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令和の米騒動、米作り農家はこれからどうすべきでしょうか?

米騒動の経緯と現状

2024年8月以降、全国の小売店で米の品薄状態が続き、価格は前年比で3〜4割上昇しました。2025年1月現在も価格は高止まりが続いており、新潟県産コシヒカリ5kgは5000円を超えるような価格で販売されています。

価格高騰の主な要因

供給面の課題

  • 2023年の猛暑による品質低下と精米歩留まりの減少

  • 生産調整による作付面積の減少

需要面の変化

  • インバウンド需要の急増

  • 南海トラフ地震への備えによる買いだめ

農家への影響

この状況は農家にとって複雑な影響をもたらしています。物価高や国際情勢の影響で、農機具や燃油、肥料など生産コストは上昇していましたが、米価上昇により経営改善の兆しも見えています。
しかし、多くの農家は以下の懸念を抱えています。

  • 消費者の米離れが加速するかもしれない

  • 将来的な価格暴落の可能性もある

  • 外国産米への置き換えリスクが高くなっている

  • そもそも米価が安くなりすぎ経営的にやっていけない状況が続いている

そもそもお米の価格は安くなりすぎていました

これらの状況をふまえ、中山間地の農家がこれからどのようにしていくべきかについて、ChatGPTを使い、将来展望を考えてみました。

中山間地での米作りは平地に比べるとたいへんな手間がかかり大幅にコスト高です

1. 近年の米市場の動向と背景

  1. 令和の米騒動とその後の需要増

    • 一時的に供給不足に陥ったことで、国内外の需要が増加し、価格が上昇したケースがありました。

    • その影響が長引き、在庫調整が進むまで高値や需給ひっ迫感がある状態が続いています。

    • 消費者が“米の品質”や“ブランド”にこだわる傾向がさらに高まっている状況です。

  2. コスト上昇と生産萎縮の懸念

    • 原油高の継続は、農業用燃料・肥料・物流など幅広いコスト増につながっています。

    • 零細・個人農家ではこれを価格転嫁しきれず、作付け縮小や離農につながる懸念があります。

    • 高齢化・担い手不足も深刻化し、一部の地域では米の生産維持が難しくなる見込みです。

  3. 消費動向と価格差

    • スーパーや量販店などでは依然として3割程度高い値段が継続しており、食卓に影響が出始めています。

    • 高付加価値米の需要は根強く、特に「安心・安全」「ブランド」「ストーリー性」を重視する層からの支持が高いです。

    • ただし今後、インフレや経済状況によっては価格感度の高い消費者の行動が変化する可能性もあります。


2. 自社農場の現状分析

  1. 高付加価値ブランドとしての確立

    • 5kgで5,000円程度の価格帯を維持し、ブランド力とファンを獲得している点は非常に強みです。

    • 令和6年産分がすでに完売していることからも、一定の需要とブランド認知が確立されていると言えます。

  2. 値上げ幅を固定(15%弱)としてきた背景

    • 既存顧客への年間予約やリピートを重視する中で、大幅な変動がしづらいという側面があります。

    • ある意味“価格を上げるリスク”を最小化してきたともいえますが、原油高などコスト増に追いつかない可能性も念頭に置く必要があります。

  3. 生産規模と今後の需給予測

    • 高付加価値であるため、現時点では小規模ながら十分に売り切れている状況。

    • 引き合いが増えても無闇に作付けを拡大すると、品質維持や販売チャネル管理のオペレーションが追いつかず、ブランド価値が下がる恐れがあります。


3. 今後の需給見通しと作付け・買取の考え方

  1. 需給バランスと価格動向

    • 少なくともあと1~2年は、燃料・資材価格の高騰や生産者減少による需給逼迫が続く可能性が高いです。

    • その後の景気次第では米価格が落ち着くかもしれませんが、「安定供給できる生産者の数」は減る可能性もあり、生産者サイドに有利な相場が続くと考えられます。

  2. 作付け拡大のリスクとポイント

    • 小規模・手売り中心で高付加価値を保てるような農法を維持するには、急激な拡大はマイナス要素が大きいです。

    • ただし固定客の需要増や、新規市場の開拓による将来的な拡大を見込むなら、周辺の農家との協業・委託生産なども検討する手があります。

  3. 買取強化と連携の可能性

    • 自社農場がすべてを生産するのではなく、近隣の信頼できる農家と契約栽培を行い、品質基準を徹底しながら“自社ブランド”として買取る仕組みを作ることで、一定の供給量を増やす手段になります。

    • 高齢者農家の廃業や後継問題がある一方で、まだ生産意欲のある農家がいる場合は、ブランド基準に合わせた指導・資材提供などの協力体制を築くことで、双方がメリットを得られます。


