夜を見よう
夜。。
痛く寒い夜
いつもの小さい線路を越えて
騒がしい店の中で
1人ポツンと座って
考え事をするのが日課
今日もそうするはずだった
元カレが今カノと
そこにいなければ、ね。。
イチャイチャしてるのを
見たくなかったわけでも
気まずいからでもない
どうしても1人で居たかった
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.
.
悴んだ手で
うまく開けられない自転車の鍵
馴れない手つきのように
フラフラ漕ぎだす
久々の学校だったからだろうか
この時間になって
ドーンと気疲れが
のしかかる
漕ぐのをやめた自転車と私の上には
雲1つない青黒い空が広がっていた
あちこちに銀だの白だの
星がちりばめられた
青黒い空
視覚の隅にとらえた
1つを見ようとすると
消えてしまう
そんな中に
その空に目を惹くものが
1つ。。。
まだ見ていない
それは見なくてもわかる
胸がそわそわするような
オレンジ色の光
シュッと綺麗な輪郭の
" 月 "
に感情が
胸が
心が
全身が
そわそわした
細い三日月のラインなのに
青黒い夜を
支配していた
町を歩いてた人たちが
" 今日は月が綺麗だなぁ "
と呟いた
そうでしょうそうでしょう!と
自慢したくなってしまった
月はみんなのものなのにね
みんな四角い画面に
顔を向けてばっかりでもったいない
なんて思いながら
また四角い画面に顔を向けてしまう
さあ窓を開けて
ほら、あの砂時計の形の
星たちは何座だったかな
なんて風を肌に感じながら考えて
ぞっと窓を閉じた。。
.
.
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