少し不安な「3年でデフレ脱却」発言
石破カラーは年末まで封印か
既報の通り、石破総裁は10月9日に衆議院を解散し、10月27日に投開票を行う方針を表明しました:
発足直後で新政権に新鮮味があること、野党の一致協力が進まないうちに勝負をつけたいことなどが決断の主たる動機になるでしょう。現状、石破総裁の経済政策観を尋ねられることが多くなっているものの、総選挙前に本音の話ができるはずもありません。補正予算編成などを通じて「石破カラー」が出されていくとすれば、それは総選挙後の話になりましょう。補正予算の焦点はほぼ間違いなく物価高対策であり、これが拡張財政路線、ラフに言えば単なるバラマキ型にならないのかといった点に関連して、政権のカラーが判断されることになりそうです。
もっとも、石破政権の基本路線は「アベノミクスの巻き戻し」でしょうから、財政・金融政策がある程度、引き締め的な姿になるのは想像がつきます。それは金融政策であれば日銀の追加利上げ黙認であり、財政政策であれば各種増税措置の検討が想定されます。
前者については既に「日銀に委ねる」という石破総裁の姿勢が周知されており、今後も新しい発言は無いのでしょう。しかし、後者については岸田政権時代から税調での議論を通じて法人税増税の示唆が始まっていることが思い返されます。石破総裁は折に触れて「税制は税調に委ねるもの」と発言しています。これと照らし合わせれば、年末の税制改正大綱に合わせて法人増税に象徴される緊縮路線というカラーが出てくる可能性はあるでしょう。
金融所得課税はどうなりそうか?
耳目を引く金融所得課税はどうなるでしょうか。これは市場参加者の希望的観測として「どうせやらない」という予想なのか期待なのか分からない雰囲気が先行しているように感じますが、一筋縄ではいかないと私は思います。
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