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2020年代のアルバムレコメンド;レコーディングエンジニアを目指す人へ

2020年以降のアルバムでは、新たな音楽スタイルや録音技術の試みが数多く見られ、特にデジタルの進化とリモートでのプロダクションが影響しています。以下、レコーディングエンジニアとして参考になる2020年以降のアルバムを5つ紹介します。

1. Taylor Swift - folklore (2020)

説明:ロックダウン中にリモート制作で完成させたアルバムで、アーロン・デスナーやジャック・アントノフといったプロデューサーが参加しています。アコースティックな楽器が中心で、ボーカルと楽器のバランスが非常に繊細に作られています。シンプルでありながら空間表現が豊かで、特に「cardigan」や「august」では、リバーブとボーカルの暖かみが際立ちます。リモート制作の中でも一貫性とクオリティを保つプロダクション技術が学べます。

2. Dua Lipa - Future Nostalgia (2020)

説明:ディスコや80年代のポップを現代風にアレンジしたアルバムで、パンチの効いたビートと鮮やかなシンセサウンドが特徴です。「Don’t Start Now」や「Physical」では、タイトなリズムセクションとベースラインの低音の処理が見事で、クラブでも聴きやすいようなミックスが意識されています。エレクトロポップやダンスミュージックのミキシング技術を学ぶのに最適です。

3. The Weeknd - After Hours (2020)

説明:80年代のシンセウェーブやR&Bを取り入れた、ダークでムーディーなアルバム。「Blinding Lights」は特に有名で、エレクトロポップのドラムとシンセサウンドが強調され、パーカッシブなドラムの音質やリバーブ処理が印象的です。サウンドデザインの細部までこだわっており、シンセサウンドやボーカルのエフェクト、ビートの処理が学べる作品です。

4. Billie Eilish - Happier Than Ever (2021)

説明:独特のミニマルなサウンドとエモーショナルな表現が特徴のアルバム。兄のフィニアスと共にプロデュースしたこのアルバムは、「Your Power」や「Happier Than Ever」など、シンプルなトラックの中にも豊かな感情を表現しています。ボーカルの繊細なニュアンスや、音場の奥行き感の出し方に注目するとよいでしょう。特にボーカルの空間感の出し方やディテールの処理が学びどころです。

5. Olivia Rodrigo - SOUR (2021)

説明:ポップパンクやオルタナティブ・ロックを現代のポップスに融合させたアルバム。シンプルな楽器構成ながらも、パンチの効いたサウンドと、ボーカルの感情表現が前面に出ています。「good 4 u」ではギターの迫力や、ドラムとベースのタイトなリズムセクションのミックスが特徴で、ボーカルと楽器のバランスが秀逸です。ポップとロックの中間的なサウンドを作る際に参考になります。

これらのアルバムは、リモート制作や新しいプロダクション技術、ジャンル融合など、2020年代の音楽制作のトレンドや技術を学ぶのに役立つでしょう。各アルバムの音の広がりやボーカルの表現、エフェクトの使い方などを意識して聴き、最新のサウンド作りに役立ててみてはいかがでしょう。

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