2848
ヤフーニュースでANAグループ37社に、2848人が新たに入社したと報道されました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0cabaf3da280f78bfcc0f939dd8ed5f8f4dfbeef
2848人の入社とはスケールが大きいと思いましたが、コロナ禍で採用を抑制したため、需要が回復してきた今となっては、多めに採用したわけではなく適正な人数を採用したのか、と有価証券報告書の従業員数を見て思いました。
報告書に記載された従業員数です。
2019年3月 43,446人
2020年3月 45,849人
2021年3月 46,580人
2022年3月 42,196人
2023年3月 40,507人
コロナ禍が始まってからの2年間は従業員数が増えてますが、21年3月から23年3月まで約6千人減ってます。
これは20年3月はコロナ禍が起きた時は入社選考が終わっていて、21年3月は落ち込んだ需要が回復するのを期待して従業員を増やしたということでしょうか。
21年3月の報告書ではコロナ禍の対策として、大型機の退役の他に役職員の報酬削減や、休業・休職制度の拡充、外部企業への出向などの人件費抑制策を実施すると記載されてます。
厳しい経営環境と人件費抑制策が実施されてから職場を去る人が多くなり、21年3月から23年3月までに、従業員数が約6千人減ったということでしょう。
ANAが去年から中途採用を大量に実施したというニュースは聞かないので、今春2848人が入社しても、従業員数の規模は2019年と同じくらいじゃないか、と予想します。
今春入社した人の事業環境はどうなるでしょう、ANAの事業は航空、航空関連、商社、旅行などいろいろありますが、主力の航空事業の旅客数と売上高を、そして3月期の決算発表はまだなので19年と23年の第3四半期の数字を比べてみます。
19年4−12国際線旅客数 773万人
23年4−12国際線旅客数 531万人
19年4−12国内線旅客数 3472万人
23年4−12国内線旅客数 3109万人
19年4−12LCC旅客数 577万人
23年4−12LCC旅客数 704万人
19年4−12売上高 1兆5821億円
23年4−12売上高 1兆5435億円
国際線の旅客数の回復は遅れてますが、LCCは19年を超えていて、国内線も需要の回復ぶりから今年の4月以後は19年に並ぶかもと思います。
物価高の影響もあって運賃も上昇しているせいか、売上高の回復の方が旅客数の回復より早いです。
売上高を見ると総合的にはコロナ禍前までの水準にもう少しという感じですが、インバウンドや季節的な賑いのニュースを見てると、時期によっては19年以前より忙しい月や週が、今後に何度もありそうな気がします。
19年と従業員数が同じくらいとすると、19年より業務量が大きく増えても、19年と同じかより少ない人数で捌かなければならない、部署によってはそんな時期がありそうな気がします。
そのような事態になれば、入社したばかりで慣れてない従業員は戸惑うかもと想像します。
新たに入社した人の中に業務量の多さや複雑さに戸惑う人が出ても、以前から従事してる人が適度にサポートして、インバウンドや国内旅行が増えることがあっても、うまく対応していけるといいですね。