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karasu_toragara
ドル一強体制は永遠か<後編>
先週お届けした「ドル一強体制は永遠か<前編>」の後編お届けしたいと思います。多くの方に読んでいただきました。有難うございました:
前回は下記のように論じました:
そもそも基軸通貨国であることの最大の強みは「ドルが使えないと経済活動に参加できない」という状況を強制的に創り出すことができる点にあります。だからこそ、米国の脅しには意味が伴ってきました。しかし、ドルの代替通貨があればその限りではありません。
言い換えれば、「米国を主軸とする西側の金融制裁」がこれまでは国際金融の舞台において抑止力を持ってきたという経緯がありました。
ロシアは好景気という現実
しかし、既に、「米国を主軸とする西側の金融制裁」が昔ほどの威力を持っていないという疑義は漂っています。前回も確認しましたが、2022年3月、ロシア・ウクライナ戦争に伴ってロシアに対しては「金融の核兵器」とまで言われたSWIFT遮断という制裁が加えられました。この際、ロシア経済は破滅に追い込まれるという評判がもっぱらでした。
しかし、現在のロシア経済は軍需産業を中心として好況に沸いています。実際、成長率のパフォーマンスだけで見れば、先進諸国と比較しても頭抜けています。もちろん、国内情勢を分析すれば色々な綻びもありましょうが、少なくとも「金融の核兵器」により壊滅的なダメージを負ったという印象は当てはまりそうにありません。図を見ると鮮明です:
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