4. 具体的な戦略提案

  1. (A) コア顧客向けの年間予約強化・直販強化

    • 既存顧客やリピート顧客に対しては、年間予約や定期便の割引特典などを提供し、安定的なキャッシュフローを確保します。

    • 顧客へは「高品質米の安定購入」のメリットを訴求しつつ、追加付加価値(レシピ提案、米の保存・炊き方アドバイスなど)を提供することで満足度を高めます。

  2. (B) B2B向けチャネルの拡大

    • ふるさと納税の返礼品や業務卸などのルートを見直し、単価を維持しつつも安定受注が見込める先と長期契約を検討します。

    • 高級飲食店や旅館など、ブランドイメージを高めてくれる業態を中心にアプローチすることで、自社の付加価値をさらに高める効果も期待できます。

  3. (C) 委託生産・ブランド統合による拡大

    • 今後の需要増や拡販を見込むのであれば、周辺農家と提携し、共通のブランド基準(栽培方法、品種選定、品質検査)を設定したうえで、厳格に品質を管理する仕組みを構築します。

    • 自社の栽培ノウハウやブランディング手法をマニュアル化し、提携農家と共有することで、生産拡大による品質低下リスクを最小化します。

  4. (D) 価格戦略の再検討

    • 原油高などコスト上昇が続く中、15%の値上げ幅固定では経営圧迫リスクがある場合、部分的な価格調整を考慮する必要があります。

    • とはいえ、自社ファンがついているブランド米の場合、単価アップへの抵抗感は相対的に小さい可能性があります。

    • 「初回購入者向け」や「まとめ買い」「定期購入者向け」など、セグメント別の価格設定・特典を組み合わせることで、既存顧客を優遇しつつ新規を獲得する工夫が考えられます。

  5. (E) 情報発信・ブランド価値の向上

    • SNSや公式サイト、通販サイト等で「生産ストーリー」「生産者の思い」「おいしさの秘密」を発信し、ブランドへの愛着を高める取り組みを継続強化します。

    • 有機や特別栽培、サステナビリティ等の要素は、近年の消費者にとって大きな付加価値となります。該当する取り組みがあれば積極的に発信するのがおすすめです。


5. 経営マインドと今後の方向性

  1. “小さくても強いブランド”を守り育てる視点

    • 今ある強み(高単価で売り切れるブランド力)を維持・強化しつつ、少しずつ拡大する方向を模索することが望ましいです。

    • 需要が高まっているからといって、急激に規模を追うことはブランド価値の棄損を招きかねません。

  2. コストと品質を正しく反映した価格・仕組みづくり

    • コスト増に対応できる価格やサブスク型サービスなど、時代の流れに合わせたビジネスモデルを検討する姿勢が必要です。

    • 生産者としては「最高の品質を届けるために正当なコストがかかっている」ことを消費者に伝え、納得してもらえるようなコミュニケーションが重要です。

  3. 提携・ネットワークの活用による持続可能性の確保

    • 自社のみで生産するには限界があるため、地域の担い手を発掘・支援しつつ、一緒にブランドを盛り上げるネットワークづくりを意識すると将来の安定性が高まります。

    • これにより、生産規模を必要に応じて調整しやすくなり、市場の変動にも柔軟に対応しやすくなります。

  4. 消費者や取引先との“共創”の姿勢

    • 今後は消費者や飲食店など取引先が、農家の生産背景やストーリーを理解し、応援したいという気持ちで購入してくれるケースが増えています。

    • そうした関係を築くためにも情報発信・交流イベントなどを通じ、双方向コミュニケーションを大切にする経営マインドが不可欠です。


まとめ

中山間地の米作りは人手がかかりますが、その分とてもおいしいお米になります
  • 需給は当面ひっ迫気味のため、高付加価値米にとっては追い風が続く可能性があります。しかし、コスト高や高齢化などの構造的問題は無視できません。

  • 自社ブランドを守りつつ、中長期的には提携・拡大も視野に入れ、品質とブランド価値を両立させる工夫が求められます。

  • 価格戦略については、コスト上昇分を適切に転嫁できる仕組みや顧客コミュニケーションを強化し、ブランドの維持発展を図ることが重要です。

最終的には、「生産者の想いを理解してもらい、付加価値に正当な対価を払ってくれる顧客と長い関係を築く」経営マインドがカギになると考えます。小規模ながらも“選ばれる米ブランド”を徹底的に磨き、必要があれば地域の生産者との連携で拡大を図ることが、持続的な成長と経営の安定につながるのではないでしょうか。

農業経営者の相談にのりたい

経営のことなので簡単に答えが出ない問題です。

私は、農業に関して6次産業化プランナーというアドバイザー的な役割をしております。
https://www.dm2.co.jp/blog/category/agri/agribusiness
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農業経営者の相談にのりたいと考えています。

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