写真、建築、音楽の三角食べで生きてます

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最近の記事

どうでもいい日にカメラを持って何の意味があるの

ここ4年ほど、どこかに出かけるときは常にカメラを持ち歩いている。コンビニに行く時も、会社に行く時も。 日常のどうでも良い、でも自分にとっては特別な一瞬に出会った時、カメラを持っていないことで後悔したくないから。という自分史ジャーナリズム的な側面も一理あるが、本当の理由はそこにはない気がする。 大切なのは、カメラを持って歩くことで身の回りの良いところを探そうと思う、その目線を得られることだと思う。 つらい日だって、カメラを持ち歩けば。綺麗な光が当たっている場所を探してしま

    • 心の中に、ギャルを飼え

      いきなり突拍子もないことを。と思うかもしれないが、精神があまりにもやられそうな時は心の中にギャルを飼育することにしている。仕事で上司に怒られながらも徹夜しないといけない時、心の中のギャルに問うてみる 「まじ仕事しすぎでチョーウケるー。ちょーダサいんですけどー。」 そっけない返事がマイリトルギャルから返ってくる。 と同時に、この一連の動作によって自分の状況を俯瞰視することができ、悩んでたことがそんな深刻じゃないように思えてくる。 誰しも、宇宙の歴史、ビックバンから138

      • マキシマリストのミニマリズム入門

        ミニマリスト全盛のこの時代、肩身狭く、全身全霊でマキシマリストをやらせてもらっております。シンプルで丁寧な暮らしも良いけれど、雑多なものから生まれ来るハーモニー、多様性、偶発性に心を奪われてしまう心の持ち主です。無印良品よりもヴィレッジ・ヴァンガード。ヴィレヴァン発祥の地、名古屋生まれの細胞が全身で疼いてしまうのです。 そんな私ですが、2022年も終了したということで、昨年末に一世一代の大掃除をさせて戴きました。 その過程を通して、恥ずかしながらも、ようやっとわかってきた

        • 実空間におけるオクシモロン

          ある晴れた日のカレー屋である日、土佐堀川沿いにあるカレー屋さんに入った。整理券をもらわないと入店できないカレー屋さんで、待ち時間は北浜をブラブラして時間を潰した。やっと自分たちの時間が来て席に着いた。テーブルの上には1枚の紙が置いてあった。 【オクシモロン】= 反対の意味の語を組み合わせることにより、奥行きのある印象を生み出す語法のこと。例として「永遠の一瞬」「公然の秘密」など。「真剣な遊び心」や「寛容なこだわり」をそなえた見方を忘れないように、また、いろいろな個性を生かし

        どうでもいい日にカメラを持って何の意味があるの

          松原市新図書館 / MARU。architecture

          MARU。architectureの最新作、松原市新図書館にいった。とてもよかったので松原市新図書館の勉強スペースでそのまま思ったことをメモ。 まずこれは外観の様子。赤みを帯びたカラーコンクリートの塊が水の上に浮いている。新しい建物だと期待して向かったものの、たどりついてみると何十年も前からそこに存在していたような存在感に圧倒された。カラーコンクリートのムラがいい味を出している。高見ノ里駅から歩いて向かったが、周辺の街並みが軽めの万引き家族的世界観というか、味わいのある街並

          松原市新図書館 / MARU。architecture

          悩みが紙くずになって、建築になって、鞄になったはなし / BAO BAOのデザイナー 松村光さんの話をきいて

          このまえ、BAOBAOのデザイナーである松村光さんのレクチャーに参加した。AAFという関西のNPOが開催しているもので、今回はその松村光さんと建築家の平沼孝啓さん、ISSAY MIYAKEの社長を務めた太田伸之さんの3人による対談。服のブランドとかって、なんでこんなに高いのかがパッと見でわからなかったりしてこれまであんまり興味を持ってこなかったけど、服をデザインする松村さんの思考や人生に触れると途端に興味がでてきてしまうもので、知ることってやっぱり大切ですね。 松村さんのレ

          悩みが紙くずになって、建築になって、鞄になったはなし / BAO BAOのデザイナー 松村光さんの話をきいて

          片隅まで透明に塗られた世界で / 原広司『均質空間論』をよんで

          世界にはさまざまなバイブルがある。 キリスト教には聖書が、受験生には赤本が、シティボーイにはPOPEYEが、料理にはクックパッドが欠かせないように、建築を志す者にとってのバイブルの1つとして君臨しているのがこの原広司による『空間<機能から様相へ>』である。 学生の頃に図書館で読んだことがあったが、改めて読み返すと名言の嵐で傘も差せない。ということで、名言を容赦なく浴びせられズタボロになって読んだこの本の感想を書いてみたい。そもそも、ただの小説にもかかわらずAmazonにて

          片隅まで透明に塗られた世界で / 原広司『均質空間論』をよんで

          あなたはモノではなく出来事です/『時間は存在しない』という本をよんで

          「ぼくはいつ死ぬのだろうか」 と、幼少期に1人、ベットで怖がったことがある。というのはよくある話で。そんな幼少期から時を経て、そもそも 「自分ってモノじゃなかったんだ」 ということを学んだ。 こんなファンキーな世界観(というか現実なのだけれど)を教えてくれたのはカルロ・ロヴェッリというループ量子重力理論の研究者が書いた『時間は存在しない』という1冊の本だった。 そもそも前回の投稿で書いた通り、ぼくは建築と時間の関係に興味がある。でも「そもそも時間って何だろう」と考え

          あなたはモノではなく出来事です/『時間は存在しない』という本をよんで

          時の器としての建築 / noteを書こうと思ったワケ

          1.銀座に眠る都市型神社銀座のとあるペンシルビルをエレベーターで8階まで駆け上がり、そこから屋外の避難階段を登る。くもりガラスのドアを1枚抜けると、そこには周囲の街並みから切り取られた信仰空間が広がっている。 銀座3丁目にある朝日稲荷神社は銀座で初めてビル化した神社である。1983年に隣にある大広ビルが改築されるのに伴って、歴史ある社殿はビルの1〜2階を吹き抜け拝殿とし、本殿を屋上に設置するようになった。1階の社殿と屋上の本殿はパイプで繋がれており、想いを地上から屋上へとど

          時の器としての建築 / noteを書こうと思ったワケ