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原宿駅解体。

 先日原宿駅に行きました。コロナ禍で全盛期の賑わいはありませんが、人はある程度いらっしゃいました。新原宿駅舎の隣で粛々と行われているのが旧原宿駅の解体工事。1924年に竣工し、大正、昭和、平成、令和と4回の御世を見守ってきた歴史的建造物が解体されるのは寂しい限りです。しかし今回はある意味貴重な機会と言えます。なんといっても建物の昔の骨組みが観れるのですから。

 ホゾや組み方等匠の、多分まだこの子らにはギリギリ江戸時代生まれの方もいらっしゃったでしょうから、旧原宿駅が建造される、大正時代終焉の空気を包括し、令和の世に解き放っている感覚に襲われます。

 建築時に大正時代の人々はこの光景を見たのだろうと。胸が熱くなります。近くには明治神宮。そして安藤忠雄が設計した表参道ヒルズの後方には関東大震災で被災した人々の為に建てられた同潤会アパートが再現されています。建物に蔦が絡まり、往時の様子をしのばせます。昔、若い時に同潤会アパートに入り、お店を覗いていたのを思い出します。歴史は循環し、遺されていくのでしょう。

 

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秋山大輔
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