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#冬晴さんぽ神

冬は寒いものだが、案外散歩には向いている季節だと思う。はじめの一歩こそ躊躇してしまうが、なんだかんだ歩き出せばすぐ体が暖かくなる。そして、体が温まってきても外気で冷えるため、汗による不快な思いをすることは少ない。北海道や日本海側を除けば、季節風の都合で大抵冬の方が天気がいい。そんな中、例によって例の如く、友人に誘われてドロッセルマイヤーズさんのさんぽ神で遊ぶことにした。急遽予定が空いたのだといい、天気がいいから無駄にしたくないという気持ちは同じだった。友人のツイートを元に今回のゲームを振り返ることにする。

#冬晴のさんぽ神 という名前に違いなく、気持ちがいいくらいに晴れていた。空には雲ひとつなく、遠くの空に月が霞んで見えた。去年、新宿駅南口で待ち合わせて最初の #さんぽ神 をやったときを少し思い出した。あれからだいたい1年になる。

「今日無理なく行ける一番遠い場所で」「食べたことのないものを食べよう」。初手から大きく移動をする選択肢が出ましたが、後に合流する友人がいることを鑑みて「(徒歩で)無理なく行ける」ところに行くことにして、甲州街道、新宿通りをひたすら東に向かって歩いた。それより「食べたことのないもの」を探すことに苦戦。ジャンルとして食べたことがない(例:ベラルーシ料理)店、行ったことはある店の食べたことないメニュー(例:ジョナサンのジャンバラヤ)など、選択肢はたくさん考えられたが、歩く道のりでは入ってみたい店が多く、難儀した。

スケジュールの兼ね合いで、四谷近辺でお店を探している中、いい感じのトルコ料理屋さんを発見した。ケバブは食べたことがあったが、トルコ料理はもちろんそれだけではない。ランチメニューで上記を選んだが、店内には食べたことのないメニューがたくさんあり、また、お酒も数多く取り揃えられている上に、シーシャまで提供していた。次に来るときは夜にして、トルコビールを飲みつつ煙を楽しめたら最高である。

四ツ谷駅で友人と合流して、「6文字以上の名前の駅で電車を降りて」「可愛いものを探そう」。ちょうどいいところに東京メトロの路線図があり、6文字以上の駅は他に「六本木1丁目」、「虎ノ門ヒルズ」、「中野富士見町」とあったが、乗り換えなしで行ける「国会議事堂前」をあえてチョイス。官庁街というのは周知の事実なので、かわいいものと縁がなさそうであったが、歩いてみるといろいろ出てくる。

国会議事堂前の駅を出て、真っ先に目に入ったのは総理官邸で、生で見るのは初めてだったので少し新鮮だった。あまりにもデカい敷地の無骨な庁舎ばかりなので、原宿あたりからギャルを連れてきたら何か探してきてくれないか考えていた。それくらい何もなかったのだが、国会議事堂の正面に出たところ、憲政記念館の方に時計を発見。時計のそばに近付いてみるといろいろと面白いものが出てきた。

丸ノ内線に戻っても面白くないので、皇居沿いまで坂をくだり有楽町線の桜田門駅から動くことにした。「5駅先で電車を降りて」「かっこいい漢字を探そう」というと、江戸川橋か豊洲になるわけだが、前者は住宅街のイメージしかなく、なんとなくいろんな文字がありそうな豊洲に行ってみた。歩いてしばらくは久しぶりに見る海を楽しんでいたが、どこまで行っても漢字らしいものが見当たらない。気がついたら豊洲市場まで来ていた。

豊洲市場の前で引いたのが「あまり好きではない場所で」「匂いを嗅いでまわろう」だった。あまり好きではない場所、はそもそもそんなにスッと思い付かないのだが、現在地から行きやすいところで考えたところ、全員で意見が一致した。

下町、郊外の雑多な感じを愛するメンバーだったというのが大きかったかもしれない。ゆりかもめで見慣れた逆三角形をわき目にお台場で降りて、ショッピングモールの中を散策。香水やらフードコートの食べ物の匂いが強かったが、8階の展望台は地元のスーパーの屋上駐車場と同じ独特の匂いがした。

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フジテレビの球体を押さえておけば「お台場にきた」と胸張って言えるとこぞって写真を撮った。休日のスターバックスが混んでいないわけがないのだが、モバイルオーダーで華麗にクリアし、湾岸エリアが見渡せるベンチでコーヒーを楽しんだ。寒空の下で飲む温かい飲み物ほど美味しいものはない。沈もうとしている陽射しが、緩やかに赤みを増そうとする中で、終わりかけの日曜の午後を寛いで過ごした。

お台場から「適当に30分歩いて」「絵に描かれた動物を探そう」。夕方であるのは空の色からわかっていたので、何も考えず「適当」に歩くというよりも「適当」な方向に向かって歩くことにした。東京西部に住む私たちの帰り道といえば、どう考えても目的地は一つしかなかった。

お台場海浜公園のそばからデッキを上り、レインボーブリッジを歩いた。右手には築地、勝どき、豊洲、左手には天王洲アイルや羽田が見渡せた。なかなか360度全方位を見渡せる場所はない。特に海から都心のビル群が見えるのは新鮮だった。渋谷や新宿から見ると強い存在感のある六本木ヒルズも、ビルの谷間に霞んでおり、世田谷の自室からはっきり見えるセルリアンタワーやスクランブルスクエアなど、影も形もわからなかった。東京が坂の街なのだと改めて感じた。

レインボーブリッジは歩道も交通量が多かった。ランニングするお姉さん、自転車を引くおじさん、三脚片手に長時間露光で夕暮れ時のビル群を撮るカップル、数十万円する望遠とハイエンドの機材でビルの隙間のスカイツリーを狙う「剛の者」たち… それぞれに日曜日の夕暮れを満喫していた。レインボーブリッジでも、田町に降り立ってからも、描かれている動物がいくつかあったので、お題は難なくクリアして、日も暮れたのでゲーム終了となりました。

昨年の #さんぽ神 では東京の西側を6の字に巡りましたが、今回は少し歪なJの字型に進んでみました。普段から街歩きが好きなメンバーだったので、なんの苦なく最後の最後にレインボーブリッジを渡り切りました。「さんぽ神」の名前に恥じないくらいにはお散歩できたのではないかと思います。

前回、夏にやったときに買ったばかりの「さんぽ神」を落としてしまって以降、新たに買わなかったのですが、どうやら新宿タカシマヤ タイムズスクエアの東急ハンズに置いているようです。去年は冬、夏にやったきりでお散歩シーズンである春、秋にはできなかったのが振り返ると少し残念でした。どちらも散歩するにはもってこいの季節のはずです。東京に限らず、神奈川、千葉、埼玉くらいであれば軽率に出て行っても「散歩」の範疇に収まりそうですから、例えば、菜の花や紅葉を見に行くのもありかなと思ってはいます。散歩することで、これからの様々な季節を、今日見た夕焼けのようにしっかり味わいたいと思いながら、今日はこの辺で筆を措きます。


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