「仮面」の裏の出来事~24年上期の整理:日本円の需給~
経常収支黒字は過去最大が視野
8月初頭、ドル/円相場は141円台まで急落したものの、その後はじりじりと値を戻しています。その後は岸田首相の退任など大きな政治材料も浮上、9月以降の総裁交代、その後の総選挙、米国の大統領選挙も重なり、元々怪しくなっていた金融市場の視界は政治的にも悪くなってまいりました。
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相場の話に戻しますと、最近のドル/円相場の堅調は日銀利上げ観測が遠のき、円金利の先高観が解消されつつある中、「日米金利差の急激な縮小は無い」との思惑が寄与している側面は否めないでしょう。昨晩の米7月小売売上高の強さも手伝って、さらに水準が切り上がっています:
しかし、米7月雇用統計直後に見たように、悪い経済指標が確認されればドル建て資産が悲観一色の中で売り込まれる展開は今後も警戒されるところであり、目先に限って言えば、このままドル/円相場の押し上げが持続する可能性は高くないのでは?と筆者は感じてます。そっち(円高)方向の話は珍しいとも言われるのですが、別に円安を望んでいるわけではなく、その時点で入手可能な情報から判断しております。
ドル/円の上値の重さは最近の需給環境からも察するところです。この点、8月8日には財務省から2024年上半期の国際収支統計が発表されているので、需給環境の現状整理をしておきたいと思います。筆者が常々注目してきたキャッシュフロー(CF)ベース経常収支の数字なども踏まえ、論点整理をさせて頂きます。
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