トランプ勝利と論点整理~「仮面の黒字国」としての立ち振る舞いを~
10月末より欧州方面へ出ており、情報発信が滞っており申し訳ございません。ようやく帰路につき、筆を動かしています。この間、市場では様々なことがありました。欧州(ロンドンとブラッセルを尋ねました)で感じたことは追々取り上げるとして、まずは自分のためにも大統領選と金融市場の今後などについて論点整理しておきたいと思います(というわけで、空港で書いています)。
8年前の再現
日本時間11月6日に開票された米大統領選挙はトランプ氏再選という結果で着地することになりました。トランプ氏勝利の確報が流れたのは日本時間6日夜でしたが、既に日本時間6日朝方からドル高・円安・株高というリフレトレードが盛んになっていました:
ドル/円相場は154円台に到達し、日経平均株価は一時、前日比+1000円を突破し4万円を臨む時間帯も見られています。これらは概ね事前にそうなるだろうと言われていた通りの取引であり、この点で2016年のトランプ氏当選の時とは雰囲気が異なります。当時は「トランプ氏勝利でリスクオフの円高が進む」という事前観測が跋扈していたものの、実際は今回見られたようなリフレトレードが市場を席巻しました。8年前の経験が学習され、再現されているという印象は抱かれます。8年前、トランプ氏は得体のしれない存在でしたが、今回はそうではない、という言い方もできます。
もっとも、選挙直前・直後の相場反応やこれにまつわる解説の類は水物であり、あまり深追いしない方が良いと私は思う立場です(大体徒労に終わるからです)。現時点で確実に言えそうなことを、論点整理し、大まかな方向感だけ頭に入れておくと良いと思います。
以下、図表を使って、簡単に論点をまとめておきたいと思います。もちろん、今後、続報に応じてもっと精度を高めていきたい所存です。
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