アニメ『86 -エイティシックス-』を観て、3回泣いた。
Netflixで『86-エイティシックス-』というアニメを視聴しました。2021年に放送された第1クールと第2クール、23話分。
レビューを読むと、見事に賛否が分かれている作品のようですが……、
僕は3回泣きました💧
原作はライトノベルで、全11巻。そのうち、3巻までがアニメ化されているとのことです。
この作品、賛否が分かれる理由はなんとなくわかります。
まず、世界観を理解するまでが大変! そして序盤の展開が重い!
ざっくり背景を説明するとこんな感じです。
✅舞台はサンマグノリア共和国という国
✅「レギオン」という無人の殺人兵器と戦っている
✅サンマグノリアは最前線である「86区」に差別対象である移民を送り込んでいる
とにかく、サンマグノリアに住む人々の差別意識がひどいんです。
移民(エイティシックス)は人ではなく家畜なのだから、乗っている兵器は有人機ではなく無人機だと主張。戦場から逃げようものなら即処刑。与えられた兵器は貧弱で、満足な補給もない。人権がないから、戦死者として数えられることもない……。
そんな悲惨な戦場で戦っているのは、少年少女たち。既に大人は全滅しているのです。
彼らは、序盤から次々と命の花を散らしていきます。エイティシックスは減る一方、対照的にレギオンは増える一方。どう見積もっても勝ち目のない戦争を強いられているわけです。
一方、サンマグノリアの人々はというと、戦争などまるで対岸の火事。危機感などありません。
難しいでしょう? そして、重いでしょう?
では、どうして僕は3回も泣いてしまったのか。おそらく、答えは「主人公たちとヒロインの距離」にあるのだと思います。
物語の序盤、両者の間には〝ふたつの距離〟があります。
ひとつは、心理上の距離。
主人公たちはエイティシックス=使い捨ての駒なのに対し、ヒロインはサンマグノリアにおいて最年少で少佐になるほどのエリートです。
ヒロインは差別を嫌い、主人公たちと心を通わせたいと願いますが、最初は反発されてしまいます。
もうひとつは、物理上の距離。
主人公たちは最前線で戦っているのに対し、ヒロインは後方の安全圏から通信を介して指示を出す役回りです。
で、実はここが演出上の妙だと思うんですけど……、
この作品って不思議なことに、兵器は発達しているのに、映像での通信を行わないんです。なので、互いの顔がわからない。
物語が進むにつれて、心理上の距離は縮まっていきます。
しかし、物理上の距離はなかなか縮まりません。縮まるどころか、さらに離れて、最後は……。
この、距離が変わっていく過程が、切なさを誘うんですよ。
そして、切なさを倍増させるのが、この曲。 ――『Avid』
あー、久しぶりにアニメを観て泣きましたわー💧
ちなみに、見出し画像の「彼岸花」は、作中で印象的に登場する花です。
花言葉は「情熱」「独立」「再会」「あきらめ」「悲しい思い出」「想うはあなた一人」「また会う日を楽しみに」