薬の話③
前回の続きです。
⑤DPP-4阻害薬
インクレチンというホルモンは血糖値を下げます。インクレチンを分解してしまうDPP-4という酵素をじゃまする薬です。値段はたかめですが、安全性が高いので日本でよく処方されています。効果はまずまずといったところですが、製薬会社が儲かるらしく営業が激しい薬です(苦笑)。⑥のスルホニルウレア剤と一緒に飲むと効果が1.5倍くらいになるので、狙ってつかうこともあります。サビ予防効果はわかっていません。
⑥スルホニルウレア剤
強制的に自分のからだから出ているインスリンを出させるため効きが良い反面、効きすぎて低血糖になることもおおい薬です。腎臓が悪い人はからだから排出されにくいので低血糖のリスクは高くなります。むかしからあり、低血糖以外の副作用はあまり無い、値段もやすいので広く使われています。サビ予防効果はどうも無いようです。
⑦即効型インスリン分泌促進薬
このくすりは⑥を短時間だけ効かせるように改良した薬です。1日3回食直前に飲む必要があるため、飲み忘れが多いくすりNo.1です。レパグリニドという種類は腎臓が悪い人でもからだに残りにくく、⑥より使いやすいと思います。値段はまずまずです。
⑧チアゾリジン系
からだにたまった脂肪を小さく分解して、小さくなった脂肪にエネルギーを取り込ませて血糖値を下げるというくすりです。人によっては血糖はさがるものの体重が増えてしまうという困った副作用があります。また、塩分もからだにため込むらしくむくみ、心臓への負担(心不全)がでてしまうこともあります。低血糖にはなりにくく値段もまずまず安いので、上に書いてきた①から⑦の薬が使いにくい状況がある時に選択することもあります。
さらに膀胱がんを増やすという報告があります。国産のくすりのためか、日本では安全宣言がでましたが海外では使わないよう警告がでています。専門医の認定は学会によってされるので表立っては言えませんが、この部分は日本糖尿病学会に対して不信感を抱く理由のひとつになります。
⑨α-グルコシダーゼ阻害薬
こちらも⑦同様1日3回食直前のため飲み忘れがおおいです。費用は安いのですが効果はこれら糖尿病治療薬の中では一番弱いです。⑦と同じタイミングで飲むため、合剤という2つの薬を1つに混ぜて作られたくすりがあります。メリットとしては、日本で唯一境界型糖尿病でも使えるという部分でしょうか。
血糖値をコントロールするくすりの概略をみてきました。こうみるとメチャメチャ良い!というくすりはありませんね。糖尿病になると完治はしないため、なる前の予防がとても重要です。なってしまったら、マズイ生活習慣をまずあらためた上で、評判がいい先生を選んでかかるようにしたいですね。
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