231212 シカ
組み終わってフィッティングやメイクを待つ間、スタジオの隅っこで影絵遊びをした。女の子のアシスタントさんの髪の毛が鳥に見えて、私がそっと狐になってその鳥の影をつんつんとしてふざけていた。
いちさんはそれをこっそり見ていて(何やってるの?)と聞いてきた。
私は「なんでもない。」と手をポケットにいれたけど1さんは腕まくりをして手を伸ばした。二つの手で立派なシカをつくった。
私はすごい!って思ったけど静かに1さんを見た。相変わらず髪の毛で表情が見えない。でもなんとなく笑っている口元が見えた気がした。
マネージャーがそろそろですと伝えにきた。
シカは居なくなっていた。
目覚める
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