東洋医学における陰陽
陰と陽の意味
陰陽論って何だろうね?ということなんですが、万物二元論っていうことなんですよ。
陰っていうのは影ですよね。
陽っていうのは日向ですよね。
こう見ると、ポジティブな発想を持つのは陽の方ですね。
陰というのは、多くの方は影というと考えると否定的なイメージを持っていると思うんです。
どうしても白と黒みたいな感じで、光と影とか、ちょっと暗い部分というというのはネガティブなものというような発想が現代的な頭だと考えられると思うんですね。
伝統医学でも、特に東洋の伝統医学をやっている人間は、その陰陽論の考え方のはちょっとニュアンスが違うんです。
陰陽論の中で治療論の中で出てくるその一つの考え方として、陰主陽従という考え方があるんですね。
何のこっちゃって感じでしょうか?
陰というベースがあって、陽がはじめて成り立つんです。
影になっている、いわば土台になっている部分がしっかりしているおかげで、陽が表で働けるんであって。
陰がなかったら陽は機能しないんですよ。
言葉では五臓六腑という言葉を聞くと思うのです。
我々鍼灸師は治療論の中では、五臓六腑っていうのは実際に治療には使ってるんですね。
多くの方は、「何言ってるんですか?」ってピンとこないと思うので、解説します。
肝臓、心臓、脾臓、肺臓、腎臓の5つで五臓って言ってるわけですけど、この五臓っていうものが体の中の主であるという考えているわけです。
これらは実質臓器と言いまして、中が全部パンパンに詰まっているです。
単なる入れ物じゃないんですね。
今の考え方だと、神経こそが大事。
家来が臓器だっていうふうに捉えられがちなんですけど。
その昔の中国医学というか伝統医学では、その五臓こそが主になっているんだと。
このバランスで健康だとは保たれているんだそうですが。
じゃあ六腑って何?
胆嚢、小腸、胃、大腸、膀胱と謎の三焦っていうので六腑です。
これらは中空臓器なんです。
中が空っぽの入れ物っていうことですね。
胆嚢っていうのはあの胆汁を入れている入れ物です。ここからちゅ!って胆汁が出るんですよね。
十二指腸から続く小腸は、消化液が混ざって食べ物が通る言う場所ですけど、これも食べ物が入っていないなら空っぽですよね。
胃も食べ物が入っていないなら空っぽ。
大腸も食べ物が入っていないなら空っぽ。
膀胱も尿が入っていないなら空っぽ。
三焦はよくわかりません。
全部中空なんですね。
六腑っていうのが陽なんです。
陽の部分がしっかりしてるっていうのは、五臓がしっかりしてるっていうことに依存してるんですね。
ちょっと難しい話してますかね?
陰は陽と主従関係にあって、陰がしっかりしてるから陽が成り立つと言う理論が五臓六腑の要なのです。
恐らく、皆さんが思っている光と影みたいな考え方というのは、西洋文化なのですね。
言わば白か黒か?みたいな、善か悪か?みたいなね。
万物二元論と陰陽論の違いと東洋的な考え方
万物二元論と、微妙に違う陰陽論。これが東洋的な考え方で、江戸時代までの常識。
明治以降、西洋文化が入ってきた後、善と悪みたいな、今の万物二元論が主流になりました。
万物二元論が主流になる前の陰陽論
陰陽清濁合わせ飲むみたいな、いわば両方必要だよね!っていう 陰陽論が世の中の常識だったのです。
陰陽っていうと、何だか前時代的とか怪しいとか思われる節があるんですけども、東洋の伝統医学的には根幹であり、江戸期までは本流だったのです。
これを理解しないと、伝統文化自体を理解できないというところで、終わっておきます。