一人もいません。

ある国に住んでいる間はそれなりに親しくなる人ができますが、その国を離れたらグッバイです。それ以降、連絡を取り合うこともなくなります。
赴任先で知り合う人々とは、所詮ユキズリの関係でしかないのです。

私には “友人” と呼べる人はいるのだろうか、とふと思いました。
友人の定義があいまいですが、「1対1で晩メシが食える人」とします。
つまり、2時間以上しゃべり続けていられる相手ということですね。

現在 51歳の私が友人と呼べる人を挙げてみました。()内は年齢と性別。

小学校以来の悪友 2人(51♂、51♂)
MBAスクールの学友 3人(51♀、51♂、47♂)
元交際相手 1人(53♀)
元ブロガー 1人(58♂)

意外と、7人もいました。7人とも日本に住む日本人です。
お仕事の関係者はゼロ。やはり、仕事で知り合った人とは友人にはなれないのでしょうか。

7人中 2人が女性。異性比率は 29%です。
7人中 4人が同い年。この歳になっても、同い年というのは強力な絆理由になるのでしょうか。

もうひとつ興味深いのは、何歳のときに出会ったか、です。
小学校以来の悪友は、一桁年齢で出会っています。
MBAスクールの学友は、39歳で出会っています。
あとの 2人は 30代前半のときに出会っています。

10代・20代で出会った人がゼロなんですね。
つまり、高校や大学で出会った人とは友人になれなかったということです。
これってけっこうあるあるではないでしょうか。
高校・大学は、学業成績的に似たような人種が集まるので、面白味に欠け、かえって友人になりにくい。

一方、30代以降の、大人になってから出会った人とは真の友情を結ぶことができる気がします。なぜだろう。仲間の大切さをより実感しているからだろうか。

ふと、自分の父親のことを思い出しました。
サラリーマンだった父の友人は、職場の同僚たちでした。終身雇用で職場の人間関係が濃く、しかも転勤がほとんどなかった父にとって、職場の仲間が一生の友のようでした。定年退職してからも、元同僚たちと遊んでいたように記憶しています。

終身雇用でなくなり、職場の人間関係もドライになってきた今、大人たちは友人をもつことができているのだろうか?
定住しているかぎり、その土地の人とのふれあいがあり、その中から親しくなる人もできるとは思います。ただ、友人関係を長年維持することは難しいのではないでしょうか。

LINE等で頻繁に連絡を取り合っているのでなければ、久しぶりに連絡する、というアクションが必要になります。これが意外とハードルを高くしている気がします。
迷惑に思われたりしないだろうか。逆に心配されたりしないだろうか。などと考えだすと、つい連絡を躊躇してしまいがちです。でも、「友人」と呼べる相手であれば、本来そんな懸念は不要のはずですよね。

連絡が途絶えがちになって、その人との関係がフェイドアウトしていったとしたら、その責任は連絡を取らなかった自分にある。
年齢を重ねるごとに、出会った人間の数は増えますが、友人の数は減っていくものだと思います。それは、友人関係を維持する努力を怠ってしまうから。
とくに、仕事に家庭に忙しい忙しいと言っている 30代や 40代は、友人を失いやすい期間だと思います。一度失った友人は戻ってきません。

友人の大切さ、関係を維持することの大切さを、いまいちど心に刻み込み、私も久しぶりに連絡を取ることにします。